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29. VSオーズ戦
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ティオが無事、ナミと合流していた頃、オーズと対峙中の6人はというと……
「三刀流―――百八
"ヒュッ、ドゴォッ!"
一味の主戦力、ゾロとサンジを中心に、少しずつでもオーズにダメージを与えていた。
「こんにゃろォ、踏みつぶしてやる!」
"ズドドドドドッ!"
「ぅぉおうっ!?」
「ひえええっ!」
ウソップがあわあわしながら叫ぶ。
「おいゾロっ、無理すんなって! 万が一コイツを倒せたとしても、戻って来んのはルフィの影1つだけなんだからよ! けどルフィがモリアを倒せば、全員の影が一気に戻る! こんな死にもしねぇ巨体ゾンビに、わざわざ怪我させられることもねぇって! ここはルフィを信じて、足止めに徹しようぜ!」
「……そりゃ、ルフィのことは充分信じちゃいるが、アイツにも苦手なモンはあんだろ」
「へ?」
「騙しだ。……透明人間、霊体人間、影の支配者。そもそもここには、人をおちょくるような能力者ばかりが揃ってる。そんな騙しを得意とする奴らのボスが、正々堂々ルフィと対峙してくれるかさえ疑問だ」
ロビンは僅かに目を細めた。
「確かにルフィなら、騙される可能性は十分にあり得るわね」
「ルフィがスカされて朝が来たら、アイツも俺もコックも、3人共まともに戦えなくなっちまう。……だったら、夜明けまでにルフィ1人だけでも正常に戻しときゃ、後は何とかなんだろ」
フランキーは空を見上げた。
「もう夜明けまで30分もねぇだろうが……これだけ霧の深い海だ。朝日の届く場所は限られてる」
サンジも釣られるように、空を見上げた。
「とうとう朝か……霧が唯一の救いだな。正直、夜明け前にして、やっと消滅への危機感が出てきたぜ」
"ズズゥン…"
「「「 !? 」」」
突然、地面が大きく揺れた。
「な、何だ!? この揺れは!」
「お、おいおい見ろ! どんどん霧が薄くなってくぞ!」
「チッ……いったい誰の策略だ! このタイミングで霧が晴れるなんてよォ!」
「これじゃ朝日はストレートで射してきちまうっ」
一時間ほど前、オーズが舵をデタラメに操作したことで、島が海流に呑まれて動き出したのだ。
一味は全員、空を見上げて呆然とした。
そのとき……
「キシシシシッ」
一度聞いたら忘れられない、特徴的な笑い声が聞こえてきた。
「図らずも清々しい夜空……もう夜明けも近いか……。ぐずぐずしてていいのか? 貴様ら」
ウソップがガクブル震えながら、オーズの腹部を指さす。
「もっ、モリアだァァ!」
「何だとっ?」
「なっ、何でここにモリアが!? ルフィはどうしたんだよ!」
「お、おいウソップ、どこにモリアが居るってんだよ!」
「どこって、居るじゃねぇかあそこに! オーズの腹の中だ!」
「ぁあ? ……ぅおっ、ホントに居た!」
まるでロボットの操縦席のように開かれた、オーズの腹部。
そこに、モリアは居た。
「えっ、じゃあルフィは、案の定スカされたってことか!?」
「あるいは、もう……」
「んなっ、やられやしねぇよルフィは!」
「キシシシシッ、さぁお前ら、俺と戦うチャンスをやろう! 俺を倒せば全ての影を解放できる。全員でかかってこい! ……ただし、オーズを倒さねぇと、この俺は引きずり出せねぇがなァ! キ~シッシッシッシッ!」
「ンの野郎っ、汚ねぇぞ!」
「モリアを倒さなきゃオーズを浄化できないのにっ、そのモリアがオーズの中に入っちまったァァっ!」
「かえってスッキリしたじゃねぇか。狙うはただ一ヶ所のみってことだ」
「あぁ。やるしかねぇ。……ウソップ、この島中から塩を掻き集めて来い。あの巨体に見合うだけの塩がありゃ、効くかもしれねぇ」
「よ、よし、分かった! 確か最初の屋敷に厨房があった! 塩くらい大量に置いてあるはずだ、取ってくる!」
駆け出したウソップを見下ろして、モリアは笑った。
「キシシシシッ、ホグバックの屋敷へ塩を取りに行くつもりか……。オーズ、長っ鼻ごと屋敷への通路を潰せ」
「はい、ご主人様」
"ヒュォッ"
「……ん? げっ!」
"ドゴォッ!"
「しまった、ウソップー!」
「マズイっ、モリアが加わることでオーズに頭脳がついちまった」
「ウソップ返事しろォォ!」
「大丈夫、ご無事です!」
「「「 !? 」」」
スタッ、と、瓦礫の上に降り立つ人影。
「遅くなって申し訳ありません! 大量に塩が必要かと思い、掻き集めていました!」
「「「ブルック!」」」
そういえばいつの間にかいなくなっていたと思ったら……
ブルックの手には、巨大な塩の袋が握られていて、もう片方の腕には、ウソップが抱えられていた。
「はっ、はぁっ、助かった……ありがとう!」
「ブルック、オメェ動けるのか!」
「……確かに重傷だった私ですが、体を引きずり厨房へ塩を探しに行きましたところ、牛乳を発見いたしまして! 美味しく頂きこの通りですヨホホッ!」
「どんだけカルシウム効いてんだ!」
「牛乳で骨折、治りますよね!」
「治るかァ!」
サンジはタバコの煙を吹く。
「……まぁ何にせよ、間一髪大量の塩は手に入ったわけだ。厨房への道が閉ざされた今、ブルックの塩だけが最後の希望だ」
ゾロが黒手拭いを頭に巻いた。
「時間もねぇ、行くぞ。朝が来る前に、あの怪物の口に塩を放り込み、モリアをぶっ飛ばしゃ勝ちだ」
「「「おう!」」」
7人分の闘志を感じて、モリアは笑う。
「キシシシッ、俺が戦いの場に出向いてやったことに感謝しろ! そして充分に気をつけるんだな。俺はただ乗ってるだけじゃねぇ。最高の悪夢を見せてやろう!」
ブルックは仕込み杖から剣を抜き、モリアに向ける。
「私も共に、精一杯戦わせて頂きます! 影を取り戻して頂いた大恩、ちょっとやそっとで返せるものとは思いませんが、精一杯……」
"カキョキョン…"
「きし、む……」
ブルックはその場に膝をついた。
やはり、牛乳を飲んだだけで即復活というわけにはいかないようだ。
「無理すんな。その塩、しっかり持ってろ」
言って、駆け出していくゾロ。
それを目の端で捉えながら、ウソップがパチンコを構える。
「フランキー、頼む! 必殺・特用油星!」
「よォしきた!」
察したフランキーは、体内に炎を溜めた。
「フレッシュ……ファイヤー!」
ウソップはニヤリと笑む。
「よっしゃ! 変化! スーパーサイズ、火の鳥星!」
"ゴォォオオッ、ボンッ!"
「どわっ、アッチ! 腐れアッチ!」
「怯むな、オーズ。熱いだの痛てぇだのは、人間時代の思い込みだ。テメェらゾンビに、そんなものは効かねぇよ」
「ぅえ? あ、ホントだー」
オーズはのっそりと頭の炎を払っていく。
それをチラリと見て、チョッパーは人型になり、手を組んだ。
「今のうちだっ、ゾロ!」
「よし」
ゾロはチョッパー目掛けて走り、その組まれた手の上に飛び乗った。
「ぅぉおらああっ!!」
チョッパーはゾロを遥か上空へ飛ばした。
ゾロは空中で刀を構え、目の前の細長い塔を見据える。
「三刀流―――大・仏・斬り!」
"スパンッ、スパンッ、スパンッ"
見事、塔を輪切りにし、ゾロはスタっと着地した。
入れ替わるように、サンジが塔へと走る。
「くらいやがれっ、ジェンガ砲!」
ゾロが斬った塔を、オーズへと蹴り出していった。
"ドゴッ、ゴッ、ドゴッ"
オーズは、飛んでくる塔の輪切りを、キっと睨みつけた。
「ん~~っ、こんにゃろォ~ぅ!」
"ボゴゴゴォンッ!"
オーズは腕の一振りで、飛んできた塔を全て跳ね返した。
「どわ~~っ塔が飛んできたァァ!」
「しまったっ、利用されちまった!」
「おいっ、怪我ねぇか!」
塔があちこちに落下し、砂煙を起こす。
「……新兵器、クワガタ!」
砂煙に紛れて、ウソップは密かに準備を進めていた。
フランキーが声を掛ける。
「おい、準備はいいか! ウソップ!」
「い、いいけどよ! これシャレで作ったモンだから、後どうなっても知らねぇぞ!」
「大丈夫だバカヤロウ! 今週の俺は、特にスーパーなんだぜ!」
「ほんじゃ乗れ!」
「おうよ、思いっきり奴のどてっ腹に頼んだぜ!」
瓦礫の間に張られた、ゴム。
ウソップはそれを限界まで引っ張り、モリアに照準を合わせて、放した。
「いけぇ! 必殺・鉄人彗星!」
"ドシュッ"
フランキーは砲弾の如く、モリア目掛けて飛んだ。
「ん~~スーパ~な勢いだ!」
空中で、左腕を構える。
「覚悟しやがれ? コイツは海獣・海王類相手に使う迫撃砲だ! くらえっ、モリア!」
"ガチャッ、ズドォンッ!"
狙いは完璧。
寸分の狂いもなくモリアに照準が合わされていた。
……が。
"ヒュッ"
フランキー渾身の一撃を、オーズは軽々と躱し、さらに反撃までしてきた。
"ドゴォッ"
「ぐぁっ……」
フランキーは屋敷の壁に叩きつけられる。
「うわああああっフランキー!!」
「何て身のこなしだっ」
「……時々忘れるぜ、アイツがルフィだってことを」
「キシシシッ、まだだ、オーズ! まだ僅かに息がある! とどめを刺せ!」
「はい、ご主人様」
「ヤベェっ」
ゾロとチョッパーが慌てて駆け出す。
「まだやる気かあの野郎!」
「やめろォォ! もう動けねぇんだぞ!」
……と、そのとき。
「サンダーボルト=テンポ!」
"ドッ、バリバリバリッ!"
「うおおっ!?」
空に突如、小さな黒雲が現れ、オーズに雷が落ちた。
「この攻撃……」
「ぅおっ、やった! オーズが膝ついたぞ!」
サンジがキョロキョロと辺りを見渡す。
「ありゃ間違いなくクリマ・タクトだ! ナミさんは無事なのか!? ティオちゃんは!?」
ピコーンピコーン、と反応を示したサンジの美女探知機。
「あはっ、いた~! ナミすゎ~んぬ!」
サンジが手を振る先は、遥か彼方。
肉眼ではコメ粒にしか見えないほど、離れた場所だ。
「ちょっと呼ばないでよ! 気付かれるでしょうが!」
サンジは号泣して叫ぶ。
「よがっだ~~っ! ティオちゃんが救い出じでぐれだんだっ! ナミざ~んっ、フガイねぇ俺を許じでぐれ~~っ!」
「るっせぇアホコック!」
サンジの声に反応し、オーズがギロリとナミを見た。
「ひ……っ、ほらバレたじゃない!」
「ゴムゴムの~~……」
オーズが拳を構える。
「えっ、何っ、まさか伸びるの!?」
焦るナミだが、チョッパーは唖然とまばたきを繰り返す。
「いや、届かねぇだろアレは……」
「今のうちだウソップ! フランキーをこっちへ運べ!」
「お、おう!」
オーズは構えていた拳を、思いっきり突き出した。
「
"ドゴォッ"
「「「 !? 」」」
麦わら一味は全員、固まった。
……ナミの居た空中庭園が、崩れ去っていく。
「は……?」
「ぇえっ!? 伸びたァ!?」
「ンな馬鹿なっ」
「ナミーっ!!」
あんな一発をくらってしまえば、ナミは一貫の終わり。
「きゃあああああっ」
「……ん? あっ、ナミだ!」
叫び声がするので、目を凝らして見れば、ナミはロビンが咲かせた腕で、ゆらりと地面まで下ろされていた。
「さっすがロビン!」
「驚いたわね……大丈夫? ナミ」
「はぁっ、はぁっ、ありがと……お陰様で何とか……」
ナミの無事を確認し、ゾロとサンジはオーズに向き直る。
「……マズイことが起きたぞ、今」
「あぁ。何でアイツの腕が伸びるんだ? それはあり得ねぇってさっきティオちゃんが……あれ? そういやティオちゃんは?」
ナミがため息混じりに答えた。
「ルフィのとこよ。連れ戻しに行ってる」
ゾロもため息をつく。
「やっぱ騙されてたか」
「えぇ。ティオの話じゃ、今、海岸近くに居るそうよ。影武者でも追わされたんだろうって予想」
「はぁ……今回ばかりは敵との相性が悪すぎたか」
「最短なら、4分36秒で連れてこれるってティオは言ってたわ」
「んじゃまぁ、5分くらいってところか?」
「この時間のねぇ時にさらに5分かよ……」
「それでも来られねぇよりマシだ。俺たちはとにかく、全力でオーズを止めよう。モリアはルフィに任せりゃいい。行くぞ!」
「「「おう!」」」