夢主の名前を決めて下さい。
32. シャボンディ諸島
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ルフィたちが出発してから、20分後。
サニー号のキッチンで、茶器を片付けていたサンジは、ひと段落すると、新しい煙草に火を点けながら甲板に出てきた。
すると、予想外の人影が目に
「ん? お前らは出なかったのか、ウソップ、フランキー」
てっきり、船に残っているのはマリモ剣士だけだと思っていた。
フランキーとウソップは、巨大な樽にせっせとコーラを注いでいる。
「さっきの海戦で、コーラを使い切っちまったからなァ。船のメンテは、俺の仕事だ」
「俺はもちろん手伝いてぇから残った! お前こそ島には行かねぇのか? サンジ」
サンジはタバコの煙を吹き、首を横に振る。
「俺は誰かが帰ったら、交代で買い出しに出る」
「何でわざわざ?」
「それがよ、愛しのナミさんが言ったのさ」
『困ったな~。今、船にはお宝がいっぱい積んであるのに…。これを守ってくれる
「フフン、イッツ・ミー!」
ドヤ顔で自分を指さすサンジに、ウソップはジト目を向けた。
「お前はナミの思うツボだな……」
「恋の奴隷なんだ、俺は!」
「自分で言ってりゃ世話ねぇよ……」
と、そのとき。
「よっ、と……」
船の欄干から、陸地へと飛び降りていくマリモヘッドが目に
ウソップもサンジも、慌てて呼び止める。
「お~~いゾロ~!」
「もしも~し、ゾロ君?」
「「たった1人でどこ行くの~?」」
ゾロは、何を言ってやがる、と言いたげに振り向いた。
「散歩だが?」
途端、2人は目を剥く。
「やァめェろォ~~~!!」
「ざけんな このクソ迷子野郎! ここは諸島だぞ! ティオちゃんの探索範囲にも限界があんだ! 島の端まで行かれちゃ探しきれねぇよ!」
ゾロは当然、激昂した。
「迷子になんかなるかァ! こんな分かりやすい島で誰が迷うんだ。1本1本 樹に番号があんだろ? 最悪
ウソップとサンジは、柄にもなく感心した。
「おー……オメェにそんな知恵があったとは」
「すまん、見くびった。気をつけてー」
「必ず
「自分は信じるな~!」
「それと、世界貴族ってのには絶対に逆らうんじゃねぇぞ~!」
そんな言葉を聞き流し、ゾロは青筋を浮かべて歩き始めた。
「……極めて心外だ。ここの番号さえ忘れなきゃいいだけだろうが」
ブツブツと呟きながら、樹の幹を見上げる。
「……。……よし、1番だな」
満足げに頷くと、ゾロは再びブツブツと愚痴を呟きながら歩き出した。
実は、樹の番号は『41』であり、シャボン玉で『4』が隠れて『1』に見えていたことに、気づかぬまま―――
一方ルフィたちは、賑わった街なかを歩いていた。
「ニュ、麦わら、オメェ世界貴族も知らねぇのか?」
「さっきも言ってたな。何なんだ、それ」
「世界貴族は、別名『天竜人』ってんだ。偉そうで、一般人と同じ空気を吸わねぇようにマスクをしてる。そういう奴を見たら、絶対に逆らわねぇことだ」
「へー」
ルフィは周りを見渡しながら、右から左へ聞き流す。
「あとな、他にもいくつか注意点があるから聞いとけよ? ここへ着く前に少し話したが、この島には、新世界を目指す者たちが集まってくる。オメェらと同じ、名の通った海賊たちもいるし、それを狙う海軍、賞金稼ぎ、それに人攫い。海賊は人身売買されても、一切法に守られねぇ。目立つマネをすると、オメェらなんて一気に目をつけられるからな、気をつけろ?」
「んー、わかったー」
……おそらく、分かっていない。
ハチは、こんなんで大丈夫なのか、と訊くようにティオを見た。
ティオは呆れ顔で、大丈夫だと頷く。
万が一にも問題が起こらないように、こうしてついてきて、ずっと覇気を展開して警戒しているのだ。
ルフィが1人でどこかに行かない限り、どうにかできる。
「ん、そういやお前」
突然、ルフィがハチの額を指さした。
「その ばんそーこー、いつの間に怪我したんだ?」
「ニュ? あぁ、これは気にするな。こっちの問題だからな。……あ、そうだ。もう1つだけ聞いてくれ」
「え~? まだあんのかよ。約束とか注意点とか多すぎだろ」
「いいから聞け。……俺とケイミーは、魚人でも人魚でもねぇ。この島では、人間として対応してくれ」
「なんでだ?」
「その方が都合がいいんだ」
「ふ~ん。……お? なんかウマそうな匂いがすんぞ!」
ルフィはいきなり、いい匂いを漂わせている屋台目掛けて走り出した。
ナミが慌てて声を張る。
「あっ、食べちゃダメよ!? 買わなきゃいけなくなるから!」
「ウマほ~ぉ!」
「ちょっとルフィ!」
全く話を聞かないルフィ。
ナミが額に手を当て、項垂れた。
その横で、ティオがスっと息を吸い込む。
「るふぃ」
「!」
大声、というわけでもないが、ドスのきいた声が響き、ルフィはピタっと固まった。
ギギギギっと顔を振り向かせれば、暗く燃えている青い瞳と、視線が合う。
ダラダラと冷汗が出始めた。
「やくそく、した、ね?」
「……すんません……」
これぞまさしく、鶴の一声。
チョッパーが唖然として呟いた。
「すげぇ……ルフィが言うこときいた……」
ルフィの元へ歩み寄ったティオは、今一度、真剣な眼差しでルフィを見つめる。
「おねがい、だから。はち、や、てぃおの、いうこと、ぜったいに、きいて。……いい?」
「わ、分かってるよぉ……」
「なら、いい」