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3. ノックアップストリーム
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のんびりと航海を続けること、約3時間。
「ボス! マズイです!」
マシラの元に、部下が1人走り寄った。
「どうした!?」
「南西より夜が来てます! 積帝雲です!」
「ホントか! 今何時だ!」
「10時です! 予想よりもずっと早い!」
「マズイなぁ……ショウジョウ! 行けるか!」
「おうよ! ウータンダイバーズ、すぐに海に入れ! 海流を探る!」
「「「ウッキーッ!」」」
"ザバァンッ!"
ダイバーたちが海へ飛び込んでいった。
ナミは真っ黒な雲を見上げる。
「あれが、積帝雲……」
「なんだなんだ!?」
「どうした!?」
ウソップやサンジが船室から飛び出てくる。
「予想よりも早く積帝雲が現れたのよ! まだ海流の位置も分かってないのに!」
ショウジョウのハボックソナーが辺りに響き渡り、音波で海中を探る。
「10時の方角に、海流に逆らう波を確認! 巨大な渦潮ではないかと!」
「それだ! 船を10時の方角に向けろ! 爆発の兆候だ! 渦潮を捉えろ!」
マシラの指示で、船は3隻とも10時の方向へ進路を変える。
……波が高くなり始めた。
「……んぅ?」
「お? なんだ? なんか揺れてんぞ」
ティオとゾロが目を覚ます。
ウソップが叫んだ。
「オメェらいつまで寝てんだ! さっさと起きろ! 上に登る海流が見つかったんだよ!」
波がさらに高くなり始めた。
「爆発の前兆だ! 気をつけろ!」
「爆発!?」
慌てるチョッパーの隣で、ロビンはナミに目を向ける。
「航海士さん、ログポースはどう?」
「ずっとあの雲を指してる!」
ナミが指さす先には、巨大な積帝雲。
つられるように見上げたウソップは叫んだ。
「あの上に空島があるってことか!?」
「風の向きもバッチリ。積帝雲は渦潮の中心に向かってるわ!」
マシラとショウジョウが互いに目を見合わせる。
「どうやら今回は当たりのようだぞ兄弟」
「あぁ、爆発の規模も申し分なさそうだ」
ルフィが期待のまなざしで2人を見た。
「行けんのか!?」
「あぁ、行ける!」
"ヒュッ、ガシャッ"
マシラの船から2本のフック付きロープが飛んできて、メリー号の船体にがっちりハマる。
「なんだ?」
「これから、オメェらを渦の中心に連れていく!」
「そしたらどうすればいいの!?」
「流れに乗れ! 逆らわずに中心まで行きゃぁなるようになる!」
3隻の船の目の前には、未だかつて見たことがないような大渦が現れた。
真っ先にウソップとナミが青ざめる。
「の、飲み込まれるぅぅぅ!」
「渦に飲み込まれるなんて聞いてないわよ! 詐欺よ、詐欺!」
「大丈夫だ! ナミさんとロビンちゃんとティオちゃんは俺が守る!」
「ふふっ、こんな大渦初めて見たわ」
「笑ってる場合かよロビン! あぁもう止めだ止め! 引き返そう! ってか帰らせて!」
ほろりと涙を流し始めるウソップだが、ゾロとティオが船の下を指さした。
「観念しろウソップ。もう手遅れだ」
「うずの、きどう、のってる」
「そんなぁ~~っ」
もはや気絶寸前のウソップとは対照的に、ルフィはテンションMAX。
「行くぞぉ空島ぁ! アッハッハッハッ!」
そうこうしているうちに、メリーを引っ張っていたフックが外される。
「じゃあ、あとはテメェらで頑張れよ~!」
少し離れたところから、猿山連合軍が手を振った。
ルフィが素直に手を振り返す。
「おう! 送ってくれてありがとな!」
その隣で、ウソップとナミが青ざめながら手を伸ばす。
「うわぁ~! 帰らせてくれ~! 怖ぇってんだよ~!!」
「アンタたち絶対に詐欺で訴えてやるわ!」
口々にいろんな不安をぶちまけるが、もう遅い。
「おい、オメェらが無駄な話してる間に」
「「「?」」」
ゾロが前方を指差した。
合わせて、ティオも同じ方向を指差す。
「のみこまれる」
「「いやあああああっ!」」
メリー号は渦のど真ん中へと落ちていった。
しかし次の瞬間……
"バシャン……"
「……大渦が、消えた?」
辺りはしーんと静まり返っていた。
波一つないその様は、まるでカームベルトのよう。
ナミがゴクリと息を呑んだ。
「……違うわ。始まってるのよもう。渦は海底からかき消されただけ」
「ま、まさか…」
「待ぁて~!」
「「「?」」」
いきなり、後方から誰かが呼ぶ声がした。
ルフィはそちらを振り返り、ゾロの肩を叩く。
「おい、ゾロ、あれ」
「あ?」
見ると、黒ひげ海賊団が、帆を張ったイカダでこちらに向かっていた。
「ゼハハハハハッ! 追いついたぜ! 麦わらのルフィ! テメェの1億の首をもらいに来た! 観念しろや!」
「1億? 何のことだ?」
「ゼハハハ、やはり知らねぇか。麦わらのルフィには1億ベリー、そしてロロノア・ゾロには6000万ベリーの賞金が、それぞれかけられている!」
黒ひげが手配書を掲げると、ウソップがそれを望遠鏡で覗く。
「お~ホントだ。新しい手配書だな。ゾロ、お前賞金首になってるぞ?」
途端、サンジが噛みつくように、ウソップの肩に手を置いた。
「何!? 俺は!? 俺のもあるだろ!」
「あ? あ~……いや、ない」
「そうか。アラバスタの件で額が跳ね上がったんだわ。1億だなんて……」
ナミが不安げな顔をする横で、当の2人は……
「ひゃっほ~! 聞いたか!? 俺1億だってよ!」
「6000万かぁ、ははっ、不満だぜ~」
「喜ぶな! そこの2人!」
そんなこんなしている間に、海面が盛り上がり始める。
ノックアップストリームの兆候だ。
「全員、船体にしがみつくか船室へ!」
「船が吹き飛ぶぞーっ!!」
麦わら一味は各々に船のあちこちに掴まる。
次の瞬間……
"ズドオオォォンッ!"
海底で大爆発が起こり、一瞬にして水柱が現れた。