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映画:STRONG WORLD
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「ふう……抜けられたわね。フランキー、そろそろいいわ。パドル仕舞ってちょうだい」
「あいよ」
「みんな、帆を下ろして?」
「「おう」」
ロープが引かれ、メインマストもフォアマストも下ろされた。
麦わら帽子を被ったドクロが、風を受けて進み出す。
……すると。
「だれか、きた」
ティオが無表情のままポツンと言った。
「「「……え?」」」
唖然とティオを見つめる麦わら一味。
ティオが空を指さすと、全員の視線がそちらへ向いた。
"フワ……"
長い金髪に、値打ちのありそうな着物。
光の加減で黄金にも見えるそれらを携え、貫禄のある男がふわりふわりと降りてくる。
「「「んな……っ」」」
一味はあんぐりと口を開け、固まった。
その中で1人……
「……」
ティオだけは、瞳に警戒の色を宿していた。
"カシャンッ……カシャンッ"
男が甲板に降り立つと、脚についた剣が音を立てた。
「な、なんなんだおっさんっ、今、どうやって降りてきたんだ!?」
ルフィが尋ねると、男は豪快に笑う。
「ジハハハハハッ! 突然すまない。俺は金獅子のシキ、海賊だ」
「シキぃ?」
「聞いたことねぇな」
「ところで、トーンダイヤルの声の主は?」
ナミが恐る恐る手を挙げる。
「あたし、だけど……」
シキは三日月のように口元を歪めた。
「ほう、ベィビーちゃんが……。礼を言う」
「あぁ、いえいえ……」
「なぁおっさん、何でアレ浮いてんだ?」
ルフィが指さす先には、島船。
「うん? あぁ、アレか。フワフワの実の能力だ。俺は、触れた物を重力に関係なく、自在にコントロール出来る」
シキは辺りを見渡し、ゾロのトレーニング用のダンベルを見つけ、軽く触れた。
「見てろ~?」
みんな、興味津々にダンベルを見つめる。
"クィッ"
シキが人差し指を上に向けると、ダンベルはフワリと浮き上がった。
「「「うほ~~っ!」」」
ダンベルは空中をフワフワと彷徨ったかと思うと、グっと空高くまで打ち上げられた。
そして、突然重力を得たように真っ直ぐ落ちてくる。
落ちた先では、ゾロが無意識に手を伸ばしていた。
"ヒュォ……ガキンッ"
およそダンベルをキャッチしたとは思えない音が鳴り、船が地震を受けたように揺れた。
それほど重いダンベルなのだ。
ゾロはそのまま、流れるようにダンベルを操り、筋トレを始めた。
ルフィが目を輝かせてシキに向き直る。
「すっげぇ! おっさん! 俺もフワフワしてくれ!」
チョッパーがルフィの背中に跳びついた。
「俺も俺も!」
シキはジハハ、と笑う。
「残念。俺以外の人間や動物、生きてるモンは浮かせられねぇ」
「えぇ~っ、何だよつまんねぇ!」
「「ブーブー!」」
「ところで、お前たちを俺のアジトでもてなしたい。ほんの礼の印だ。来てくれるな?」
……ギュッと、ゾロの服の端が握られた。
ゾロはもちろん、それが誰の手なのか分かっている。
ダンベルを操る手を止めず、横目にそちらを見下ろした。
「……」
言葉や視線を交わさずとも、ティオが警告を発していることは手に取るように分かる。
何かあればすぐに刀を抜けるよう、心身を緊張させた。
そして、船長の判断を待つ。
ルフィは帽子に手を掛け、ニッっと口角を上げた。
「せっかくだけど、悪ィな、おっさん」
「ん?」
「俺たち、これから
「えっ、ちょ、ルフィ!?」
「お、おまっ、冒険はどーすんだよ!」
「んぁ? そんなモンいくらでもやり直しゃぁいい!」
「ぅぇえっ!?」
「ウソップ、オメェは故郷の奴らがピンチだってのに、じっとしてられんのか?」
「ぇ、いや、それは……」
口ごもるウソップ。
それを見て、サンジは短いため息と共に新しいタバコに火をつけた。
「決まりだな」
隣でロビンが微笑む。
「ふふふっ、もう一度グランドラインに入り直すのも、面白そうね」
だろ? という顔をしてから、ルフィはシキの方を向いた。
「そういうわけだからよ、礼はいいよ!」
「ほう、そうか……」
ニヤリと歪められる口元。
「……っ」
この場で唯一、ティオだけが気づいていた。
シキから漏れ出てくる、強い敵意に。
しかし、シキはそれを億尾にも出さず、声を張り上げる。
「ますます気に入ったァ! ……そうか、
「ホントか!? ありがとう! おっさんイイ奴だなァ!」
「当然だ」
……マズイ。
ティオはゾロの服を掴む手に、さらなる力を込めた。
そして、恐怖を圧し殺して訊く。
「どうして、あったばかりの、てぃおたちに、そこまで、してくれるの……」
ジロリと、シキの満面の笑みがティオを見下ろした。
「そりゃあ、お前らのことが気に入ったからさァ。俺に出来ることなら、何でもしてやりたいほどになァ」
とてつもない敵意と、ウソを感じる。
何だ、何を狙っている……
ティオの焦りなど露知らず、ルフィは拳を突き上げた。
「よォしお前ら! 戦闘準備だ!」
「「おーっ!」」
「気が早いってのよアンタたち!」
どんちゃん騒ぎながら、男部屋に駆け込んでいくお馬鹿トリオ。
ティオは、焦りと疑念の混じった瞳で、シキをじっと見つめた。
"ポン……"
「?」
頭の上に、大きな手が乗った。
ゾロが、相変わらずダンベルを操りながら、もう片方の手を乗せている。
もう少し様子を見よう、と、頼もしい感情が伝わってきた。