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29. VSオーズ戦
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「なっ、なっ、オーズがまた立ち上がっただとォォォ!?」
「あれだけ攻撃を受けりゃ、もう体は動かねぇんじゃねぇのかよ!」
「何てこった……麦わらが俺たちの最後の切り札だったのに……」
「畜生……っ」
ローリング海賊団ひとりひとりの目に、涙が浮かぶ。
「……やっぱりゾンビには、力じゃ勝ち目がねぇんだっ」
「不死身なんだ、本当にコイツらっ」
「もうリミットだ……今日も夜が明ける……。俺たちはこの闇の暮らしから、二度と抜け出せねぇんだ!」
「諦めようっ……ここに居たって、俺たちゃ死ぬだけだっ」
「急いで森へ! 朝日が当たっちまう!」
誰もが戦意を喪失し、森の方へ振り返った。
―――そのとき。
"ザッ…"
「「「 ! 」」」
全員の前に、凛々しく立つ人影があった。
「お、オメェ……」
その人影は、刀を抜き、みなぎる闘志を瞳に宿らせ、オーズを見据えた。
「……ルフィに何が起きたか知らねぇが、充分な追い込みだ」
「んなっ、海賊狩り!?」
「お、おいちょっとアンタ! そんな大怪我した体で動いちゃ死んじまうよ!」
「あの巨体の攻撃を受けてまだ立つのかっ」
「もうどっちがゾンビか分かりゃしない!」
「ん、あれ? おいっ、こっちに避難させといた麦わらの一味、どこ行った!?」
「は!? 知らねぇよ! 意識もねぇのに勝手に動くわけねぇだろ!」
「あれ!? ここにいた鼻のアンちゃんと、オレンジの姉ちゃんも居ねぇ!」
「まさか、逸早く逃げたんじゃ……」
"ドンッ"
「「「 !? 」」」
音に驚いて振り返れば、ルフィが地面に拳をつき、起き上がろうとしている。
「ぇえっ!? 麦わらァ!?」
「お前動けんのか!?」
「……はぁっ……はぁっ……もうちょっと、足りなかったな……くそぉ、やっぱ影入れんのは疲れた……ロビン!」
「えぇ、居るわよ」
「どえっ!? 黒髪の姉ちゃん!?」
ルフィは近場の建物の頂上を見て、言った。
「上へ飛びてぇんだっ」
「分かったわ。足場を作りましょう」
"カタタ…"
「あの……私にも何か、出来ることがあれば」
「うわあっ! 白骨死体が動いたァァ!」
「何でェェェ!?」
ルフィはブルックに頷いて見せる。
「よし、ブルック、頼みがある!」
「はい、何でもお任せ下さい」
そこへ……
「フフ、そう来ると思った」
「うおっ!? オレンジの姉ちゃん!」
「もう全員、サポート体勢に入ってるわ」
ローリング海賊団のリスキー兄弟は、ハっとした。
「コイツらまさかっ、逃げたなんてとんでもない! オーズが立ち上がった瞬間からっ、迎撃の準備を始めてたんだ!」
すると、ナミがクリマ・タクトで肩をポンポン叩きながら、眉をひそめる。
「何言ってんのよ。敵が立ち上がった瞬間からじゃ間に合わないでしょーが」
「「「へ……?」」」
ならば、いつから……?
疑問符を浮かべるローリング海賊団に、ナミは不敵な笑みを浮かべ、オーズの頭の辺りを見た。
「ナメんじゃないわよ? ウチの諜報員」
ナミの視線を追って、一行が振り向けば……
"ドスッ、ベシンッ、ドゴッ、バシッ"
「このっ、コイツっ、当たらねぇっ」
オーズが何かを捕まえようと、自分の体や近くの壁を叩いていた。
……よく見ると、時折、金色の長い髪が煌めいている。
「アレってまさかっ、あの小っさい金髪の嬢ちゃん!?」
「何だっ!? まるで木の葉みてぇにオーズの攻撃をよけてやがる……」
「何者だ!?」
ナミは空を見上げ、空気の状態を読みながら言った。
「ティオはルフィと一緒にここに来たあと、この場所の記憶を読んで、チョッパーが見つけたオーズの死因から、最悪の事態を想定した作戦を練っていたのよ。そして、ルフィの体から影が抜け始めたとき、仲間を全員叩き起こして、頭に作戦を流し込んだってわけ。まだ終わってない、って、メッセージ付きでね」
ローリング海賊団は唖然とした。
「し、信じられねぇ……コイツら、微塵も諦めてねぇ!」
ゾロが振り返り、怒鳴った。
「おいテメェら!邪魔だ!どいてろ!」
「「「お、お言葉に甘えまして!」」」
ローリング海賊団は、離れたところへ駆け出した。
ロビンが腕を交差させる。
「
建物に、足場が咲いた。
「ヨホホホホホッ!」
ルフィを抱えたブルックが、その足場を上っていく。
それに気づいたオーズ。
「んぁ? 待て、どこに……」
「よそみ、するな」
"ガンッ"
「うがっ、目ぇ蹴りやがったなっ」
ティオはオーズの近くを跳び回り、注意を自分に向けさせる。
「このっ、コイツっ」
その間に……
"モクモクモクモク…"
オーズの頭上に、雲が出来た。
「天候は"雨"、
"サァァー……"
オーズの真上だけ、雨が降り出す。
「んぁ? 雨か?」
それを待っていたかのように……
「よォし、
"ドゴォッ!"
建物の壁が破壊された。
「ウソップ! 目いっぱい回せぇ!」
「おう! 回す~~~!」
ウソップがハンドルを回すと、何かの機械が動き出す。
フランキーが、巨大なホースをオーズの足元に向けた。
「発射! 特大冷凍庫の冷気砲だァ!」
"ブシュウゥゥ……パキキッ"
ナミの降らせた雨が、オーズの足元を凍らせた。
「のわっ、凍った! 動けねぇ!」
そこへ矢継ぎ早のように……
「次はこっちだ!」
"ヴォンッ……ガシィッ!"
サンジが、スリラーバークの舵である、巨大な鎖を蹴り飛ばし、オーズの左肩から右脇腹まで引っ掛けた。
チョッパーが叫ぶ。
「やったァ! スゲェぞサンジ!」
「どうも」
その頃、ちょうど建物の頂上に上り詰めたブルック。
「投げろブルック!」
「ホントにいいんですか!?」
「大丈夫だ! 俺はゴムだからな!」
「では、お気をつけて!」
ブルックは、ルフィを思いっきりオーズの真上へ投げ落とした。
「ギア
ぷくっと、ルフィの両腕が大きくなる。
チョッパーが叫んだ。
「ゾロ! オーズの腹を引かせて!」
ゾロは三本目の刀を口にくわえる。
「任せとけ」
二本の刀が、風車のように回った。
「三刀流・奥義―――三千世界!」
"ドゴォォンッ!"
「ぐぼぁっ!?」
その瞬間を逃さず、サンジが舵のレバーを引く。
「今だな」
"ガコンッ、ガラララッ"
「ぅぉおっ?」
鎖が引っ張られ、オーズは
「よしっ、オーズの背骨が真っ直ぐになったぞ!」
チョッパーが拳を握る。
「人間の背骨は本来、S字に曲がることで衝撃や重さを和らげる構造になってる。それが真っ直ぐに伸びきった場合、衝撃の逃げ場はなくなり、全てのダメージを受けることになるんだ!」
ナミが叫んだ。
「行って! ルフィ!」
降ってくるルフィを確認し、ティオはオーズから離れる。
もう注意を引く必要は無い。
「特大のバズーカをくらえ!」
オーズはルフィを見上げ、フンと鼻を鳴らした。
「そんなもん、こっちもバズーカで打ち返してやる!」
そして右腕を振り抜こうとするが……
「ぇあ? あれ?」
右腕はぴくりとも動かない。
ロビンが冷静に呟いた。
「ダメージに気づかないのは、ゾンビの弱点ね」
ゾロが刀を納めながら言う。
「テメェの影だ、ケジメつけろ、ルフィ」
「ゴムゴムのォ……」
ルフィは膨らませた両手を、オーズの顔面目掛けて放った。
「
"ボゴォンッ!"
強い衝撃波と、砕ける背骨の音。