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ところ変わって、サニー号では……
"トン、カン、トン、カン……"
キッチンで、サンジが夕食を作る傍ら、フランキーが何かを作っていた。
ブルックは、傍で紅茶のカップを傾け、作業を眺めている。
「ワノ国の文化でしたっけ?」
「らしいなァ。俺も、さっきフードフロアで見たときゃ驚いた。画期的な暖房器具だ」
ザクザクと大量の野菜を切りながら、サンジもチラリと作業を見やる。
「そこで鍋をするのがオツらしいな。新鮮な野菜も手に入ったし、丁度良かった」
そこに……
「おっ、いい匂いするぞ!」
「晩メシ何だろうな!」
「たっだいま~!」
"ガチャッ!"
帰って来たルフィ、ウソップ、チョッパーが入ってきた。
ルフィの背中ではティオが眠っている。
「おや、おかえりなさい」
「おう! ……んぉ? フランキー、何作ってんだ?」
「これか? こりゃァ『こたつ』っつー暖房器具だ」
「「「こたつ?」」」
「ワノ国の文化だそうで、テーブルに布団をかけて座るそうですよ」
「へぇ~、面白れぇなぁ」
「そういやナミたちは?」
「ナミさんとロビンさんは、ゾロさんを迎えに行っています」
「あー……今はティオが迎えに行けねぇもんなぁ……」
「もうすぐ帰ってくるでしょう」
と、噂をすれば影が差す。
「っとにアンタはもう!」
「るっせぇなぁいちいち」
「ただ後ろをついてくるだけのことが何で出来ないのよ! 目ぇちゃんとついてんの!?」
「ふふふふっ」
"ガチャッ"
口喧嘩しているナミとゾロ、その様子に微笑んでいるロビンが入ってきた。
「おかえり~っ、ナミすゎん! ロビンちゅゎん!」
「はぁ……ただいま……。あら、ルフィたちも帰ってたのね」
「ついさっきな」
「ティオは治ったの?」
「あぁ。1時間も走り回ったら、キレイさっぱり」
「それからず~っと寝てるんだ」
「ルフィと走り回れば、そりゃ眠くもなるでしょう」
「ゾロ~」
「あ?」
呼ばれてゾロが振り向くと、ルフィが背中を向けていた。
「ん」
「……は?」
ティオを受け取れと言いたいようだ。
「何で俺なんだよ……」
文句を言いながらも、ゾロはティオを受け取り、いつものように抱っこする。
「よォ~し、出来たァ! ブルック、布団かけろォ!」
「ヨホホッ、了解で~す!」
ようやく、フランキーお手製の、10人掛けのこたつが完成したらしい。
ブルックが、用意していた細長いこたつ布団をかけた。
コーラエネルギーによる電気で、熱源が温まり始める。
「へぇ~っ、これがコタツかぁ~!」
「おっ、あったけぇぞ!」
「いいなぁコレ!」
早速、ルフィやウソップ、チョッパーが潜り込んだ。
そこへ、サンジが鍋を持ってくる。
「さぁ、準備できたぞ」
こたつの上にコンロが2つ置かれ、鍋が乗せられる。
「うほほ~っ、うまそ~ぉ!」
一味は嬉々として、鍋を囲んだ。
ゾロも、こたつに入って、隣にティオを寝かせる。
「こらルフィ! 鍋から
「ちゃんと器に盛ってから食えよ!」
「ぅんめぇ~!」
「「聞けぇ!」」
騒がしい鍋パーティが始まった。
ゾロは自分の分を確保しつつ、この騒ぎでも目を覚まさないティオの頭を、軽く叩く。
「おい、いい加減起きろ」
「……ん…ぅ……」
ティオはイヤイヤと首を振り、こたつ布団に身を埋めるだけ。
「……ったく」
ため息をつくと、背後で、早くも鍋の具材のおかわりを持ってきたサンジが言った。
「寝かしといてやれ。夜食は作っておく」
ゾロはチラリとサンジを見て、視線を逸らした。
「……フン」
夜も深まってくると、ファンタジップは底冷えするような寒さに包まれていった。
その船内に格納されているサニー号にも、寒さは忍び寄ってくる。
けれど……
「はぁ~~……この『こたつ』ってのを発明した奴ァ天才だぁ……」
「あったけ~……」
「しあわせ~……」
サニー号のキッチンに設置されたこたつにより、麦わら一味は快適な夜を過ごしていた。
「んぁ、鍋の具がねぇぞ。お~いサンジ~」
ルフィがサンジにおかわりを注文する。が……
「自分で行け」
珍しく怠けてしまったサンジは、動こうとしない。
その隣で、飲み物のグラスを傾けるウソップだったが、中身はカラ。
「あ、なくなっちまってた」
冷蔵庫まで取りに行こうかと思い至るが、寒くて出たくない。
「んぁ~っ、おれ、だんだん暑くなってきたぞ」
チョッパーがもそもそとこたつから出る。
「あっつくて喉かわいちまった」
べろーんと舌を出して、トボトボと冷蔵庫へ歩いていくチョッパー。
ウソップがすかさず声を掛けた。
「チョッパー、俺の分も頼む~」
「んぇ?」
すると、他の仲間たちも矢継ぎ早に頼みごとを始めた。
「あたしも飲み物お願~い」
「チョッパー、コーラもう1本頼まァ」
「あ、私、牛乳お願いしてもいいですか?」
「チョッパー! そこにある鍋の具、全部持ってきてくれ~!」
「自分で取りに来いよ!」
こたつは、見事に麦わら一味を骨抜きにしてしまった……
そんな頼みごと連鎖を、読書の傍らに聞いていたロビンは、ふと、隣を見やった。
「あら、ふふふっ」
妙に静かだなと思っていたら、案の定。
ティオの隣に、いつの間にかゾロも寝転んでいて、2人一緒に眠っていた。
……それから。
翌日の昼前まで、麦わら一味はこたつから出てこなかったそうな。
※ 次ページ おまけイラスト
このお話を妄想するきっかけになった
イラストです。
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