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33. 超新星と伝説の冥王
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3分もすると、再び幕が上がった。
『いや~大変失礼致しました』
ステージ上に、ラキューバの姿はない。
『彼は極度の緊張屋で、鼻血を吹いて倒れてしまったため、ご紹介はまた後日といたしま~す!』
お道化た様子で言うディスコ。
客たちはそれを真に受けて、安堵のため息をついた。
『しか~し皆さま! これから紹介させて頂きます商品は、こんなトラブルも一瞬で吹き飛ばしてしまう超目玉商品!』
ステージ後方で、下っ端たちがドラムを叩き始めた。
その賑やかな音が木霊する中、スモークが焚かれる。
大きな白い布を掛けられた、直径3mほどの何かが運ばれてきた。
『探し求めている方も多いはず。ご覧くださいこのシルエット!』
運ばれて来たものに向かって、ライトが照射される。
浮かび上がったシルエットは、人のようで、しかし下半身は魚…
「「「うおおおおっ!」」」
会場が大いに盛り上がった。
『多くは語りません。お客様方のその目で、実際に見て頂きましょう。それではお披露目です! とくとご覧あれぃ!』
バサァっと、白布が取り払われる。
「「「わああああっ!」」」
『エントリーNo.18! はるばる魚人島からやって来た! 人魚のケイミー!』
「ぅぉおっ、若い女の人魚だ!」
「凄いぞ!」
「掘り出し物だァ!」
人身売買において、最も高い価値を誇るだけあり、やはり人気度は半端ではない。
一般客たちはもちろん、チャルロス聖も目を見開いてケイミーを凝視していた。
麦わら一味の雰囲気が変わる。
「ケイミーが出てきたぞ!」
「よ~し奪い返すわよ!」
『久しぶりの人魚の登場とあって、皆さま、興味津々とお見受け致しました。さぁ、いくらから参りましょうか~? それではお願いしま「5億!!」
「……」
「……」
「……」
会場が、しんと静まり返った。
響き渡った金額と、それを言った人物に、誰もが閉口せざるを得ない。
「な、何よそれっ、全然足りない……っ」
ナミは青ざめ、カランカランと、持っていた札を落とした。
チョッパーが焦りを隠せず、隣のサンジを揺さぶる。
「何とか出来ねぇかな! なぁサンジ! こんなのイヤだよっ……金で友達つれていかれるなんて!」
サンジはタバコを噛みつぶした。
「マズイな……これは予想だにしてなかった。金で解決できるならと身を引いたら、状況は悪化しちまった…」
ハチが我慢の限界と言いたげに、袖を捲り始める。
「ニュ~ッ、こうなったら、力尽くでアイツを海へ逃がす!」
パッパグが必死に止めた。
「バカ言え! あの首輪はどうすんだよ! ケイミーが爆発しちまうぞ!」
「だったら、あの首輪の鍵も何とか……」
ステージでは、ディスコが驚愕しながらも、懸命に笑顔を保って司会進行を続けていた。
『えー……会場、言葉を失っておりますが、一応伺います! 5億以上、ありますでしょうか?』
「……」
「……」
誰も、何も言わない。
当然だ。
5億などという大金を湯水のように使えるのは、天竜人だけ。
『無ければ、これで早くも打ち止めということになりますが~? ……それでは、本日の超目玉! 人魚のケイミーは、チャルロス聖の5億ベリーにて落さ―――
"ドゴォッ"
―――落札決定のコール直前。
会場に爆音が響き渡った。
客たちが皆、一斉に後ろを振り返る。
壊れた扉や滅茶苦茶になった座席群が、砂煙を上げていた。
その中心で、人影がいくつか立ち上がる。
それを見るなり、サンジが声を荒らげた。
「んなっ、ルフィ!?」
頭に乗った麦わら帽子。
間違いない。
「何だお前! もっと上手く着陸しろ!」
「出来るかァ! トビウオだぞ! それにアンタが突っ込めっつったから!」
ルフィは、乗ってきたトビウオの運転手と口喧嘩を始める。
間に入るかのように、一緒に乗ってきたゾロが、目を回しているティオを背負ったまま、言った。
「だから、とにかく乗れっつってもよ、お前らサニー号に戻るのに何をそんなに急いでんだよ。……つーか、ここどこだ」
チョッパーが口をあんぐり開ける。
「ゾロにティオも!?」
ルフィはしばらく、トビウオの運転手と口論していたが、やがて会場を見渡し始める。
「はっ、そうだ、ケイミー! ケイミーはどこだ!」
キョロキョロと見渡していると、ステージに探し求めた姿を見つけた。
「ケイミー!」
大声で叫びながら、ステージに向かって階段を駆け下りていく。
「ケイミー! よかった! 探したぞ!」
「ニュ~! ちょっと待て麦わら! 何する気だよ!」
ルフィの背中に、ハチが飛びつく。
この状況でケイミーを助けようとすれば、間違いなく天竜人を敵に回すことになる。
「何って、ケイミーがあそこに!」
「いっ、いるけど! 爆弾首輪がハメられてて連れ出せねぇんだ! それに今、天竜人が絡んできてて「関係あるかぁ!」
ルフィは走り続ける。
「ケイミー!」
「いいから止まれぇ!」
バッと、ハチの服の中から4本の腕が飛び出し、ルフィを羽交い絞めにして止めた。
「きゃあああっ! 魚人よォ!!」
客の1人が騒ぎ出す。
それに倣って、他の客たちも騒ぎ出した。
「何で魚人がこんなところにいるんだっ」
「タコの化け物!」
……このシャボンディ諸島では、魚人は忌み嫌われる対象だ。
"ガチャ―――パァンッ!"
突如、銃声が響き渡った―――。