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30. 命を賭して
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『まだ微かでも、息はあるのか?』
「さぁ」
『生きてさえいれば、回復を待ち、ひとまず七武海の続投を願いたい所。措置についてはその後だ。……そう次々落ちて貰っては、七武海の名が威厳を失う。この情報は世間に流すべきではない。まったく困った奴らだ』
麦わら一味の異変に気付いたのか、ローリング海賊団も近づいてきた。
大男を見て、ローラは青ざめる。
「あれは……暴君、バーソロミュー・くまっ」
大男・くまは、こちらに脇目もふらず、目の前のティオすら見ることなく、電伝虫の相手と話し続けている。
『私の言っている意味は分かるな? モリアの敗北に目撃者が居てはならない。世界政府より特命を下す。麦わらの一味を含む、その島に残る者たち全員を、抹殺せよ』
「
「「「 !? 」」」
「え……今、抹殺って……」
「んな馬鹿なことって……」
『では、報告を待っているぞ』
"ガチャッ"
……電伝虫は、切れた。
くまはゆっくり立ち上がる。
「……それで? お前はそこで俺を睨みつけて、何を探っていた」
くまの意識の矛先は、ティオに向いた。
「てき、か、どうか、さぐってた」
「探るまでもないだろう」
ティオは首を横に振る。
「てきい、かんじない。だから、さぐった」
「……青いな」
「?」
「敵意は無くとも、殺すことは出来る」
「!」
ティオは仲間たちの方を向いた。
「にげて! こいつのっ、のうりょくは「そこまでだ」
"トンッ………ドヒュッ
ドゴォッ!"
一瞬、だった。
くまが背後に現れると同時、ティオは音速を超えて吹き飛ばされていた。
「ティオ!?」
「ティオちゃん!」
一味の足元の瓦礫に、力なく横たわったティオ。
意識は既に無く、口から血が垂れていた。
チョッパーが慌てて駆け寄る。
「しっかりしろっ、ティオ!」
仲間たちは、身の毛がよだつ感覚を感じながら、"敵"を見た。
「相手の行動を読めるはずのティオが、よけられなかった……」
「そんだけ速ぇってことか……」
ナミが叫んだ。
「気をつけて! アイツ何かの能力者よ! アイツが手で触れた人間が、消える所を見た!」
「消える!? けど、ティオはただ吹き飛ばされただけで……」
「それが同じ攻撃によるものかは分からねぇだろ」
話しているうちに、パッとクマが消える。
「え……?」
「あれ……?」
「「「うわあああっ!!」」」
くまはいつの間にか、ローリング海賊団の背後に居た。
「デケェっ」
「いつの間に!?」
「くそっ、やっと自由になれたってのにっ」
「こんな所で死んでたまるかァ!」
「やっちまえ!」
「「「おおおおおっ!!」」」
ローラは慌てて叫んだ。
「やめなお前たち! 相手が悪すぎる!」
くまは表情を変えず、ただ、手袋を外した右手を、海賊団の1人に当てた。
それだけで……
"ボゴォンッ!"
触れられた1人の、直線上にいた3人が同時に吹き飛ぶ。
「なっ、何だ!?」
「何かが貫通したのか!?」
ティオの傍に膝をついていたロビンが、努めて冷静に言う。
「彼の掌にある、肉球が関係してるんじゃないかしら。今弾かれた4人にも、ティオの体にも、肉球の痕がついてるわ」
くまは、唐突に口を開いた。
「海賊狩りのゾロ」
ゾロは眉をぴくっと動かす。
「まずはお前から始めようか」
「……」
ローラを始め、ローリング海賊団は、武器を構えた。
「酷い仕打ちじゃないの。何年も暗い森でモリアの支配に耐えたっていうのに、喜びも束の間、七武海がもう1人現れて、私らを全員殺すだなんて」
「そうだそうだ! 汚ねぇぞチクショー! 麦わらたちが今っ、どれ程の戦いを終えた後なのかっ、知らねぇわけじゃあるめぇ!」
「多少分が悪くても、元気の余ってる俺らが相手だ!」
「七武海が何だってんだ! オメェなんかさっきのオーズやモリアに比べりゃ、デカくも何ともねぇ!」
口々に叫ぶローリング海賊団を、ゾロが一喝する。
「いいから下がってろお前ら。ご指名は俺だ。聞こえなかったのか」
その気迫に、全員黙り込む。
「喧嘩は買った。加勢はいらねぇ。……恥かかせんじゃねぇよ」