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34. 麦わら一味完全崩壊
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「なっ、何なんだコイツは…」
状況が呑み込めず、固まっているウソップとブルック。
ティオは
「にげて! はやく! こいつ、たいしょう!」
「んなっ」
「大将ォォォ!?」
ボルサリーノはゆらりと首を傾げる。
「もう手遅れだよォ?」
"ヒュッ―――ドカッ"
「か…ぁ……!?」
"ヒュオッ、ドゴォッ"
「ティオ!?」
ただの軽い蹴りで、ティオは12番グローブの端まで吹き飛んだ。
ボルサリーノは、変わらずゆったりとした動きで、ゾロを見下ろす。
「懸賞金1億2000万、海賊狩りのゾロ。一発かすった程度でKOとは、ずいぶんとまァ疲れが溜まってたんだねぇ。ゆっくり休むといいよォ? 永遠に」
スローモーションのように振り上げられたボルサリーノの脚が、眩い光を放つ。
その光に嫌な気配を感じたルフィは、目の前の戦桃丸を無視して叫んだ。
「危ねぇっ、ゾロが危ねぇ! ウソップ! ブルック!」
ルフィの声でハッとした2人は、慌てて攻撃を始める。
「このっ、どっか行きやがれ!」
ウソップは鞄から手当たり次第に弾を取り出し、次々に放つ。
……しかし。
「う、うそだろ……?」
弾はスカスカと通り抜けるばかりで、1つも当たらなかった。
ブルックも剣を突き出すが、当たらない。
「ちょ、ちょっと、刺さりもしませんよ!? どうしたらいいんですかこんなの!」
「ちくしょう、何でだ! さっきティオは攻撃当ててたじゃねぇか!」
「ん~ムダだねぇ。あの子とキミらじゃ、技術が違う。わっしはピカピカの実の光人間、
「くそっ、くそっ、くそォォ!」
懸命に弾を撃ち続けるウソップだったが、やはり当たることはなかった。
遠くから見ていたナミが、青ざめる。
「ウソでしょっ……ホントに死んじゃうっ」
チョッパーが涙を流しながら叫んだ。
「ゾロォ! 逃げてくれよォ!」
その声は聞こえているものの、ゾロは既に体が限界を超えており、全く動けない。
ロビンが意を決して腕を交叉させた。
「
地面に咲いた手が、ゾロの体を転がして移動させていく。
「やった! ロビンすげぇぞ!」
しかし……
"ヒュオッ―――ドッ"
「ぐ…ぅ……っ」
光人間のボルサリーノは、一瞬でゾロの上に移動した。
ロビンがいくら引っ張っても、ゾロの体はびくともしない。
……今度こそ、本当に打つ手がない。
「ちくしょうっ、そこをどきやがれってんだ海軍大将!」
ウソップは泣きながら、ありったけの弾を打ち込んだ。
「このっ、このォ! ……ぐすっ……ティオっ、頼む来てくれよ! ティオーっ!!」
きっとこの場で、コイツに触れることが出来て、攻撃を与えられるのはティオだけ。
さっき吹き飛ばされたことで、相当なダメージを負っていることは想像がつく。
それでも。
この場で頼れるのは彼女しかいない。
……頼む、ひと蹴りでいいから。
コイツを蹴り飛ばしてくれ。
その後はゾロを担いで、自慢の逃げ足で逃げ切ってやるから!
その儚い希望を察してか、ボルサリーノは残酷に言い放った。
「ムダだよォ? たとえあの子が来ても、死ぬ順番が変わるだけだからねぇ。……さぁ、そろそろ死ぬよォ~?」
「ゾロォォォォ!!」
"シュオッ――――――ドゴオッ"
人影が1つ、飛び込んできた。
放たれた蹴りで、ボルサリーノの脚が逸らされ、ビームも遥か彼方へ飛んでいく。
「ティオ……? ……じゃないっ、おっさん!」
ウソップは涙を流しながら、その場に膝をついた。
ボルサリーノは、目の前に現れたその姿に、眉をピクっと動かす。
「あんたの出る幕かい? 冥王・レイリー」
レイリーは、鋭い眼差しでボルサリーノを睨み、口角を上げた。
「若い目を摘むもんじゃない。……これから始まるのだよ、彼らの時代は」
そう言いながら、小脇に抱えていたものを地面に降ろす。
ブルックがあんぐりと口を開けた。
「ティオさん!?」
頭から、腕から、脚から……
体中から血を流しているティオは、ブルックの声で意識を取り戻し、うっすらと目を開けた。
先程、ボルサリーノに蹴り飛ばされたティオは、ここへ来る途中のレイリーに発見され、ここまで運ばれたのだ。
ボルサリーノの額に、皺が寄る。
「あんたがこの島にいることは度々耳にしてたが、本当だったとはねぇ。こんなヒヨっ子のカタを持つなんて、腐っても海賊ってわけかい? レイリーさん」
「キミ達が手配書を破棄してくれるのなら、私ものびやかに隠居できるんだがね」
「海賊の罪は消えんでしょう。ましてやロジャー海賊団……。ただ、アンタを捕らえるとなると、此方としても色んな覚悟を決めにゃいかんので」
「彼らを見逃すわけにはいかんか? 黄猿君」
「勘弁してくださいよォ。この子らをとっ捕まえねぇと、我々海軍本部はマリージョアの天竜人たちに顔が立たんのですよ。邪魔ァせんでくれませんか?」
そのとき、ルフィがハッとして叫んだ。
「ウソップ! ブルック! ゾロとティオを連れて逃げろ!」
その声にビクっと肩を揺らしたウソップとブルックは、慌ててゾロとティオを抱えて走り出す。
「全員! 逃げることだけ考えろ! 今の俺たちじゃ、コイツらにはっ、勝てねぇ!」
鼓膜を通り越して、脳まで揺らす船長の声。
今まで呆然としていた仲間たちの頭は、急にスッキリして、急速に回転を始めた。
「ナミ、サンジ、先に走れェ! 全コーラ使って隙を作る!」
そう叫んで、フランキーは迫りくるパシフィスタに、
大口径の空砲は、パシフィスタを遥か彼方へ吹き飛ばす。
「走れェェ!」
麦わら一味は、今度こそ全力で逃走に切り替えた。
「おっさん、ありがとう!」
ルフィの叫びに、レイリーは手を振る。
「うむ、無事を祈るぞ」
そして、ボルサリーノの方へ振り返った。
「……さて、剣など久し振りだな」
そう言って、2mはあろうかという長い剣を引き抜いた。