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映画:STRONG WORLD
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まるでパン生地を練るように、6人は土と共に練り上げられ、ねじれた細い塔のようにされてしまった。
塔のあちこちから、それぞれの顔や手足が飛び出ている。
ナミは青ざめ、仲間たちの元へ駆け寄った。
「ルフィ! みんなァ!」
夕日が沈み、赤く燃えていた空に、黒が混じり始める。
「ジハハハッ、しばらく土ン中で眠ってもらうぜ」
「……うそっ……みん、な……」
「まったく、勘違い野郎には困ったもんだ。お前はやっと全てを理解して、俺の元に来る気になったというのに」
ナミは怒りに肩を震わせた。
「……
「あぁ、そうだ」
「っ…これ以上……これ以上! 仲間にも
シキはくわえていたタバコの灰を落とす。
「順序が逆だ」
「は……?」
「言ったはずだぞ? 仲間なら聞いてやれる頼みもあると。俺にとって最後の脅威は、あのサイクロン。より腕のいい航海士が必要なことは、お前もよく分かってるはずだ」
「……」
ナミは、気を失った仲間たちを見上げた。
そして、左腕のリングに触れる。
「形見か?」
「……バカ言わないで。……これは、故郷で別れた
目の前に浮かぶ、ノジコの顔。
「……あたしが仲間になれば、
「ジハハハッ、そりゃオメェ、俺は仲間を何より大切にする男だ。仲間の故郷なら、俺は手を出せなくなるってもんだ」
「……」
ナミは大きな決断を迫られていた。
自分がシキの仲間になれば……
「……バカな考えはやめろよナミっ」
「!?」
仲間の声が、思考を遮る。
「ウソップ!」
土の塔の中で、ウソップだけが未だに意識を保っていたようだ。
「チッ、まだ意識があったか」
「オメェ……っ故郷のために、そいつに身を売ろうってんじゃねぇだろうな!」
「……っ」
「そんな勝手っ、ルフィが許さねぇ!」
シキの眉がぴくっと動く。
「許さねぇってのはどういうことだ? オメェよく状況が飲み込めてねぇようだな!」
塔のてっぺんに、巨大な岩が浮いている。
それを落とされれば、いくら丈夫な一味といえど、圧死か窒息死してしまうだろう。
「ま、待って! 状況なら分かってるわ! 仲間にもう手を出さないで!」
「……なら、答えを聞こうか、ベィビーちゃぁん?」
「……っ」
ナミは唇を噛みしめた。
「……ウソップ、これしか方法がないの。
「ダメだナミっ」
「あたしなら大丈夫」
「やめろ!」
「どこでだって生きていけるから」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ! ンなこと誰が納t"ドゴォッ"
ウソップの顔面に、岩石が激突した。
「ウソップ!」
さすがに、今度こそ気を失う。
「フン、うるせぇ小僧だよ。……さぁベィビーちゃぁん、答えを聞こう」
「……っ」
ナミは拳を握り、シキの方を向いた。
……もうこれしか、打てる手がない。
「……あなたの、仲間になるわ」
胸の奥がチリチリと痛む。
シキは三日月のように口元を歪め、タバコの灰を落とした。
「ほぉ……"なる"、か」
ナミは目を見開いた。
……シキの言葉が、何を意味しているのかは分かる。
取るべき行動も、言うべき言葉も、全て分かっている。
「……っ」
唇を噛み締めながら目を閉じると、ココヤシ村のみんなが目の前に浮かんだ。
「……」
思い出される、アーロンに付き従っていた日々。
……そうよ、あたしは、親の仇であるアイツの前でだって笑っていられた。
このくらい、何でもないわ。
「……」
ナミは心に鍵を掛けた。
まるで人形のように自分の心を創って、シキの目の前で平然と膝をつく。
両手を地につき、深く頭を下げた。
「仲間に、して下さい」
シキはその姿をまじまじ見つめ、笑った。
「そうか、ジッハッハッハッ! 歓迎しよう、有能なる航海士よ! ……敵わねぇ敵がいると知ることもまた、成長だ」
"フワ……"
「?」
ナミの目の前に、トーンダイヤルが降りてきた。
「俺ァ誘拐犯じゃねぇんだ。海賊の世界にも仁義はある。今まで苦楽を共にしてきた仲間たちに、きっちり挨拶を残しとけ」
「……」
ナミはトーンダイヤルを掴み、立ち上がって仲間たちの方を向いた。
―――空から、赤が消えていく。
気温の低下による気圧の変動で、風の動きや強さが変わっていくのが分かった―――
「ふむ……いい挨拶だ。これで後腐れはねぇな? 仲間たちも納得するだろう。……まぁもっとも、ここから生きて這い出て来れたらの話だけどなァ、ジッハッハッハッハッ!」
「……」
ナミはそっと、その場にトーンダイヤルを置いた。