夢主の名前を決めて下さい。
29. VSオーズ戦
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
麦わら一味がオーズと対峙している頃。
結婚式場の奥にある空き部屋では……
"ゴゴゴゴ……"
一味とオーズの戦いで、建物が揺れる中、アブサロムとナミの結婚式が再開されていた。
緊張気味のアブサロムと、気絶中のナミが向かい合っている。
牧師の恰好をしたゾンビが、咳払いをひとつした。
「では、続きを。"誓いのキス"から」
アブサロムは一度深呼吸し、ナミに迫る。
と、そのとき。
「は……!」
ナミが目を覚ました。
「……え、えええええ!?」
ここはどこで、自分は何をしていたのか。
そんなことを考える暇もなく、目の前には、口づけを迫る獣の顔。
「ちょ、ちょっと何よコレ!」
思わず身を引こうとしたが、ゾンビにしっかりホールドされていて、逃げられない。
「きゃあああっ、ちょっと誰か助けてぇ!」
「ぬっ、目を覚ましたか! ええい観念しろ! この"誓いのキス"を経て、晴れてお前はおいらの伴侶となるのだ!」
「ヤダっつってんでしょ! この変態透明猛獣! あたしはまだ冒険したい年頃なのよ!」
「黙って喜べ! お前は墓場の王の妻、墓場の女王となるのだ!」
「イヤよ何それ!」
"ドゴォンッ!"
「「!?」」
突如、部屋の壁を突き破って、何かが入ってきた。
「おんどれナミゾォォ!!」
両手の剣を振りかざし、姿の通り"猪突猛進"してくるイノシシのゾンビ。
アブサロムとの結婚を狙う、ローラだ。
「……ナミゾウ、アンタよくも抜け駆けしてくれたわね! 私の恋の応援するなんて、あの言葉はウソだったの!? 応援どころか私のアブ様を奪おうなんてっ、何て奴なのよアンタァ!」
ナミはサァっと青ざめる。
「ちょ、ちょっと待ってローラ! あたし今まで意識なくてっ、この状況すら……あら? ウェディングドレス……何で着てるのかしら……ステキっ」
「ステキじゃないってのよコノ裏切りモンがぁぁ!」
"ヒュッ、ヒュッ、ドゴォッ"
ローラは両手の剣を振りかざし、ナミに襲い掛かる。
「ちょっ、待って待って誤解だから!」
殺されそうな花嫁。
アブサロムは慌てて2人の間に入った。
「待ちやがれローラ! テメェいきなり式をぶち壊した上、おいらの花嫁に何しやがる!」
「うっさいわい結婚して!」
「断る!」
「アブ様、アンタ知らないんでしょ。コイツの本名はナミゾウ。実は男なのよ!」
「んなにいいいいっ!?」
この美しさでそんなことがあり得るのか!?
アブサロムは、ホグバックの屋敷の風呂に忍び込んだときを思い出した。
(いや、おいらは確かにコイツの裸を……)
ローラは問答無用でナミに斬りかかる。
「アンタ出て行きなさいよナミゾォォ!」
「きゃっ、やめてローラ!」
ナミは後ずさりながら、ぎゅっと目をつぶった。
……しかし。
(……あれ、当たらない?)
攻撃が全く当たらないことに気づいた。
うっすら目を開けてみれば、ローラがウインクしている。
(お逃げ、ナミゾウ! アイツは私が足止めするから!)
(ローラ!?)
(助けに来たのよ! マイフレンド!)
「さぁアブサロム! 理解したらアイツに代わって、私と契りを交わすのよォォ!」
ローラはアブサロムに突進した。
その隙にナミは出入り口へと走り出す。
「うおああ!? マズイっ、花嫁が逃げるっ」
「花嫁はここよ! アンタの目の前!」
「うるさい! アイツは間違いなく"女"だ! 邪魔を、するなァ!」
"ドゴォッ"
「ローラ!?」
もう少しで部屋から出られるところで、ナミは立ち止まり、振り返った。
「か……は……っ」
アブサロムの一撃をくらい、倒れるローラ。
「フン、ゾンビの分際でムダな労力を使わせやがって……」
"ザザッ"
「?」
ナミはクリマ・タクトを構え、アブサロムの正面に立った。
「ほう、利口だ。逃げるのをやめたか。……そうさ。どの道、逃げ切れるものじゃない。おいらは透明人間だからな」
「……サンダーチャージ」
クリマ・タクトの先端が、ビリビリと帯電を始める。
「……よくもローラを」
……本当なら、今すぐにでもここから逃げ出したかった。
けれど、命を賭して助けに来てくれた友だちを、こんなところに置いては行けない。
"タタタタッ"
ナミはアブサロム目掛けて走り出した。
「そうだ! おいらの胸に飛び込んで来い!」
「
"バリバリバリィッ"
部屋中に雷鳴が轟いた。
「フン、どうせ効かないんでしょ? そんなこと分かって……"ドサッ"
「……え?」
一度、同じ攻撃をしたときは、何ともなかったのに……
「何で……? 前は全然効かなかったのに……」
……それは、サンジが限界までアブサロムを追い込んだからだなんて、分かるわけもない。
「まぁ何でもいいわ! 勝ったー!」
ナミはその場で拳を突き上げた。
そして、倒れたマイフレンドに駆け寄る。
「ローラ! しっかりして! 大丈夫!?」
「うっ、ケホッケホッ……」
「ありがとう! 助けに来てくれて!」
「ハァ…ハァ……何言ってんの……私たち、友達じゃない」
「っ……だけどあたしっ、あのときアンタが怖くてウソついたの! ごめん! あたし本当は、女なのよ!」
「フフ、バカね。知ってたわよ」
「! ローラ……」
「そんなことよりっ、今アブ様、ノーガードじゃない!?」
ローラは光の速さで身を起こし、アブサロムに飛びかかった。
「婿になれやアブサロムー!」
ついに、念願だった誓いのキスが成功する。
「ナミゾウ、私なら大丈夫だから、アンタ先に逃げなさい」
「え……」
「いい? 今この島では、アンタんとこの"麦わらのルフィ"、アイツの影が入ったゾンビが暴れてるの」
「それなら、一度見たわ。……そう、ついに動き出しちゃったのね」
「気をつけるのよ、ナミゾウ」
「えぇ、ありがとう! ローラ!」
ナミはローラに手を振り、部屋の外へと駆け出した。
1/9ページ