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29. VSオーズ戦
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「ぜぇっ、ぜぇっ、待ちやがれモリア!」
一味が必死でオーズと戦っている頃。
森の中では、ルフィがモリアと思しき姿を追いかけ回していた。
そこに……
"バサッ"
「るふぃ」
ティオが合流する。
「はぁっ、んぁ? おう、ティオか!」
「なに、してる、の?」
「はぁっ、はぁっ、 何って、ぜぇっ、モリアを、追っかけて……」
「もりあ、って、あれの、こと?」
「は? 当たり前だろ! なぁに言ってん―――」
ふと、ティオからモリアに視線を戻すと……
「どぇあっ!?」
モリアはいつの間にか、全身真っ黒の影になっていた。
走りながら、此方を振り返って笑っている。
「んなにいいっ!? 影と入れ替わっちまってるぅぅ!?」
ティオはルフィの肩にとまり、ため息をついた。
「……ほんと、だまし、よわい、ね」
「しまったァァ! 騙されてたァァ!」
モリアの影は、くるんと形を変えて、主の元へ飛び去っていく。
「あっ、待てコラァ!」
ルフィは慌ててUターンして追いかけた。
……が、空を飛べる影に追いつける訳もない。
「はぁっ、はぁっ、ちくしょー……っ」
ティオは、ポンっと音をさせて、
「どん、まい」
言って、ルフィの頬にもふもふと触れた。
「は~~まいった……ヤベェな、みんなの影は俺が取り返すって言ったのに、このまま朝になっちまったら、影
「(コクン) …るふぃ、と、ぞろと、さんじ、くん、あぶない」
「ティオ、モリアのとこへ案内してくれ!」
「もち。そのため、ここ、きた」
ティオはルフィの頭の上によじ登り、最短ルートを頭の中に流し込む。
「うおっ、すっげぇ! 道が分かるぞ!」
ルフィは頭に浮かんだ道順通り、森の中を走り出した。
これは、いつもティオがゾロにしている、方向意識の部分洗脳だ。
ルフィの単純脳なら、混乱することはまず無いだろう。
「……?」
突然、ティオはピクっと眉を動かした。
「るふぃ、とまって」
「ん、どした?」
ルフィが立ち止まると、ティオは辺りを見渡し、ルフィの頭から飛び降りる。
"ボンッ"
人の姿に戻って、ルフィの前に立った。
「てぃお、たち、いそいでる。はなし、あるなら、はやく、でてくるの」
少しだけ声を張り、森の中の気配たちに告げた。
"ガサッ、ザザザザッ"
あちこちの茂みが揺れ、人影がぞろぞろと出てくる。
「すまねぇ、急いでんのは分かってんだ!」
「状況なら、被害者ネットワークを通じて、全部知ってるからな!」
「けどちょっとだけ! ほんのちょっとでいいから、時間をくれ!」
「お前らは俺らの希望なんだよ!」
言って、取り囲んでくる人々に、ルフィは眉を潜めた。
「何だよオメェら、いきなり」
「俺たちか? 俺たちは『ローリング海賊団』のリスキー兄弟だ。"求婚のローラ"船長の名を知らねぇか?」
「知らん! ティオは知ってっか?」
「(コクン)」
……知らないわけがない。
何たって"あの人"の娘の1人なのだから。
「お前ら、ゲッコー・モリアを倒してぇんだよな!?」
「実は俺ら、モリアの能力の秘密を知ってんだ!」
「お前にとんでもねぇ"力"をやる! だから頼む! アイツに勝ってくれ!」
「秘密ぅ? 力ぁ?」
そこに、船長のローラが歩み出てくる。
ローラはルフィを見るなり、言った。
「あら、アンタ好きよ。結婚して!」
ルフィは瞬きを2回して、キッパリ言う。
「いや」
「うおおおっ破談だぁぁ!」
「4,444回目の破談だぁぁぁ!」
「あーえっと、そんなわけでコチラ、うちのローラ船長」
「初めまして。アンタが麦わらのルフィね」
「あぁ、そうだ。
「モリアを倒したいんでしょう? だったら、私たちの話を聞いていきなさい。絶対役に立つわ」
「んぇ~~……」
もともと、話を聞くなどのジっとする行為が苦手なルフィ。
それを察したティオが、話に割って入った。
「るふぃ、に、かげ、たくさん、いれよう、おもてる?」
リスキー兄弟は目を見開いた。
「え、何だよ、知ってたのか?」
「(コクン)」
「なら話は
「とにかく入れるぞ、影!」
ティオは横目にルフィを見上げた。
ルフィはきょとんとティオを見下ろす。
「ん、何の話だ?」
「……50にん、くらい、いける、かも」
「へ?」
「ほう、50人か! そいつァ心強ぇ!」
「俺たちゃ2~3人が限界だったからなァ」
ローリング海賊団は、どこからか大量の影を持ってきた。
「うえええっ!? 何だありゃ!」
「るふぃ」
「んぉ?」
「これから、るふぃ、なか、かげ、いれる」
「俺に影を入れるぅ?」
「(コクン) …そしたら、るふぃ、つよくなれる。……でも、もって、10ぷん。その、あいだに、もりあ、たおして」
「ん~~……ん?」
だいぶ噛み砕いて説明したが、それでもルフィは理解できない様子。
「ろん、より、しょうこ」
ティオは、ローリング海賊団に、目で合図を送った。
「よし、入れろォォ!」
「「「うおおおおおおっ!!」」」
「ぅぇええっ!? お、オメェら何だよ急に! おいコラっ、離せ! オイ!」
……ルフィはローリング海賊団に捕えられ、片っ端から影を突っ込まれていった。
「……この男、どれだけ気力が強いのっ」
「てぃお、も、よそう、がい……」
ローラとティオは、唖然としてルフィを見つめた。
ローリング海賊団のクルーたちも同様だ。
「すっげぇ……」
「結局、100人分入っちまった!」
「とんでもねぇっ、さすが希望の星だ!」
「お、おい、意識はどうだ!? ちゃんとお前なのか!? 麦わらのルフィ!」
「フー……フー……あぁ、俺だぜ」
「えっ、何か喋り方、違くね?」
「つーか、もっとチビだったよな……」
ティオは首を横に振り、ルフィの前に進み出る。
「だいじょう、ぶ。ちゃんと、るふぃの、けはい、いちばん、つよい」
1つの体から、101個の気配が感じられるという、妙ではあるが興味深い状態。
その中に在っても、ルフィの意識はきちんと保たれていると、ティオの覇気は感じ取っていた。
「あぁ……力が溢れて止められねぇぜ……戦いたくてウズウズしてくる!」
ルフィは、大きくなった手にティオを乗せ、自分の肩へ運んだ。
ティオはルフィの肩に座る。
「……いける、いけるわ!」
ローラはルフィを見上げて拳を握った。
「さぁ、時間も無い! モリアの奴に悪夢を見せてきな! 我らが希望の星、ナイトメア・ルフィ!」
「ぅぉおっしゃあああっ!」
「のああっ待て待て! そっちは逆だ!」
ティオはため息をついて、ルフィの頭に手を添え、正しい道順を流し込んだ。
「お、こっちか。待ってろよ! モリアーっ!!」
"ドスッドスッドスッドスッ…"
ナイトメア・ルフィは、オーズに勝るとも劣らない足音で、屋敷へと走っていった。