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映画:STRONG WORLD
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数日後。
「どわあああぁぁぁぁっ!!」
島に無事に落ちたルフィは1人、ジャングルの中で逃げ回っていた。
背後には、ワニとカメレオンを足して2で割ったような生き物が迫っている。
体長10mはありそうな巨大生物だ。
「くそっ、もっと広いとこに出ねぇと!」
ルフィは近場の樹に手を伸ばした。
「ゴムゴムのっ、ロケットォ!」
慣れたように空へ飛び出し、開けた広い場所に降り立つ。
「よ~しココなら……」
と、拳を構えて振り向くが……
"バキッ、メキメキッ"
「んぇ、アレぇ!? タコォ!?」
てっきりワニもどきが出てくると思ったが、何故か出てきたのはタコ。
しかも、ワニもどきの3倍は大きい。
「ヤベっ」
ルフィは一目散に逃げ出した。
すると、前からまた別の敵が現れる。
「げっ、何だアレ、でっかいカマキリ!?」
巨大カマキリは、ルフィ目掛けてカマを振った。
"シャキンッ"
「ぅおっ」
ルフィは前のめりにコケて、ゴロゴロ転がっていく。
「$#&%@#%&~~ぼぇっ」
ビタンっと顔面を強打したところで、やっと止まれた。
「っくしょ~っ! 何なんだ次から次へと!」
顔を上げ、カマキリの方を振り向く。
と、カマキリはタコと戦っていた。
"シャキキキキキンッ!"
タコの足が、見事なぶつ切りになる。
「うわっ、ゾロみてぇだ!」
タコは分が悪いと悟ったのか、一目散に逃げ出した。
しかしカマキリは逃がさない。
逃げるタコの背後から突撃し、カマを振り抜いた。
"シュッ…ドゴォッ!"
ジャングルに突っ込んだタコは、そのまま気を失う。
勝利したカマキリは、高らかに雄叫びを上げた。
……すると。
"ガシッ"
黒いモフモフの大きな両手が、カマキリを後ろから掴まえた。
モフモフの正体は、腕の長いクマ。
クマはそのまま、カマキリにバックドロップを決めた。
"ドゴォッ!"
頭から地面に突っ込んだカマキリは、そのまま気を失う。
クマの勝利だった。
「ぅはぁ~、次から次へとすんげぇなぁ」
ワニ、タコ、カマキリ、クマ。
ルフィは巨大動物たちの戦いを、ポカンと見つめていた。
すると、次なる敵を探していたクマと、目が合う。
「ん、にゃろうっ、ヤル気か!」
ルフィが立ち上がって拳を構えると、クマは闘牛さながらに突進してきた。
「ゴムゴムのォっ、ピストル!」
超速で伸びた腕。
しかし、クマはその巨体からは想像もつかないほどの敏捷さで、ルフィの拳をよけた。
そのまま、ルフィ目掛けて腕を振る。
"ヒュォッ、バキッ"
「うわああぁぁぁっ!」
ルフィはジャングルの方へ飛ばされた。
「っ……くっ、そうだった、ここの動物はナメちゃいけねんだよな!」
近場の樹に左腕を巻きつけ、右手の親指を噛む。
「ギア・3rd! 骨風船!」
指に息を吹き込みながら、クマの方へと飛び出した。
「ゴムゴムのぉっ、
巨人族並みに巨大な拳が、クマ目掛けて飛んでいく。
クマは、思わずその場で立ち止まった。
そして逃げようとするも、遅く……
"ヒュォッ、バキィィッ!"
遥か彼方へ吹き飛ばされた。
そしてルフィは……
「ひはびぶべはぼぱぴはぺぼぱぁ~!」
技の影響で、しぼんでいく風船さながら、空へ舞い上がっていく。
……やがて空気が抜けきると、重力に任せて落ちてきた。
"ボフンッ"
落ちた先は、先ほどカマキリにやられたタコの上。
「んにっ、ぷはぁ~っ、危なかったぁ」
チョッパー並みに小さくなったルフィ。
「この技使うと小っちゃくなんのが厄介だなぁ。……んぉ、このタコ
ちょうど小腹も空いてきたことだし。
ルフィは近場の小枝を拾い集め、焚き木をすることにした。
一方で。
「かなり古い遺跡ね」
「呑気に遺跡調査してる場合かよ」
「皆さん、無事ですかねぇ……」
ロビン、フランキー、ブルックは、幸いにも近くに落ちたため、3人一緒に行動していた。
"ズズン…ッ"
「おや? 何でしょう、今の音……」
言って、この辺りで一番立派な遺跡を見つめるブルック。
フランキーが鼻を鳴らした。
「知るかよ、オラ、さっさと行くぞ」
「えぇ、はい……」
ブルックは気になるのか、遺跡から目を離さない。
すると……
"カサカサカサカサ……"
小さな足音のようなものが聞こえてきた。
それも大量に。
やがて、その足音の正体が見えてくると、ブルックはあんぐりと口を開けた。
「ひぁぁあああっ!?」
「「!?」」
ロビンとフランキーが振り向く。
「ひいいぃぃっ」
ガクブル震えるブルックの正面には、アリのような小さな生き物の大群。
数百匹か数千匹いるであろうその大群は、まっすぐ三人の方へ向かってきた。
「今度はアリか!?」
「いやああっちょっと来ないでぇ!」
ブルックはその場で身を縮こませた。
しかし……
"シャカシャカシャカシャカ"
アリたちはブルックを素通り。
「……ぇ、アレ?」
「ちっ、狙いはこっちかよ!」
フランキーは左手をパカッと開けて、アリたちに
ロビンが冷静に訊く。
「フランキー、あなた燃料切れじゃなかったの?」
「ぁん? ……ぬぁっ、そうだった!」
と、そのとき。
"ザバァッ!"
近場の川から、巨大な魚が飛び出してきた。
フランキーとロビン目掛けて突進してくる。
「今度は何だっ」
2人はひと跳びして魚をよけた。
"ザバァッ"
魚は水に入ると、辺りを旋回し始める。
「もう一度来るわよ」
「ひぃぃっ、もう嫌ですこんなとこ~!」
"ザバァッ!"
ロビンの予想通り、魚はもう一度飛び出してきた。
フランキーが舌打ちしながら拳を構える。
しかし……
"シャカシャカシャカシャカ"
アリたちの方が早く反応した。
大群は一斉に魚に飛びかかり……
"ガジガジガジガジガジッ!"
「「「 ! 」」」
アリの大群を通り抜けた魚は、見事に骨だけになっていた。
"ザパァ……ッ"
川に魚の残骸が浮かぶ。
それを見て、ブルックが一言。
「あ、一緒……」
「……フン、そういうことか。おいブルック」
「はい?」
「オメェが狙われねぇ理由が分かったぜ」
「理由?」
「オメェには、食える身がねぇ」
「あーそういう……って、ちょっと失礼じゃないですかぁ!?」
怒りで骨を赤く染めたブルックは、仕込み杖から剣を抜き、アリたちの方へ駆け出した。
"フォンッ、フォンッ"
風を切るような音を響かせた後、ブルックはゆったりと3歩歩く。
終わったな、と、フランキーとロビンは歩き出した。
"シャカシャカシャカシャカ"
アリたちは変わらず、フランキーとロビンを狙っている。
「鼻唄三丁……」
ブルックの剣が、杖の中に収められていく。
「
"チャキンッ"
"ズォォォォァァァァアアッ!"
アリ1匹1匹につけられた傷が、一斉に開いた。
アリたちは、フランキーとロビンを咀嚼することが叶わぬまま、絶命していく。
「……確かに骨張った私ですけど、今興味あることがあるんですよね」
「ぁん?」
「部分痩せ」
「……」
「……」
呆れ顔のフランキーと、無表情のロビンは、その場にブルックを残して、先へ進んだ。