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33. 超新星と伝説の冥王
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「……胸糞
サンジはタバコを噛み締めていた。
先程から、1人、また1人と、麗しい女性が立て続けに出品され、数百万で落札されている。
『これはどうしたことか! 踊り子・パシア、とんでもない人気だ! 現在最高額は、32番の方、720万ベリー!』
歩くスーパー・バザールこと、ディスコが、得意の話術とサクラをうまく使って、次々に奴隷たちを高値で売りさばいていく。
ナミは、ケイミーが同じように落札されてしまう未来を想像して、唇を噛み締めていた。
「……大丈夫、大丈夫よ、ウチには今、2億あるんだから」
自分に言い聞かせるように呟いて、会場の入口で貰った、73番のプレートを握り締める。
すると……
"ガチャッ、ギイイィィィ……"
背後で、会場の扉が開いた。
「は~、やっと着いたえ」
現れたのは、天竜人・チャルロス聖。
既に会場にいるロズワード聖やシャルリア宮と合流するべく、やってきたのだろう。
「こっ、これはこれはチャルロス聖! ようこそおいでくださいました!」
膝をついて出迎える下っ端を、チャルロス聖は見ようともしない。
「早く席へ案内するえ」
「はいっ、どうぞこちらへ! 暗いですから、足元に十分ご注意ください!」
下っ端はチャルロス聖を、ロズワード聖とシャルリア宮の元へ案内していく。
客は皆、目を伏せ、出来る限り息を殺した。
目が合ってしまえば、どうなるか分かったものではないからだ。
麦わら一味はじっと、チャルロス聖の背を睨みつける。
「また来たわね、世界貴族……」
「逆らえば海軍大将が来るって奴か」
チャルロス聖がVIP席につくと、オークションが再開された。
途端、活気が戻ってくる。
『さぁさぁさぁ! お次の商品は、この会場に足を運んでいる皆様なら、一度は見たことがおありでしょう、この娘! 本日の目玉商品の1つ! エントリーNo.16! 白陽の
連れて来られたのは、ボサボサの白い長髪に白い肌、紫の瞳の少女。
外見年齢は12~13歳といったところだ。
体は痩せ細り、骨が浮き出ていた。
チョッパーが拳を握る。
「あんな子供までっ……許せねぇっ」
ディスコが、いつも通りの華麗な話術を披露する。
『このヒューマン大オークションを、長い間ご贔屓にして下さっていた、エスバルム公国のエリック公爵。先日ご逝去されたあの方を約10年の長きに渡って護衛し続けてきたのがこの娘! 当会場にも、エリック公爵が護衛として幾度となく連れてきておりますので、その強さは皆さま自身、近くでよくご覧になっていることでしょう!』
会場が沸き立っている。
客たちの間では有名な少女のようだ。
『護衛としては勿論、磨けば月も恥じらうほどの白磁の美女となり得る極上の原石を、このたび、エリック公爵の遺品として出品して頂けることとなりました! それでは、白陽の
最低額が提示された、次の瞬間……
「800万!」
「1000万ベリー!」
「1200万!」
「1500万!」
今まで以上に高額な競り合いが始まった。
「2000万!」
「2200万ベリー!」
「2500万!」
金額がどんどん上がっていく。
人身売買の相場から言えば、人間の女が数千万でやりとりされるなど、そうそうない。
「2800万!」
「3300万!」
「4000万!」
「4200万!」
「5000万!」
『おぉ~っと51番の方から5000万の声が上がった! もうひと声上げる方はいらっしゃいますか~!?』
人間の女に5000万……
あまりの高値にディスコも興奮しているらしく、時折マイクがハウリングを起こす。
「5500万!」
「5800万!」
『29番の方、5800万!』
「6000万!」
「6100万!」
「6500万!」
『83番の方、6500万!』
「6700万ベリー!」
「7000万!」
『65番の方、7000万ベリーです! さぁ他にいらっしゃいますか~!?』
「7400万!」
『はい! 51番の方が7400万!』
そこで、ようやく札が上がらなくなった。
『もうひと声、上げる方はいらっしゃいませんか~? ……。……では!』
"カッ、カッ"
『白陽の
ドっと会場が盛り上がった。
そして、少女が舞台袖へ連れていかれると同時に、入れ替わるように、大柄な男が連れてこられる。
男は、外見からして海賊だ。
『さぁさぁお次のエントリーNo.17は、なんと! 海賊船の船長! 懸賞金1700万ベリーの男、名をラキューバ! 繊細な計略家として知られた海賊なのですが、鍛え抜かれた肉体も自慢! 人馬にするもよし、力仕事にサンドバック! 用途は様々で~す!』
会場中がドっと笑う。
『さてそれでは~………ん?』
海賊ラキューバは、突然フラフラし始めた。
口元から垂れ、ポタポタと足元に滴る、血。
"……ドサッ"
ラキューバはその場に倒れた。
「きゃああああっ!」
「おいっ、倒れたぞ!」
「何だ何だ!? 血が見えたぞ!?」
シャッ、と素早くステージの幕が引かれる。
ナミが誰にともなく訊いた。
「なに……どうしたの?」
サンジが暗い顔で答える。
「舌を噛んだのさ。人に飼われて悲惨な人生を歩むより、今ここで死ぬことを選んだんだろう。……場合によっちゃ利口かもな」
「そんな……」
チョッパーは、舞台裏にいるであろうケイミーを想った。
「怖いだろうな……ケイミー……」
ナミは、今一度決心を固めるように、拳を握る。
「もう少しの辛抱よ。私たちが買っちゃうんだから! スリラーバークのお宝があって良かったわ」
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