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30. 命を賭して
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「かっ、影が戻るぞォォ!」
ローリング海賊団が歓喜に沸く。
そこへ……
「やべぇ、朝日だっ」
日の光が差し込んできた。
"ボウッ"
ゾロ、サンジ、ロビンの頭が燃え始める。
ウソップとチョッパーが叫んだ。
「「うわああああっ!」」
ローラも慌てる。
「影! ちょっと早く!」
……そんなことを言われても。
「ややややべぇって! 体が消滅してく!」
「ああああティオーっ! 何か方法ねぇのかよォォォ!」
「うぅ……ひっぱら、ない、で……」
「何とかしてくれティオ~~~っ!」
「てぃお、ばんのう、じゃ、ない、それに」
「「うわあああんっティオ~~!」」
「……うるさい」
「何でそんな落ち着いてんだよォ!」
「だって、だいじょぶ、だから。……ほら」
ティオは、影を奪われている3人の足元を指さした。
シュルシュルと、影が戻っていく。
そして……
"ボッ!"
まるでロウソクに火がつくように。
3人の体は、一瞬で元に戻った。
「「……ふぇ?」」
「お、戻ったか」
ゾロはケロっとした顔で、手を握ったり開いたりする。
「はっはっはっはっ、いや~、生きてたな」
ロビンはふふふっと笑った。
「一瞬、天に昇る気持ちだったわ」
そんなロビンにサンジはメロリン。
「それもいいな~っ! ロビンちゃんとなら、一緒に天に昇りたぁい!」
ウソップが怒鳴り散らす。
「笑い事かアホ共! 本気で死んだかと思ったわ! 頭スッ飛んでたんだぞ!」
ロビンは冷静に分析した。
「モリアが影を変化させて、実体の形を変えていたのと同じね。影が戻ったから、実体も元に戻ったのよ」
チョッパーはローリング海賊団を見た。
朝日を浴びて、騒いでいる。
「あっちも、みんな無事みたいだ」
麦わら一味は、やっと終わった戦いにため息をつき、その場に腰を降ろした。
ドッと疲れが押し寄せる。
「ハァ~~……怖いモン見た……」
そこに……
「もし、そこの……」
ゾンビらしき男が近づいてきた。
ウソップが飛び跳ねる。
「ぅぉおっ!? まだ影が抜けてねぇゾンビがいやがったのか!」
「いや、大怪我した年寄りじゃ」
「紛らわしいな! ゾンビでいいだろもう!」
サンジが新しいタバコの煙を吹きながら、眉をぴくっと上げる。
「墓場で会ったおっさんじゃねぇか」
「……信じられん。また、太陽の下をこうして歩けるなんて……ありがとう。どうお礼をすれば良いか……」
そこへ……
「スポイルじいさん!」
「じいさ~ん!」
「被害者の会・名誉会長!」
ローリング海賊団が走って来た。
そして、麦わら一味の前に集まる。
「アンタたち! 礼が遅れたわね!」
「俺たちも心底感謝してるぜ! 色々とちょっかい出してすまなかったな!」
「オメェらの暴れっぷりを見て、賭けるならコイツらだと勝手に希望をかけたんだ!」
ローラが、ドッ、と膝をつく。
倣って、部下たちも全員膝をついた。
「ありがとう! アンタたち! スリラーバーク被害者の会一同! この恩は決して忘れないわ!」
「「「ありがとうございました!」」」
全員揃って、深々と頭を下げる。
そして、ローラは言った。
「お礼に私をお嫁にあげる!」
一味の男たちは揃って答える。
「「「いらん」」」
ゾロが眠そうな目で、黒手拭いを外し、腕に巻いた。
「礼を言われてもな。ルフィが言ったよなぁ? 俺たちは俺たちの都合で戦っただけだ」
「特にアンタ! 結婚しない!?」
「お前ら、ついでに助かっただけだ」
"スパァンッ!"
「ぶっ!?」
ナミがゾロを殴り飛ばした。
「何言ってんのよ! せっかくお礼したいって人たちに!」
「そうだぜ海賊狩りの兄ちゃん!」
「何かさせてくれ!」
「でしょ~!?」
ベリーに変わるナミの目に、ウソップは半目になる。
「お前なぁ……」
そこで、ローラが1つ思い出した。
「そういや、まだ点呼をとってなかったね。万が一にも消えちまった奴がいないか確認しないと……。済まないけど、礼はその後でもいいかい?」
「え~ぇぜ~んぜん構わないわよぉ?」
「……ホントたくましいわ、お前……」
ローリング海賊団は一旦、点呼のために離れていった。
麦わら一味は、再びふっと息をつく。
フランキーが、瓦礫の中から引っ張り出してきたルフィを、一味の真ん中に寝かせた。
限界まで戦ったため、案の定、気絶中だ。
チョッパーがすぐさま治療を始めた。
……それを眺めながら、ウソップが長いため息をつく。
「とにかく、誰も消えずに済んで良かった」
「ハァ~、コーラねぇか? 疲れと眠気がドッと襲ってきたぜ……」
サンジがタバコの煙を吹く。
「この島に入ってからの奇妙な生物や出来事は、全てモリアの見せた幻だ。アイツが倒れた今、この島には何も残っちゃいねぇ……。
「……そうね」
治療されているルフィを見て、ゾロが訊く。
「そういや、ルフィの奴、さっき縮んでなかったか?」
チョッパーが包帯を巻きながら答えた。
「ギア3rdを使うと、使った時間、反動で縮むんだって……」
ウソップが俯く。
「……ルフィの新しい戦闘法、体に負担かけ過ぎじゃねぇか? この先の敵がもっと強力になるとしたら、コイツはずっと無茶を続けることになる。……俺は心配だ。さっきモリアが、今の俺らじゃ新世界では力不足だっつってたよな。ティオもそうだって言………あれ? そういやティオは?」
一味の視線は、一斉にゾロに向いた。
「何で俺を見てんだよ!」
「いや、いつも一緒だし?」
「ティオ~? どこ~?」
ナミが辺りを見渡しながら、呼んだ。
すると……
「!」
モリアを押し潰した建物の上に、しばらく忘れていた姿を見つける。
「あ……とんでもないこと、忘れてた……」
サァっと青ざめるナミ。
「どうしたの、ナミさん」
『
「「「 !? 」」」
……聞こえた、機械音声。
おそらく電伝虫を通した声。
一味は、その声が聞こえた方へ向いた。
『悪い予感が的中したというわけか』
「そのようで」
建物の上で、大男が電伝虫で会話している。
そして、その目の前には……
「え、あれ、ティオ!?」
ティオが立っていた。
じっと、大男を見据えている。
その瞳に浮かんでいるのは、警戒の色。
『やっとクロコダイルの後任が決まったところだというのに……また1つ、七武海に穴を開けるのはマズイ』
ナミは、一度見たことのあるその姿に、これでもかと青ざめた。
ウソップが戸惑いながら訊く。
「お、おい、あれ誰なんだ……?」
ナミが震えながら口を開いた。
「……落ち着いて聞いてよ? モリアたちとの戦いの中で、言いそびれたんだけど……この島にはもう1人いたの。七武海が」
「なっ、七武海!?」
ウソップは一気に青ざめた。