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4. 空島
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「……去ったか」
空の騎士と名乗る全身鎧の老人は、バズーカの人がいなくなったのを確認して、呟いた。
「何なのよ一体……。アイツは何者だったの? ……それに、何よアンタたち! だらしない! 3人がかりでやられちゃうなんて!」
ナミがルフィ、ゾロ、サンジを振り返れば、3人とも息を切らせていた。
チョッパーが空の騎士に礼を言う。
「助けてくれてありがとう!」
「いや、やむを得ん。これはサービスだ」
「まったく、不甲斐ねぇ……」
「何か、うまく体が動かねぇ……」
3人は依然として息を切らせたままだ。
ロビンが宙を見上げて言う。
「きっと空気が薄いせいね」
「あぁ、そう言われてみれば……」
空の騎士がナミの方へ振り返った。
「おぬしら青海人か?」
「セイカイジン? 何それ」
「ちじょうに、すむひとの、そうしょう。そらに、すむひと、ちじょうに、すむひとの、こと、『青海人』とよぶ」
「そうなの? ……って、そうだ! あなた誰?」
「吾輩は、空の騎士。おぬしらが青海人ならば、体が動かぬのも無理はない」
「うっし! だんだん慣れてきた!」
「そうだな、さっきよか随分ラクになった」
「……いやいやいや、ありえんて」
「それよりさっきの奴、海の上を走ってたのは何でなんだ?」
「まぁ待て、質問は山ほどあるだろうが、まずはビジネスの話をしようじゃないか」
「ビジネス?」
「吾輩はフリーの傭兵である。ここは危険の多い海だ。空の戦いを知らぬ者は、さっきのようなゲリラに襲われ、空魚の餌となるのがオチだ。1ホイッスル500万エクストルで助けてやろう」
「……」
「……」
「……」
麦わらの一味は固まる。
「何言ってんだ? おっさん」
「んなっ、馬鹿な格安であろうが! これ以上は1エクストルもまからんぞ? 吾輩とて生活がある!」
「だぁから、そのエクストルってのは何なんだよ。その、ホイッスルがどうのってのも」
「えくすとる、そらじまの、つうか。1べりーで、10000えくすとる」
「へぇ~。ホイッスルは?」
「さぁ」
一味の視線は再び空の騎士に戻る。
「おぬしら、ハイウエストの頂から来たのではなかったのか? ならば島を1つ2つ通ったろう」
「だぁから、何言ってんだおっさん」
「ハイウエストの頂って、ティオが言ってたもう1つの方法ね。残念だけど、私たちは別の方法よ」
「まさかおぬしら、ノックアップストリームに……」
「あぁ、そだぞ?」
「あんな化け物海流に……まだそんな度胸の持ち主がおったか」
「えぇ、普通のルートじゃないことは、百も承知よ……」
ナミが涙ながらに呟いた。
「近年では稀に見る度胸ある航海者たちと見受けた。1ホイッスルとは、一度この笛を吹き鳴らすこと」
空の騎士は、安そうな笛を1つ投げ渡す。
「さすれば吾輩、天よりおぬしらを助けに参上する。本来ならそれで500万エクストル頂戴するが、おぬしらには1ホイッスルプレゼントしよう」
言って、麦わらの一味に背を向け、立ち去ろうとする。
「待って! 名前もまだ……」
「我が名は空の騎士、ガン・フォール。そして、相棒ピエール」
「ピエ~!」
空の騎士の隣で、ドット柄の鳥のようなものが鳴いた。
「言い忘れたが、我が相棒ピエールは、鳥にしてウマウマの実を食べた能力者」
"バキッ、ゴキッ"
ちょっと痛そうな音がしながら、ピエールの姿が変わっていく。
「つまり、翼を持った馬になる。それすなわち……」
「あら素敵! ペガサス!?」
「そう、ペガサス」
「ピエヘヘヘヘヘ~ン!」
「「「「「いや~……ビミョウ……」」」」」
馬になったピエールは、ペガサスほど見栄えのいいものではなかった。
"バサッ"
「勇者たちに幸運あれ!」
空の騎士は、鳥馬ピエールに乗り、さっそうと飛び去ってゆく。
「「「……」」」
一味は引き気味にその後ろ姿を見送った。
「おかしな生き物になったぜ……」
「そもそも、飛ぶだけなら鳥から馬に変身する意味あったのかしら……」
「「「……さぁ」」」
「結局、スカイピアへの行き方は教えてくれなかったわね」
「襲ってきたヤツのこともだぞ!」
「だよなぁ、ったくよ~」
「どうやって上へ行くんだ?」
「よしっ! んじゃぁおっさん呼んできいてみよ~!」
ルフィが空の騎士がくれたホイッスルを手にする。
「ちょっ、ちょちょちょっと待ってルフィ! これは緊急事態に助けてくれるってやつでしょ!」
「またあの仮面つけた変な奴が現れたときどーすんだよ!!」
ナミとウソップが、必死になってルフィを止めた。
「とりあえず、どこかへ船を進めようぜ?」
「なぁ! あそこ見てくれよ!」
「「「?」」」
みんなで、チョッパーが指す先を見る。
「何かしら」
「変な雲だろ?」
「滝のようにも見えるけど……ティオ、あれは何か分かる?」
ティオは船の欄干によじ登った。
「あれ、ろびんの、いうとおり、たき。うえの、はくはくかい、から、ながれてきてる」
「じゃあ、あれは上と繋がってるのね?」
「(コクン)」
「よし、決まりだ。あそこへ行ってみよう」
ということで、ゴーイングメリー号は、遥か前方の滝に向かって船を進めた。