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31. 人魚のケイミー
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「ニューッ、気をつけろお前ら! そこはトビウオライダーズの罠の中だからな!」
と、ハチが忠告した途端に、海面に影が差した。
"ゴボッ、ゴボボッ、ザバァッ"
無数の魚影が、一気に海上へ飛び出てくる。
ルフィは額に手をかざして、トビウオたちを見渡した。
「どりゃどりゃ、
お気に入りのトビウオを見つけると、みょいんと手を伸ばし、乗り手を突き落として、代わりに操縦席に座る。
その頃。
サニー号はというと、トビウオたちの落とす爆弾に見舞われていた。
"ヒュヒュッ、ドゴッ、ボゴォンッ"
サンジやフランキー、ロビンが、爆弾を全て弾いていく。
「ンのクソ野郎共、レディに当てやがったら生かしちゃおかねぇぞ」
と、そのとき、チョッパーは目の端で、見慣れた満面の笑みを捉えた。
「ん、えっ!? 今、ルフィがトビウオに飛び乗ったぞ!」
傍にシュタっと降り立ったサンジは、目を細めて煙草の煙を吹く。
「ほっとけ。それよりもレディたちの安全が最優先だ」
「え、あぁ、うん……分かった」
トビウオライダーズの攻撃は絶え間なく、まるで雨のように爆弾を落とし続ける。
しかし、サニー号には1つも当たらない。
このままでは効果がないと思ったのか、サブリーダーと思しき男が無線で指示を出した。
「一旦潜るぞ」
『『『了解』』』
グイっと、トビウオたちは一斉に向きを変える。
そのまま一直線に、海へ飛び込んでいった。
もちろん、ルフィの乗ったトビウオも……
「んぇ、お、おいっ、ちょっと待……」
"ザブゥンッ"
「おぼびがごべ……っ」
それを見ていたチョッパーとブルックは、顎が外れんばかりに口を開ける。
「ルフィ!?」
「ルフィさん!?」
そして……
「大変だっ」
「今 助けますからね!」
"ザバァンッ!"
―――2人して、海に飛び込んでいった。
それを見て、半目になった、青い双眼。
「なみちゃん、ふらんきー」
声を掛けながら、ティオは傍に居た2人の服を引っ張る。
「ん? なに?」
「ァアン?」
「るふぃ、ちょっぱー、ぶるっく、うみ、おちた」
「「はぁっ!?」」
2人は慌てて海へ飛び込んでいく。
……数分して。
カナヅチ3人は、無事に救助された。
「ルフィてめぇ! 戦闘中に何やってんだ!」
「ぶはっ、はぁっ、ず、ずびばぜんでじだ」
「しかも何でテメェらが助けに行くんだよ!」
「オェホ…っ……す、ずびばせんでびた……」
「アダ、アダシも……ゲホッ……ご迷惑を、おがげしで……」
「まったくもう! 結局カナヅチを3人も救出しなきゃならないあたしたちの身にもなりなさいよ! 馬鹿! 手間を増やさないで!」
「「「ふぁい……」」」
そうして、カナヅチ3人が怒られている頃……
「よォし、麦わらがいなくなったぞ! 今の内だ!」
「ケイミーをかっ攫え!」
ルフィがいなくなって放置されたケイミーたちを、再びマクロ一味の3人組が狙い始めていた。
「ひっ、どうしようパッパグっ」
「お、おい! ムギ! 頼むからこっちも気にしてくれ~!」
「ひゃっは~! 残念だったな!」
「大人しく捕まれぇ!」
海から飛び出し、襲い掛かってくる3人組。
ケイミーとパッパグは、互いに肩を抱き合って震えた。
すると……
「
"ドドドドドドスッ"
「うぎっ!?」
「ぎゃあっ!」
「ぐおっ!?」
ケイミーたちと3人組の間に、小さな人影が割って入った。
「むぎわらいちみ、せんちょう、だけじゃ、ない」
美しく揺れる、長い金髪。
ケイミーたちは表情を輝かせた。
「ティオちん!」
マクロ一味は、揃って腰を押さえてのたうち回っている。
「痛ってぇ!」
「何だっ、痛てぇっつーか、痺れる!」
「くそっ、ガキがナメたことしてくれんじゃねぇか!」
「テメェも一緒に売り飛ばしてやろうか!」
と、いきまいたところに。
"ガシャァンッ!"
檻の壊れる音が響く。
3人組が振り向くと、ハチが檻から放たれ、自由になった6本の腕を伸ばしていた。
「ニュ~~ッ! 解放されたァ!」
「「「んげっ、ハチィ!?」」」
見れば、檻をぶら下げていた木枠の上に、緑頭の男が1人。
刀の峰で肩をポンポンと叩きながら、ハチを見下ろしている。
「ニュ~、ありがとうロロノア! オメェいいヤツだなァ!」
「フン、船長命令だ、バーカ」
「何でもいいさ、ありがとうな!」
笑顔で礼を言ったハチは、一変、怒りに満ちた顔で、マクロ一味の方を向く。
「……お前ら、今回は俺が動けねぇのをいいことに、好き放題 殴ってくれたよなァ?」
3人組はガクガク震えながらも、何とか虚勢を張る。
「お、俺はまだ殴り足りねぇぞ! 魚人空手でとどめを刺してやる!」
「全く運の悪い奴め、モハハハハ! まだそれだけの減らず口が叩けたばっかりに、これからもっとヒドい目に遭うんだ!」
「さァ来い! お前を斬るために新開発した、金魚剣術! この海は血に染まる!」
「タコ焼きパ~~ンチ!!」
「「「ぎゃあああっ!」」」
……3人はあっけなく、空の星となった。
ハチは、どうだ、と言いたげに鼻を鳴らす。
そこに、ケイミーとパッパグが駆け寄った。
「うわ~んっ良かった はっち~ん!」
「ニュ~ッ! 悪かったな、ケイミー、パッパグ! 俺が助けに来たつもりが……」
「気にすんじゃねぇよォ、うわぁぁん!」
3人はひしっと抱きしめ合い、互いの無事を喜ぶ。
しかし、一難去って、また一難。
"ブウウゥゥン!"
猛スピードで背後に迫る、1匹のトビウオ。
「忘れんなよ? ここは俺たちのアジト! そもそもお前らを売り飛ばすのは、俺たちトビウオライダーズだ!」
「ニュッ」
ハチが振り返ったとき、敵は既に、反撃が間に合わない距離まで近づいていた。
ハチは、ケイミーとパッパグを守るように覆い被さる。
"ヒュッ―――ズバンッ!"
きらめいた、一閃。
トビウオは操縦士もろとも斬られ、海に落ちた。
そして、ハチたちの背後に人影が降り立つ。
「ったく、ツメが甘めェんだよ」
ハチは、パっと振り返り、再び涙をにじませた。
「うぅ、重ね重ねありがとなァロロノア~! それに、名前は知らねぇが、そっちの金髪の嬢ちゃんも、ありがとう!」
「ここは俺たちに任せて、お前らは裏へ引っ込んでろ」
「ロロノア、あのときは悪かったなァ。俺の六刀流で、ずいぶんとお前を傷つけた」
「一太刀もくらった
「ニュ? そうだっけ?」
その頃、サニー号では。
「ん?」
チョッパーが、1匹の妙なトビウオに首を傾げていた。
「な、なぁサンジ、なんかデッケェのが来るぞ! 金棒振り回してる! さっき、アイツの持ってる通信用の電伝虫が、医療費が何たらって言ってたけど……」
「ぁあ? 医療費? ……って、あの野郎、ハンドル持ってねぇじゃねぇか。まさか体当たり決め込むつもりじゃねぇだろうな…。さすがに、あの巨体に猛スピードで突っ込まれたら、船がもたねぇぞ」
「えっ!? どうすればいいんだ!?」
慌てふためくチョッパー。
しかし、サンジは落ち着き払った様子で、近くのルフィに声を掛けた。
「おいルフィ、お前、魚の方 いけよ」
「ん? おう、よしきた」
トビウオは、金棒を持った巨体の男と共に、真っ直ぐにサニー号へ突っ込んでくる。
「ハッハッハッ! 思い知れ! この速度で落下する巨体の破壊力は、隕石に匹敵する!」
サニー号の欄干から、サンジとルフィが飛び上がった。
「馬鹿だな。破壊力が増すのは、飛んでるお前も同じなんだよ」
"ヒュオッ―――ドゴオッ!"
操縦士はサンジに蹴り落とされ、トビウオはルフィの両腕で捕らえられる。
ルフィは捕まえたトビウオを、甲板に放り投げた。
「うりゃ!」
"ドスンッ!"
「よ~し、今日の晩メシ釣れたぞ~!」
サンジとルフィの鮮やかな手並みに、チョッパーは目を輝かせた。
「2人共カッチョイ~!」
対して、ブルックは喜ぶどころか、膝をついて項垂れている。
「…何てことですか。……今回は私の麦わら一味における
「んぉ? どうした、ブルック」
ルフィがキョトンと見つめる中、ブルックはスラリと仕込み杖を抜く。
「あのトビウオ、何匹減らせることやら。不弁ながらも、この手の程、ご覧頂きます!」
タン、とブルックはマストのてっぺんから飛んだ。
身軽な体は、吸い込まれるように空に昇っていく。
そして、トビウオたちに向けて構えたのは、仕込み杖の剣と、ヴァイオリン。
「眠り歌・フラン」
高く、柔らかく、空を滑る音色。
トビウオと、その操縦士たちは、突然ウトウトと船を漕ぎ始めた。
そして、端から海へと落ち始めたところを……
「ヨホホホホホッ、はい、失礼?」
"ズババババババンッ!"
「「「ぎゃあああっ!」」」
ブルックの剣技に掛かった。
「ヨホホホホホッ!」
ブルックはそのまま、海の上を走り、トビウオライダーズのアジトまで駆け抜ける。
それを見ていたルフィは、ニィっと笑みを浮かべた。
「やるなァブルックの奴! よォし楽しくなってきたァ! 俺も行くぞ!」
そう言って、にょいんと、両手をトビウオへ伸ばす。
ナミが慌てて叫んだ。
「あっ、こらルフィ!」
しかし、一瞬遅く、ルフィはトビウオまで飛んでしまう。
「んもう! 今度は海に落ちても助けないからね!? ちょっと聞いてんの!?」
もちろん、聞いていない。
ルフィは嬉々として操縦士を蹴り落とし、操縦桿を握った。
しかし……
「ん? ぇあ!? 寝てるぅ!?」
ルフィの捕まえたトビウオは、ブルックの一撃で、眠ったまま空を飛んでいた。
「うわわわっ、おっ、起きろ~!」
舵など全く利かず、トビウオは眠ったまま蛇行していく。
そして……
"ヒュッ、ズゴォッ!"
アジトの中央の建物へと突っ込んでいった。
それを見たトビウオライダーズのメンバーは青ざめる。
「や、やべぇ……」
「アイツっ、よりにもよってヘッドの部屋に入りやがった!」
その部屋は、ゾロが、トビウオライダーズの
「~~~イテテテ」
瓦礫の中から、ボコっと頭を抜くルフィ。
「んぁ~~~……。……ん?」
部屋の奥に見えた人影。
その顔を見て、ルフィは固まった。
「んなっ……」
顔を見られたその男は、傍にあった鉄の仮面をかぶる。
「見たな?」
「お、お前は!」
「あぁ、そうだ。お前は俺を、知っているはずだ」