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映画:STRONG WORLD
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数時間後。
日没前の日差しは、麦わら一味を暖かく包み込んでいた。
「くか~……くか~……」
みんな、束の間の休息を堪能している。
そこへ……
「お母さんおばあちゃん! 大ニュース!」
数分前、隣の家に茶葉を貰いに行ったシャオが、全速力で帰ってきた。
ゾロが片目を薄く開ける。
「……」
シャオの嬉しそうな背中が見えた。
「……ん…ぅ」
声が聞こえたからか、ティオがもぞもぞと動き、眉間にしわを寄せる。
ゾロはその頭をポンポンと叩き、何度か撫でた。
ティオの眉間からしわが消え、穏やかな寝顔に戻る。
ゾロももう一度、寝直すことにした。
―――数分後。
「……」
ぱちりと、ティオの目が開いた。
「……ぞろ」
小さく呼ぶと、鋭い目がゆっくり開かれる。
「……あぁ、分かってる」
ゾロは横目で睨むように、西の方角を見据えた。
「おい、ルフィ」
「くか~…くぁ、ん、ぁあ?」
寝ぼけ眼をゾロの方に向けたルフィは、何度か瞬きをしたのち、キッと目つきを鋭くして西を見た。
"カチッ、シュボッ"
サンジのタバコに火が灯る。
「……来やがったか」
「案外遅かったな」
ルフィ、ゾロ、サンジ、ティオは、臨戦態勢で立ち上がる。
「オラ、起きろお前ら」
サンジが、ウソップとチョッパーを軽く蹴り起こした。
「ん~~……なぁにぃ」
「ふぁ~~……むにゃむにゃ」
「敵さんのお出ましだ」
「「ぇえっ!?」」
歩き出す4人に、ウソップとチョッパーはおっかなびっくりついていった。
……その頃、家の中では。
「何だって!?」
「本当だよ! シュウちゃんとこのお父さんが帰ってきたの! もうすぐみんなも戻ってくるって! お父さんとお姉ちゃんにまた会えるんだよ!」
シャオが嬉々として、隣の家で聞いてきたことを話していた。
体が辛いはずの祖母も、希望を見出して体を起こす。
「本当かいっ? 夢じゃないだろうねっ」
「それじゃあシキは……」
「ここを出て行くんだって! 動物たちもみんな連れて計略の海へ!
……その話を、夢うつつに聞いていたナミは、思わず目を見開いた。
頭の中を、シキの言葉が駆け巡る。
『そうか、
『俺の目的はいずれ分かるさ』
『オメェはどうしたって、自分から俺の仲間になりてぇと懇願するようになるんだ』
『俺の船の航海士になりな? ベィビーちゃぁん?』
カタカタと、体が震え出す。
「……ルフィっ」
ナミは居ても立ってもいられず、そっと家を出た。
"ガチャ……"
「……?」
扉を開けると、さっきまでそこに居たはずの仲間が、1人もいない。
夕焼けが辺りを真っ赤に染めている。
「……みんな、どこへ……」
ナミは仲間たちを探して、家の裏へ回った。
「来るな、ナミ」
「!?」
突然聞こえたルフィの怒号に、ナミは肩を揺らして立ち止まる。
見れば、家の裏の荒地で、仲間たちが夕日に向かって並んで立っていた。
その視線の先には……
「シキ……」
もう二度と会いたくない男が浮かんでいた。
「ベィビーちゃぁん、みっけ!」
その声に背筋がゾクっと震える。
「つれねぇじゃねぇか。黙って抜け出すなんざ、傷ついたぜ俺ァ」
サンジは、爪が食い込みそうなほど拳を握った。
「黙れクソ野郎っ、俺たちを騙してナミさんを連れ去りやがって」
「ジハハハハハッ! そこまでのいい女、奪うなという方が無理な話だ。奪われたくなきゃしっかり守れェ! ……もっともその女の方が、既に俺から離れられなくなってるだろうがなァ! そうだろぉ? ベェィビーちゃぁぁん」
「……っ」
震えるナミを見て、サンジの怒りは頂点に達した。
「てンめぇ「おい! 舵輪!」
ルフィの声が割り込む。
「俺の仲間に手ぇ出して、無事でいられると思うなよ?」
「ほ~ぉ? どうする気だ?」
「ぶん殴る!!」
ルフィの一言を合図に、6人はシキ目掛けて駆け出した。
「ゴムゴムのっ、鎌ァ!」
逸早く飛び出したルフィ。
伸びてきた腕を、シキはふわりとよける。
「必殺・火の鳥星!」
"パシュッ、ボォッ!"
夕空に負けない、真っ赤な炎の鳥。
しかし、シキにはかすりもしなかった。
「二刀流、七十二
間髪入れず、飛ぶ斬撃が襲い掛かる。
"キィンッ、ガキィンッ"
シキは両足の剣で、斬撃を相殺した。
「
"シュッ"
「
"ズドドドドドドッ"
急所ばかりを6連撃で狙うティオの指。
「ぁん?」
全く効いていない様子。
シキがティオの方に顔を向けると、ちょうどチョッパーと入れ替わったところだった。
「
"ドドドドドドドドッ!"
「ぐ……ぁっ」
ティオの指銃は、言うなればマーキング。
初めから、急所にチョッパーの攻撃を当てるための捨て技だったのだ。
わずかに揺らいだシキ目掛けて、サンジが踏み込む。
「
"ドスッ"
「……!?」
確実に決まったと思ったが、サンジの蹴りは片手で受け止められていた。
シキの口角が不気味に吊り上がる。
「なかなかのチームワークだ。俺に手を出させるとは大したもんじゃねぇか。……だが、出した手は引っ込めるわけにゃいかねぇぞ? まずはお前からだ」
「……っ」
サンジの脚を掴んだまま、シキは空いた手を振り上げる。
……とんでもなく嫌な予感がした。
「サンジ!」
焦るチョッパー。
その隣で、ゾロは刀を構えたが、背後に感じる気配に刀を降ろした。
「ぅぉぉおおおおおおおお!」
"ドカッ!"
どこから飛んできたのか。
ルフィがシキ目掛けて突っ込んだ。
その拍子に解放されたサンジは、くるりと回って着地する。
「ん、今なんか話してたか?」
「別に何も」
一味は一ヶ所に集まり、シキを見上げる。
ナミは少し離れたところで、不安そうに仲間たちの戦いを見ていた。
「フン……俺と対等に闘り合えると思ってるとはな。……面倒だ。まとめて相手してやる」
シキは右手を持ち上げた。
ゾロが眉を顰める。
「……何かする気だぞ」
カラっ、と石ころの転がる音がする。
ティオはじっとシキを凝視した。
しかし、具体的な行動が読めない辺り、接近戦ではなく、悪魔の実の力を使うつもりのようだ。
攻撃の先読みは出来ない。
"ゴゴゴゴゴゴゴッ"
「何だ?」
「地震?」
"ドゴォッ"
「「「!?」」」
半径50mほどの地面が全て、ボコボコと隆起し始めた。
隆起は次第に山となり、麦わら一味を囲む。
「
山が8頭の獅子の頭を形作り、一味に迫る。
それは1頭1頭があまりにも巨大で、ウソップとチョッパーは唖然とするしかなかった。
「うわああぁぁん!」
「こんなのどうしろってんだよ!」
「ぅぉぉおおおおっ!」
「「ルフィっ!?」」
ルフィは連続で腕を振り、ゴムの特性を活かして力を溜めた。
そして……
「ゴムゴムのっ、
力強い一発を打ち出した。
"ドゴォッ!"
獅子の1頭が掻き消える。
それを見逃さず、ゾロが刀を抜いて駆け出した。
「おい、コック!」
「ぁあ? ……チッ」
不本意そうに走り出したサンジは、ゾロが飛び上がるタイミングに合わせ、自分も飛ぶ。
「
サンジに蹴り上げられ、空高く打ちあがったゾロ。
向かう先には、シキ。
狙いに気づいたウソップが、目くらましのために1発放った。
「必殺・アトラス彗星!」
青白い雲を引いて、4つに分かれた弾が飛んでいく。
「フン、狙いはいいが、ダメだ」
シキは軽く全弾よけた。
そこに、タイミングよくゾロが突っ込む。
「三刀流、
"ガキンッ!"
軽く受け止められた刃。
「なにっ……」
「お前らごとき、殺す価値もないわ」
"ドスッ…ドゴォッ!"
吹き飛ばされたゾロは、地面にめり込んだ。
「「ゾロっ!」」
"ガラッ、ドドドドドッ"
周りを囲んでいた獅子たちが、一気に詰め寄ってきた。
一味は完全に閉じ込められてしまい、外に出られない。
「ぅわぁぁああっ!」
「くそぉっ」
"ドゴォォッ!"