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番外. ファンタジップ
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ルフィの一言で、サニー号は『ファンタジップ』へと向かった。
「はぁ~、近づいてみるとホントでけぇな」
「ヨホホホッ、立派な船ですね~」
「帆船ではなさそうね。どんな動力で動いているのかしら」
「造った奴ァなかなかの腕だな。23年前に作られたとは思えねぇ……」
「つねに、あたらしい、ぞうせんぎじゅつ、くみこんで、ちょっとずつ、つくり、かえてる、から」
「ほ~ォ、なるほどな」
「……ん、3つ、あき、ある。はいれる」
「空き?」
「ふね、とめておく、ばしょ。1せきずつ、ていねいに、かくのう、してくれる」
ティオが指さす先を見れば、船の側面に、赤いランプと緑のランプが1セットになって、ずらりと並んでいる。
ほとんどは、赤いランプの方が点灯しているが、3つだけ、緑のランプが点灯している箇所があった。
その緑のランプが点灯している箇所が、シャッターのように開く。
中では、従業員らしきスーツの男が、ぺこりと頭を下げていた。
サニー号は舵を切り、その格納庫へ入る。
作業着を着た男たちが何人か出てきて、サニー号に、クレーンで吊り上げる装置を取り付け始めた。
碇が降ろせない上に、ファンタジップが動き回っているため、船を吊り上げておかなければ危険なのだ。
一味は船を降りて、案内人の元へ歩み寄る。
「ようこそファンタジップへ! 麦わら海賊団御一行様ですね?」
サンジのグル眉がぴくっと動いた。
「何だ、俺たちのこと知ってんのか?」
「それはもう、皆さま有名人でいらっしゃいますから。ささ、どうぞこちらへ」
格納庫からファンタジップ船内へ、廊下が続いている。
高価そうな装飾がちりばめられた燭台が、壁に等間隔に取りつけられていた。
床には長~いレッドカーペット。
案内の男に従い、麦わら一味は、豪勢な廊下を歩いた。
「皆さま、当船は初めてでございますか?」
ティオが答える。
「1ねんまえ、きたこと、ある」
「おや、左様でございましたか! ご贔屓にして頂き、誠にありがとうございます!」
ウソップがまばたきを繰り返して、ティオを見下ろした。
「意外だな。お前もこういうとこ来るのか」
「ぐうぜん、このふね、かいぐんほんぶ、ちかく、きたとき、くざん、と、きた」
「クザン……ってあの海軍大将とぉ!?」
「え、うそっ、そういう人なのっ?」
「きょうみ、ほんい、だった。うわさ、の、ふね、どんなの、かな、って。ひととおり、みたけど、けっきょく、あそばずに、さいじょうかい、で、ひるね、してた」
「意味ねぇじゃん……」
「(コクン)」
「つーか、お前ってあの大将とそんなに仲良かったのか?」
「(コクン) …かいぐんほんぶ、いってから、てぃお、4ねんかん、ずっと、くざんと、いっしょ、いた」
「そうなのか!?」
「(コクン) …そだて、の、おや、みたいな」
「……なんか、想像出来るような出来ないような……」
「さすが、に、ここ、じてんしゃで、きたのは、おどろかれた」
「そりゃそうだろ……」
案内係が目を見開いた。
「おや! ではあの時の、自転車のお客様のお連れ様でしたか! いやはや、自転車が海を駆け抜ける信じがたい光景、今もこの目に焼き付いておりますよ!」
「……ん? 待てよ? その時も、この船には海賊が居たんだよな? 捕まえたりはしなかったのか?」
「しなかった。くざん、せかいいち、だらけた、かいへい、だから」
「それでいいのかよ、海兵として……」
「どうせ、このあたり、ぐんかん、いっぱいいる。なにも、しなくても、つかまえて、くれる」
「あぁそっか。……って、それ俺たちもやべぇんじゃねぇの!?」
「てぃお、の、たんちのうりょく、なめる、な」
キラーンと、青い瞳が光った。
「そーでしたね……」
長かった廊下も、終わりが見えてきて、ざわざわと喧騒が聞こえてきた。
案内人が満面の笑みで振り返る。
「一度ご乗船頂いているのであれば、詳しいご案内は不要でしょうかね。どこか、ご希望の階層はございますか?」
「「「階層?」」」
「この、ふね、かい、ごとに、ごらく、しゅるい、わかれてる」
ティオは案内人を見上げた。
「1かい、で、ぱんふれっと、もらう。あとは、じぶんたちで、すきなとこ、いく」
「承知致しました。では、1階のインフォメーションブースまでお送り致します」
案内人に従い、麦わら一味は1階フロアに足を踏み入れた。
一般人だか海賊だか、よく分からない人々でごった返している。
ルフィがピョンピョン飛び跳ねた。
「うっひょ~ぉ! たぁのしそ~ぉ!」
フランキーやゾロも、ニヤリと笑みを浮かべる。
「こりゃスゲェ、船の中とは思えねぇ解放感だ」
「酒も種類がありそうだな」
一味は、インフォメーションブースに通された。
「それでは、ワタクシはここで。また下船の際にご案内させて頂きますので、こちらのインフォメーションブースにて、下船する旨をお伝えください」
案内人は深々と頭を下げ、去っていった。
「うほほっ、何だアレ! 行こう「ちょっと待ちなさいルフィ!」
放っておけば、今にも飛び出しそうなルフィの首根っこを、ナミが掴んだ。
そのまま、ロビンが開いたパンフレットを覗き込む。
「ふふっ、1日では全て回りきれないわね」
「えーと? 1階はアウトドアスポーツフロアで、2階はインドアスポーツ、3階がフード……あら、7階はエステ・サロンフロアじゃな~い!」
ティオがナミに、パンフレットとは別のチラシを見せる。
「きょう、の、あうとどあ、すぽーつ、たいかい、だって」
「ん、アウトドアスポーツ大会?」
【最速は誰だ! 150m短距離走!】
<賞金額>
1位:100万ベリー
2位:50万ベリー
3位:25万ベリー
4位:10万ベリー
5位:5万ベリー
参加費:1人1万ベリー
ルールは簡単!
スタートからゴールまで駆け抜けるだけ!
相手への妨害、道具の使用、コースアウトは反則。
自分の身体能力だけで、ゴールを目指してください!
さあ、自慢の脚力を見せつけろ!
……こんなおいしい話に、ナミが黙っているはずがない。
「出るわよ全員で!」
「「「ええーーっ!?」」」
「そんな強引なナミさんも素敵だァ~!」
「1万ベリーで100万ベリーの札束を買うようなものよ~? うふふ、うふふふっ」
ナミの目は、完全にベリーになっていた。
「おいナミ~、まだか~? 早く祭り行きてぇよ~」
「ルフィ、これに出るわよ!」
「んぉ?」
ナミはルフィにチラシを見せた。
「150mのかけっこよ! 1位から5位には賞金が出るわ! うちで賞金全部頂くわよ!」
「へぇ~かけっこか! 面白そうだな!」
「なみちゃん、えんとりー、もうすぐ、しめきり。いそいで」
「えっ、うそ! どっち!?」
「あっち」
「分かったわっ、ほらみんな! 行くわよ!」
「おーう!」
「「「へ~い……」」」
「ふふふっ」
やる気満々だったり、そうではなかったり。
一味はティオの指さす方へ走っていった。