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映画:STRONG WORLD
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しばらく雪の中を進むと、天井がガラス張りの建物に辿り着く。
"バタンッ!"
ティオは扉を蹴破って中に入った。
ウソップとチョッパーも続く。
「うおっとと……何だ? ここは」
「I.Qの、けんきゅう、しせつ」
「この部屋は栽培場か……。この仕組み……月の光で育ててるんだな」
「くすり、あるとしたら、けんきゅうしつ。こっち」
「分かった!」
「急がねぇと!」
3人はI.Qの栽培場を駆け抜け、研究室へと駆け込んだ。
"バタンッ"
またしても扉を蹴破り、中に入り込む。
「うお、暗いな……明かりはどこだ?」
ウソップは手探りで明かりを探した。
その間、チョッパーは匂いで辺りを探る。
「すごい薬品の匂いだ……どれが薬か分かんないぞ……」
棚には、数十、もしくは数百を超える薬の瓶が置いてあった。
ラベルの表記はどれも記号化されていて、ここの研究員でなければ分からないだろう。
机の上は、未完成の薬や研究資料が埋め尽くしている。
「どうしよう……研究員を探して連れてくるべきかな」
「ンなことしてる余裕あんのかよ」
ウソップがナミをちらりと見やる。
意識はなく、呼吸も浅い。
一刻を争う状況だ。
「ちょっとだけ、まって」
「「?」」
聞こえた声に目を向ければ、ティオが、近場の机に手を乗せ、目を閉じていた。
机の記憶を読み取っているのだ。
その机で研究員が薬を作ったときの記憶に辿り着ければ、どれが薬か分かる。
「……」
1秒でも早く、1つでも多くの記憶を読み込むために。
ティオは記憶処理に全神経を注いだ。
ウソップとチョッパーは、手に汗握る気持ちで、ティオを見つめる。
……すると。
「勝手に覗かれちゃぁ困るんだが」
「「「!」」」
突然、上階から声がした。
ウソップとチョッパーはもちろん、ティオも肩を揺らす。
机の記憶を読むのに精いっぱいで、いつの間にか、覇気で周囲の声を聞くことを忘れていた。
「ピロピロピロッ、まったく、栽培場の扉も研究室の扉も、派手に蹴破ってくれたじゃないか」
上階の手すりに座り、こちらを見下ろしていたのは、Dr.インディゴ。
チョッパーが鼻を動かす。
「ん、薬品の匂いがプンプンするぞ。お前、ここの研究員だな?」
「あぁ、それもとびっきり優秀な」
「ダフトの薬を出せ!」
「ピロピロピロッ、渡すか馬鹿者ォ」
インディゴはポケットから、小さな瓶を取り出した。
「これのことだろ? 応急用にいつも持ち歩いちゃいるがなァ」
……倒して手に入れるしかないか。
ティオは臨戦態勢で、インディゴを睨みつけた。
ウソップが背後から声援を送る。
「よ、よーしやっちまえ! ティオ!」
しかし…
「……」
ティオは突然、体勢を解いて後ろを向いた。
「な、何だっ、どうしたっ?」
ティオが見つめているのは、研究室の出入り口。
そこに……
「なぁんだ、簡単じゃねぇか」
人影が差した。
聞こえた低い声に、ウソップとチョッパーが嬉々として振り返る。
「「ゾロォ!」」
暗闇の中、光る刀身。
「そいつの持ってる薬を奪い取りゃいいんだな? どいてろ、そいつは俺がぶった斬る」
「ピロピロピロッ、こんなとこまで追って来やがって」
「お~うやっちまえゾロ! アイツの持ってる薬が必要なんだ!」
ゾロは、言われるまでも無いといった顔つきで、まっすぐインディゴに向かっていく。
インディゴはゾロの前に飛び降りてきた。
ボヨン、と、独特な足音が鳴る。
「フン、ぶった斬るだァ? この
"ヒュッ、ドゴォッ!"
ゾロの斬撃が飛んだ。
それを躱したインディゴは、崩れた壁から外へ出る。
ゾロもそれを追って外へ出た。
建物を繋ぐ橋の上で、相対する。
「ケミカル・ジャグリング!」
インディゴの掌から、火の玉のようなものがいくつも湧き出た。
「燃え尽きなァ!」
"ヒュヒュヒュヒュヒュッ"
高速で飛んでくる火の玉。
ゾロは1発1発を斬って弾いていく。
……が。
(受けきれねぇ……っ)
数が多すぎる。
"ドゴオッ!"
「ぅぉわっ」
1発くらってしまった。
そこに、ウソップたちが出てくる。
「ゾロ! 大丈夫か!」
インディゴは高らかに笑った。
「ピロッピロッピロッ! どうだ!? ケミカル・ジャグリングの威力は! ……ん?」
濛々と巻き上がる黒煙の中、人影が揺れる。
「曲芸につき合ってる暇はねぇんだよ」
ゾロは無傷だった。
インディゴは奥歯を噛み締め、両手を頭上に挙げる。
「……このっ、マス・ジャグリン!」
インディゴの頭上に、
「くらえ!」
"ゴオッ!"
襲い来る巨大な火の玉。
ゾロはそれを、鋭い眼差しで見据えた。
"ヒュッ、ズドォンッ!"
爆発と共に、橋の半分が燃え上がる。
「なっ、ゾロォ!」
「まともにくらいやがった、ピ~ロッピロッピロッピロッ!」
「やべぇっ、大丈夫かゾロの奴……」
そわそわと慌てふためく、ウソップとチョッパー。
しかし、ティオは息一つ乱さず、じっと炎の中を見つめていた。
「鬼気、九刀流―――阿修羅」
三面六臂の鬼神と化したゾロが、炎の中から飛び出してくる。
「なっ、マス・ジャグリンを凌いだだと!」
「……
「ケミカル・ジャグリング!」
"ズバッ!"
完全に軌道を見切ったゾロは、火の玉を難なく切り裂いた。
そして……
「
"ズバンッ!"
「ぐあぁっ」
見事、インディゴを斬り沈めた。
「……俺に斬られるお前は、一体、何の骨だ」
"ドゴオッ!"
空に舞い上がっていたインディゴが落ちてきて、橋で大爆発を起こす。
それを背に、ゾロは刀を収めた。
ウソップとチョッパーは唖然とする。
「ゾロ、かっこいい……」
「不死身かアイツは……」
「チョッパー」
「ん?」
ゾロが何かを放り投げてきた。
チョッパーはそれをキャッチする。
「あ、ダフトの解毒剤だ!」
インディゴを斬る間際、いつの間にか拝借していたらしい。
「俺は戻る。ナミを頼んだぞ」
「え、あ、おう!」
最初の大広間に戻るためか、走り出すゾロ。
「ってぇ そっち逆ぅ!」
「んぎっ」
ウソップに指摘されたゾロは、慌てて逆方向へ走り出した。
……さっきまでのカッコよさは何だったのか。
ウソップが半目でティオに言った。
「ティオ、こっちはもう大丈夫だ。ついてってやってくれ」
「(コクン)」
"ボンッ"
鳥に変身したティオは、ゾロの元へと飛び立った。