夢主の名前を決めて下さい。
29. VSオーズ戦
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ローリング海賊団はあんぐりと口を開けた。
「や、った……」
「「やったァァァ!!」」
「ついにやったぞ!」
「あの巨体ゾンビを倒したァ!」
「今度こそ勝ったァァ!」
「ありがとうお前ら! 最高だァァ!」
「やっぱり希望の星だァァ!」
「……って、ええええっ!?」
「「「 小っさ!! 」」」
今回の一番の功労者、ルフィに駆け寄ったローリング海賊団だったが、そこに居たのは、チョッパーと同じサイズに縮んだルフィだった。
「オメェ、何で縮んでんだ?」
「影100人も入るし、相変わらず不思議な奴だなぁ……」
「まぁ何にしても、俺らの命の恩人だ!」
「ありがとう麦わら!」
……歓喜に沸くローリング海賊団。
そこへ、ウソップが鬼気迫る顔で叫んだ。
「おい! 早くお前らの影を取り戻せ! 喜んでる場合か! テメェら全員消滅しちまうぞ!」
ローリング海賊団はハっとする。
「そ、そうだった!」
「影がまだだ!」
「急げ!」
ローラが部下を引き連れ、オーズの元へ駆け出した。
「さぁ! モリアを叩き起こして、影を返してもらうわよ!」
すると……
「起こすにゃ及ばねぇ……」
「「「 !? 」」」
オーズの腹から、モリアが出てきた。
ローラは怖気づきながらも、声を張る。
「……めっ……目を覚ましたのなら丁度いいわ! 早く全ての影を解放しなさい!」
部下たちも加勢する。
「そっ、そうだそうだ!」
「また麦わらたちにブチのめされたいか!」
モリアは荒い息をつきながらも、全く動じない。
「キシシ、ガキの喧嘩じゃあるめぇし。本物の海賊には、死さえ脅しにならねぇ」
「なっ……」
「麦わらの過剰なパワーアップの正体は、オメェら"森の負け犬"共の仕業か。この俺の能力を利用するとは
「う、うっさいわよ! さっさと影返しなさいって言ってんの!」
モリアはローラを無視し、ルフィに目を向ける。
「麦わらァ……テメェよくも、俺のスリラーバークを滅茶苦茶にしてくれたな」
ルフィは小さいまま、堂々と言い切った。
「お前が俺たちの航海の邪魔するからだ! 日が差す前に、さっさと影を返せ!」
モリアはフンと鼻で笑う。
「航海を続けても、テメェらの力量じゃ死ぬだけだ……。"新世界"には遠く及ばねぇ。筋のいい部下も揃ってるようだが、全て失う!」
今度は、視線をルフィからティオに移した。
「なぁ、お前、分かってるんだろう? 知ってるよなァ、この先の海に、どんな奴らがいるかってことを! 今のコイツらじゃ圧倒的に力不足だと、分かっているはずだよなァ!」
ティオはじっとモリアを見返す。
麦わら一味の視線も、自然とティオに集まった。
「ゆった、な? "いまのこいつら"って。いまは、まだ、ぜんぜん、たりない。……でも、だれひとり、せいちょう、とめない」
ティオは青い瞳に炎を灯した。
「るふぃ、は、かいぞくおう、なるの。おまえと、いっしょ、するな」
堂々と啖呵を切ったティオを、モリアは見下ろし、笑う。
「キシシシシッ、甘いな、甘すぎだ! ……俺は体験から答えを出したぞ。大きく名を馳せた有能な部下たちを、何故失ったか!」
"ヒュヒュヒュヒュヒュッ!"
モリアの足元から、無数のひも状の影が飛び出す。
「仲間なんざ生きてるから失うんだ! 全員が初めから死んでいるゾンビなら、何も失うものはねぇ! 例え浄化されても、代えの利く無限の兵士! 俺はこの死者の軍団で、再び海賊王の座を狙う! テメェらは、影で俺の部下になれることを幸せに思え!」
ひも状の影が、四方八方へ駆けて行く。
ナミは足元を走る影を見下ろし、青ざめた。
「ちょっ、何なのよっ」
ティオが答える。
「しまじゅうの、かげ、あつめてる。るふぃが、さっき、したこと、と、おなじ、こと、する、き」
ひも状の影を伝って、モリアに影が注ぎ込まれていく。
「麦わらァ、お前が取り込んだ影は100体だったよなぁ?」
モリアの体が膨らみ始めた。
「ならば俺は、200……300……600……700……」
巨人族のように巨大になったモリアに、ローリング海賊団は唖然として青ざめた。
「キシシシッ、1000体だ!」
「「「うわああああっ!!」」」
「ウソだろォっ!?」
「終わった……」
「何だよありゃ!」
「もう夜は明けてんだぞ!」
「100体入れた麦わらが、オーズをものともしなかったと考えると……」
「その10倍!?」
「やっぱり能力者本人だと、容量がケタ違いなのか!?」
「もうダメだああああっ!!」
……騒ぎ立てるローリング海賊団。
その喧騒の中で、ルフィは聴いた。
「う……っ、おえっ……」
モリアが吐きそうな声を出しているのを。
「……」
まだ可能性はある。
そう確信した。
ローリング海賊団は一目散に逃げ出す。
「やべぇぞ逃げろォォ!」
「森へ! 早く!」
「今度こそ本当に終わりだァ!」
「……あれ? ローラ船長!?」
船長の姿がないことに気づき、リスキー兄弟が立ち止まった。
「何してんすか! そこはもう日ィ当たりますよ!?」
「……アンタたちはお逃げ」
「へ……? 何言ってんすか! 船長も一緒に逃げないと!」
「私は責任者よ。この賭けのね。……見てごらんなさい、アレを」
「「「 ? 」」」
言われた通り目を向ければ、そこには凛々しく立ち続けている、麦わら一味。
「誰一人、微動だにしてないわ。アイツらだって影奪われてるのに」
「んなっ、まさかっ、まだ勝てる気で!?」
「アイツらが勝機を捨ててないのなら、私もここを動かない。勝手気ままに"希望の星"と期待しといて、ピンチになったらトンズラじゃあ、私らそこらの、虫けらか何かだよ」
「で、でもこの状況じゃ……」
「アンタたちは逃げな。船長の私がここに残れば、仁義は通せる。……命を大事にね」
"ボォッ"
ローラの顔に日の光が当たり、燃え始めた。
「うわああっ! ローラ船長!」
「早く影へ!」
「いいんだよ! 人の肩に希望をかけるってのは、こういうことさ!」
「「船長……」」
立ちはだかるモリアを前に、ルフィは仲間たちに言った。
「みんな! もう時間がねぇ。ちょっと無茶するからよ、後のことは頼む!」
そして、ギア2ndを発動した。
フランキーとウソップが声を張って答える。
「よォし、俺にスーパ~任せとけ」
「ぶっ飛ばせルフィ!」
ゾロとロビンは冷静にモリアを見据える。
「ありゃ暴走に近いな……制御し切れてねぇ」
「怒りと愚かなプライドで、自分を図り損ねたようね」
ルフィは拳を握り、モリアを見据えた。
「悪夢を見たきゃ勝手に見てろ、モリア! 俺はお前に、付き合う気はねぇ!!」
→ 30. 命を賭して
9/9ページ