夢主の名前を決めて下さい。
映画:STRONG WORLD
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから、シキの力でサニー号が宙に浮かべられた。
シキの島船の隣を、サニー号が飛んでいく。
いつも
今のように、ゆったりフワフワと飛ぶことは出来ない。
「うほ~っ! 高けぇ~!」
「気持ちいいなぁ~!」
「カモメも下にいるぞ!」
欄干から下を眺めてはしゃぐ、ルフィ、ウソップ、チョッパー。
その3人の格好を、背後からナミがジト目で見つめた。
「……アンタたち、戦闘準備のイメージずれてない?」
ブルックもそれに賛同する。
「まったく、もう少し緊張感を持っていただきたいですねぇ」
「そうよねぇ……って、アンタがずば抜けてユルいわ!」
花柄のトップスに、左右で柄の違うパンツ。
そのままどこか娯楽施設にでも行きそうなファッションだ。
他のメンバーも、どこかお出掛け気分な組み合わせ。
「ん? なぁルフィ、何か見えてきたぞ?」
チョッパーが短い手で前方を指さす。
一味の視線が全てそちらに向いた。
見つめる先には、海水ごと浮かされた島々がいくつか浮遊している。
それらはどれも、シキの島船よりも遥かに大きかった。
「すっげぇなぁ~!」
「まさかっ、この島も全部おっさんの力で浮いてんのか!?」
「あぁそうだ。一旦浮かせたものはそのまま浮き続ける」
……やがて、シキの島船とサニー号は、島々の中でも一番大きな島の上にさしかかった。
「……着いたな」
シキはニヤリと笑みを浮かべる。
「ここはメルヴィユ! 冒険好きのお前らにはうってつけの島だ! 存分に遊んでくるがいい!」
「「「 ? 」」」
突然声を張り上げたシキ。
麦わら一味は全員、首を傾げた。
シキは、くるりと後ろを振り返る。
その視線の先には、ナミ。
「そるっ」
"シュッ"
ティオはシキに蹴りかかった。
「やはり、お前は使える奴だったか」
"ヒュオッ、ガッ"
シキはティオの蹴りを片腕で受け止め、弾いた。
"ブンッ、ドサッ……"
「うぐっ……」
ティオは、芝生の甲板に叩きつけられる。
「ティオちゃん!?」
「何だ何だっ、どうしたんだ!?」
状況が分からず、慌てる仲間たち。
その合間を、刀を構えたゾロが駆け抜けた。
「三刀流、
突っ込んできたゾロを、シキはふわりとかわし、ついでのようにナミを抱える。
"ガシッ"
「きゃっ! ちょっと、何よ!」
「ジハハ、惜しかったなァ」
シキは空中から、満面の笑みで一味を見下ろす。
「何すんだよおっさん!」
「くそっ、遅かったか!」
「何だ急に!」
「どっこいしょ!」
"グラ…ッ"
「「「なにっ!?」」」
突然、サニー号にかけられていたフワフワが解かれてしまった。
重力に従い、サニー号も麦わら一味も全て、メルヴィユへと落ちていく。
「「「うわあああっ!」」」
シキとナミだけはそのまま空に浮いていた。
「ジハハハハッ! 航海士は貰ったァ!」
「くそぉっ、ナミーっ!!」
ルフィが咄嗟に手を伸ばす。
けれど……
「ジハハッ、無駄だ」
シキがくるりと指を回せば、サニー号もぐるりと回る。
バットのように振り抜かれたサニー号のマストが、一味全員を打ち飛ばした。
「ひぎゃああああっ!」
「うぐ…っ」
「うええええええんっ!」
「どわぁあぁあぁっ!」
「のぉああぁぁっ!」
「ヨホホ~!?」
「あぁぁ…っ」
「うわあああぁぁぁぁっ!!」
……全員、四方八方へ散り散りに飛ばされる。
「ジハハハハハハハッ!」
ナミは目を見開き、声の限り叫んだ。
「ルフィっ! みんなァっ!」
「さて、行こうか? ベィビーちゃぁん」
「離して! 何なのよいきなり!」
「ジハハハハハハッ!」
シキはナミを抱えたまま、フワリと自分の島船へ飛んでいった。
「……ぅ、くっ」
吹き飛ばされる重力圧に耐えながら、ティオは連れ去られるナミを見据えた。
"ボンッ"
鳥に姿を変え、何とか翼を打って体勢を立て直し、ナミの後を追う。
他の仲間たちは、覇気で伺う限り大丈夫だと判断した。
今まで死闘を乗り越えてきた一味だもの。
下に島がある以上、空から落とされたくらいじゃ死にはしない。
……けれど、ナミはどうなってしまうか分かったものではない。
シキがナミを攫った理由は、今のところ分からないのだ。
「……」
ティオは、少し離れてシキを追尾しながら、思考を巡らせた。
……金獅子のシキの情報は、頭に入っている。
センゴクやガープの記憶を見ているため、顔も知っていた。
だからこそ、サニー号にシキが降りてきたときは本当に驚いた。
海賊王ゴール・D・ロジャーや、四皇エドワード・ニューゲートと張り合い、大海賊時代の一翼を担った男。
彼はロジャーの処刑が決まった折、ライバルであったロジャーを海軍より先に殺すため、海軍本部に攻め入った。
それを止めるべく、ガープやセンゴクが応戦し、捕えた彼をインペルダウンへ投獄したのだが……
……その後、自らの足を切り落として脱獄し、行方を暗ましたとの情報がある。
世界最強の大監獄インペルダウンを脱獄できた者は、後にも先にもシキただ1人。
そのシキと、こんな形で出会うことになるなんて……
20年も身を隠していた彼が、どうして今になって表舞台に姿を現したのか……
「……」
久々に、諜報員として敵地に潜り込むときが来たようだ。
ティオは緊張を隠せないまま、慎重にシキの後を追いかけていった。