夢主の名前を決めて下さい。
32. シャボンディ諸島
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その後。
一味は上陸のため、準備を始めた。
内陸部へ向かうのは、ルフィ、ナミ、チョッパー、ロビン、ティオ、ブルック。
案内のため、ハチやケイミー、パッパグも一緒に行くことになった。
「ねぇねぇ、ナミちん」
「ん? なに? ケイミー」
「あの……その……」
申し訳なさそうに、視線を彷徨わせているケイミー。
「どうしたのよ、改まって」
「もし良ければ、なんだけど……丈の長いスカートとか、持ってたら、貸してもらえないかな……」
人差し指をチョインチョインと合わせているケイミーに、ナミは微笑んだ。
「なぁんだ、そんなこと? いくらでも貸してあげるわよ。おいで! 好きなの選んでいきなさい?」
ナミはケイミーの手を握り、女部屋へと向かう。
ケイミーは、ありがとう! と笑った。
一方。
ハチは、自分の屋台船に戻り、着替えを済ませて甲板へ出てきた。
そこに、人影がさす。
「ニュ? オメェたしか、ティオっていったな。どうした?」
ティオは、人間に扮したハチの恰好を見て、口を開いた。
「いいの? ぎょじん、や、にんぎょに、とって、ここは、あぶない」
「……」
ハチは、知っていたのか、と言いたげな表情で、顔を伏せた。
「にんげん、と、ぎょじん、の、かくしつ、いまも、ねづよい。ぎょじんて、ばれたら、おそわれる、かも。……それに、ここは、じんしんばいばい、さかん。ぎょじん、にんぎょ、すごく、ねらわれる。……しってる、でしょ?」
「……あぁ、よく知ってる。……けどな、俺はナミに、償いをしてぇんだ」
「……」
「こんな程度じゃ、全然足りねぇことは分かってる。けど、少しでも、オメェらの、ナミの、力になりたい」
「けいみー、は?」
「……」
「にんぎょ、ぎょじん、より、ねらわれる。りくじゃ、にげようも、ない」
「それも、分かってるんだ。……ケイミーは、ずっと陸に憧れて、シャボンディパークに行くことを夢に見てきた。俺も小さい頃、初めてこの島に上がった日は、ワクワクが止まらなかったもんだ」
「……」
「本当は、この島に近づく前に、ケイミーとパッパグは帰らせようと思ってた。オメェらの案内は、俺が1人でやろうと……。……でも、オメェらと楽しそうに話してるケイミーたちを見て、ここで帰れなんて言えなくなっちまったんだ」
「……」
「もう二度と、ケイミーたちがここまで近づける機会は無いかもしれねぇ。だから俺は、シャボンディパークまでは無理でも、出来るところまで、ケイミーたちに陸を見せてやりてぇんだ」
真っ直ぐに見てくるハチの瞳を、ティオも真っ直ぐに見つめ返した。
「なら、てぃおたち、たよって」
「ニュ……?」
いまいち言葉の意味が掴めなかったのか、ハチはまばたきを繰り返す。
ティオは、仲間たちの気配が感じられる、サニー号の甲板を見上げた。
「3にん、とも、もう、むぎわらいちみの、ともだち。きけん、ちかづくなら、るふぃ、ぜったい、3にんのこと、まもる。だから……」
ティオの視線は、再びハチを捉える。
「いく、なら、とことん。しゃぼんでぃ、ぱーく、まで、いこ?」
「!」
ハチは目を見開いて、固まった。
……魚人や人魚の子供たちは皆、シャボンディパークに憧れる。
それはハチも例外ではなく、いつか行ってみたいと思いながら、大人になってしまった。
もし、叶うのなら……
「いや、けど、俺はオメェらに助けてもらうわけには……」
「どうせ、るふぃも、しゃぼんでぃぱーく、いきたいって、いう。ものの、ついで。それなら、いい、でしょ?」
「オメェ……」
ハチは、目頭が熱くなるのを感じて、咄嗟に顔を伏せる。
「ありがとな……っ」
ティオは、ほんの少しだけ口角を上げて、頷いた。
「こちら、こそ」
それから。
準備が整ったメンバーから、サニー号の前に集まった。
ルフィ、ナミ、チョッパー、ロビン、ブルックが、残りのメンバーを待っている。
「んな~ぁ、まだか~?」
ルフィは早く行きたくて堪らないのか、その場でピョンピョン跳ね回っていた。
いつもなら、1人でも飛び出すルフィだが、ティオと約束している手前、何とか我慢している。
「ニュ~、待たせたな」
ハチが、ケイミーとパッパグを背負って、サニー号の欄干から飛び降りてきた。
続くように、ティオも、サニー号から飛び降りようとしたが、直前に、チラリと甲板を振り返った。
フランキーとウソップが、コーラの補充に勤しんでいる。
ゾロは甲板の端で昼寝していて、サンジはおそらくキッチンだ。
ティオは、フランキーとウソップの元に歩み寄った。
「ふらんきー、うそっぷ」
「アン?」
「どうした?」
青い瞳が、じっと2人を見つめる。
「はち、の、いったこと、おぼえてる?」
「へ? あぁ、世界貴族には逆らうなってやつか?」
「ア~ォ、安心しろ。少なくとも俺らは、そんなヘマしねェからよ」
「サンジも、まぁ、大丈夫だろ。女が絡んでこなければ。ゾロは……」
豪快に寝息を立てているゾロを見て、ウソップは半目になった。
「起きたらもう1回言っとくよ」
ティオは、頼んだ、と言いたげに頷く。
そして、サニー号の欄干に歩み寄り、飛び降りようと身構えた。
……飛ぶ寸前、チラリとゾロを見る。
「……くか~……くか~……」
スリラーバークでの怪我が癒えていない上、トビウオライダーズのアジトで少し無理をしたこともあって、休息中のようだ。
ゾロは、ルフィの次くらいに、トラブルを引き寄せる体質。
ティオとしては、問題を起こさないよう傍についていたい。
しかし今回ばかりは、ルフィについていく必要がある。
他に何があろうとも、世界貴族にだけは、喧嘩を売らせてはいけないから。
……このまま、自分たちが帰ってくるまで、ゾロが起きませんように。
そんなことを祈りながら、ティオはルフィたちのところへ飛び降りていった。
"シュタッ"
ティオが来ると、ルフィが満足げに頷く。
「よし! これで揃ったな? 行くぞ~!」
「お~う!」
走り出したルフィに、チョッパーが走ってついていった。