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3. ノックアップストリーム
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というわけで、麦わらの一味は揃って森の中へ入っていった。
「おう! 真っ暗だ!」
「おい、引っ張んなよウソップ」
「だ、だってよ~……」
ウソップはサンジのスーツの端を掴み、ガクブル震えている。
「お腹いっぱいで苦しい……俺、鳥追っかけるなんて無理かも……」
木の根元でへばるチョッパー。
その横で、ルフィは辺りを見渡した。
「変な鳥はどこだ?」
「さっさと捕まえて飲み直そうぜ? ……つーか、人の肩で寝てんじゃねぇぞチビ!」
ゾロは肩に乗った
プラ~ンとそれをぶら下げると、"ボンッ"と音がして、
「……ねむい」
「知るか! ……ったく、これだからガキは」
ゾロが首根っこを離すと、ティオは地面に降り立つが、ふらりとゾロに寄りかかって再び寝始めた。
「何でいきなりこんなことになってんのよ」
ナミは額に手を当て ため息をつく。
一味は全員気乗りしないといった感じだ。
「ったく、こういうことはせめて昼間に言えよな」
「なぁ、鳥は?」
「どこにいるか分かったら、全員で探しには来ねぇだろ」
とりあえず捕獲計画を立てるため、一味は集まって丸くなった。
「手掛かりは変な鳴き声ってことだけだ」
「姿はさっき黄金の像で見たとおり」
「あんなふざけた形の鳥いんのか?」
「それに変な鳴き声ってのも曖昧すぎる」
「それも森に入りゃ分かるって……チッ、あのおっさん適当だな」
色々と議論を重ねていると……
"ジョ~~~……"
「「「あ! 変な鳴き声!」」」
「これか……」
鳥どころか、動物としておかしな声だった。
「よーし!」
「こうなったらとにかくやるしかねぇ」
「網は3つある。三手に分かれて探すぞ」
「「「おう!」」」
……というわけで、一味はほぼ均等に三手に分かれた。
「行きましょうか」
「(コクン)」
ロビンとティオは同じ方を向く。
「……おい」
「どうかしたの? 剣士さん」
ロビンが振り返ると、ゾロがこめかみに青筋を浮かび上がらせていた。
「何でコイツはまた俺の肩に乗ってんだ!」
またしても、肩に乗っていた
「あら、そんなことしたらかわいそうじゃない。ティオはもう眠いそうよ?」
「知らねーよ、自力で歩け」
パッと手を離され、ティオは落ちた。
しかし、動物の習性できれいに着地する。
そして人間に戻った。
"ボンッ"
「……ねむい」
「さっき聞いたっつの」
そうしてしばらく問答していると……
"イヤアアアァァァァァッ!!"
「あら、悲鳴が聞こえるわね」
「ふぁ〜……なみちゃん。むしに、おそわれてる……」
「そうなの?」
「フン、ほっとけ」
「よく分かるわね」
「……こえ、きく、ちから、もってる、から……このもり、いきもの、どのくらい、いるか、むぎわらいちみ、みんな、どこにいるか、どんな、かんじょうか。そういうの、きこえる」
「それは、悪魔の実とはまた違った能力なのね?」
「(コクン)」
「興味深いわ」
ロビンの口元が深い笑みを作る。
「その力で、サウスバードの位置が分かったりしないかしら」
「それは、むずかしい。いま、とり、か、ほかのどうぶつか、くらいの、はんべつは、できる。けど、さうすばーど、か、ほかの、とりか、は、わからない。いちど、みること、できれば、こゆうの、けはいとして、おぼえて、たどれる」
「そうなの。どちらにしても、まずは自力でサウスバードを見つける必要があるのね?」
「(コクン)」
そのとき……
"スパッ"
刀が空を切り裂く音が聞こえた。
「!」
ティオがぎょっとして振り返ると、ちょうどゾロが刀を仕舞っていて、ドサッと大きな虫が降ってくるところだった。
「ムカデか。いやにでけぇな」
「ひっ」
ティオは慌ててロビンの後ろに隠れて、その服をぎゅっと掴む。
「あら、虫は苦手?」
「(コクンコクン)」
珍しく切羽詰った表情をしている。
「ぞろ、ばかっ。ぎりぎり、だいじょぶな、きょり、だったのにっ。きらなきゃ、こっち、こなかったっ」
「いろいろ討ち取っちゃうのは良くないわ。かわいそうよ」
「俺に挑んできたこいつが悪い」
そう言って歩き出したが……
「そっちは今来た道よ?」
「ぐっ………」
「ぞろ、くびわ、と、りーど、つけるといい」
「ふふっ、名案ね」
「うるっせぇ!」
"ジョ~~~~……"
「鳥の鳴き声……こっちね」
ロビンは鳴き声のする方に歩き始める。
「そこのぬかるみ、気をつけて?」
「あ? 待て……うおっ!」
気をつけるよう言われたばかりなのに、ゾロは思いっきりぬかるみに踏み込んだ。
一気に腰まで埋まっていく。
"パシッ"
ティオの小さな両手がゾロの手を掴んだ。
「ばか」
「……るっせぇ」
ティオは渾身の力でゾロを引っ張り出す。
「かし」
「あ?」
唐突に、ティオは
そして、ゾロの肩によじ登り、眠り始める。
つまり、助けてやったんだから乗せてけということだ。
「……チッ」
ゾロは舌打ちをして、ロビンの後を追った。
「ふふっ、だから気をつけてと言ったのに」
「ぞろ、ばか」
「寝たんじゃねぇのかテメェは」
"ジョ~~~……"
「はぁ、今度はどっからだ?」
「10じのほうがく、7めーとるさきの、き、ちじょう、から、3めーとるの、えだ」
「あら、そんなに細かく分かるの?」
「あの、なきごえ、すると、1つの、せいぶつの、けはい、ちゅうしんに、いくつもの、せいぶつの、けはい、かくさんする。さうすばーど、もりの、しれいとう、みたい。なきごえの、あと、1つだけ、うごかない、けはい、きっと、さうすばーど」
「なるほど」
「あと、『森を荒らす奴は許さない』って」
「言葉も分かるの?」
「(コクン)…てぃお、どうぶつ、なれるから……ふぁ~」
「ふ~ん。チョッパーみてぇだな」
「それより、なにか、いっぱい、くる」
"カサカサ……"
「何かしら……」
「!」
音から、いち早く迫る者たちの正体に気づいたティオは、ゾロの肩からさらによじ登り、頭にしがみつく。
「……何してんだテメェ」
「むし、きらいっ」
震える声でそう言って、身を縮めた。
3人の目の前に現れたのは、巨大なオケラの軍団。
四方八方から群れを成して現れる。
「はぁ……振り落とされんなよ?」
ゾロは刀を抜き、峰打ちで前列を薙ぎ払う。
だが、オケラは止まらず次々に前へ詰めてきた。
"シュッ、ズバンッ!"
来るたびに刀を振るっていくゾロだが……
「~~~っ、キリがねぇ!」
もう何十匹倒しただろうか。
「何でかかってくるんだよこのオケラ軍団! 邪魔だぞ! 俺に勝てそうか? ぁあ!?」
ゾロは刀の峰で、オケラの頭をポコポコと叩いた。
「もくぎょ、みたい。いい、おと」
「言ってる場合か! 引きずり降ろすぞ!」
「やだ」
"ジョ~~~……"
「鳴き声はするのに姿は見えないわね……。ティオ、さっきと同じ方法で、今 鳴いたサウスバードの位置、割り当てられるかしら」
ティオは眠そうな目で、森の奥を見た。
「ん……3じの、ほうがく、5めーとるの、き。ちじょう、から、3めーとるの、えだ」
「ふふっ、了解」
ロビンは腕を交差させた。
おそらくサウスバードの近くに手を咲かせ、直に捕らえる気なのだろう。
"ジョッ! ジョ~~~!"
バサバサッと、羽ばたいていく音がした。
「あら、失敗。やっぱり実際に見えないと、狙いがつけにくいわね」
「いちど、みんなのとこ、もどるべき。みんな、あつまって、きてる。にしの、ほう」
言いながら、前足を西の方角へ向けた。
「鳥は誰か捕まえられたのか?」
そう問われると首を横に振る。
「よろこんでる、かんじょう、かんじない。ふの、かんじょう、だけ」
「本当に不思議な能力ね。感情まで分かってしまうの?」
「(コクン)…からだが、はっしてる、こえ、だから。さわれば、きおくとしこうも、みえる、きこえる。せいぶつも、もの、も。だから、いま、ぞろのきおくも、かんがえてることも、しろうと、すれば、わかる」
「はぁ!?」
「ふふっ」
というわけで、3人、もとい2人と1匹は、一味が集まるところへ戻っていった。
着いてみると、もうすでに他のメンバーが集合していた。
「ダメだ。鳴き声は聞こえても、姿までは確認できねぇ」
ゾロが言うと、ルフィも顔をしかめる。
「俺たちは見たんだけどよ~、虫が凄くて。なぁチョッパー」
「はぁ、はぁ、走ってばっか……」
「まいったな~、7人いて0だと~? しっかりしろオメェら!」
「いや お前もだろウソップ」
「はぁ……あたし、もうこれ以上走れないわよ?」
ナミはその場に膝をついた。
するとそこに……
"ジョ~~~!"
あの特有の鳴き声が聞こえてくる。
「あっ!」
ウソップが指差す先の枝に、サウスバードがとまっていた。
枝の上でぴょんぴょん跳ねている。
"ジョ~、ジョジョ、ジョ~~ッ"
チョッパーが翻訳した。
「『お前らなんかに捕まるか、バ~カ!』だって」
「何をっ!? わざわざそれ言いにきやがったのか! ……ちくしょう、撃ち落としてやる!」
ウソップはパチンコを構えた。
しかし、それが打ち出される前に……
「ろびん」
「えぇ」
"シュル……"
サウスバードの近くに手が咲き乱れた。
"ジ、ジョッ!?"
ロビンは、サウスバードを縛り上げて、木の下へ落とす。
「「「……あ」」」
「さっきは失敗したけど、姿さえ見えれば。……ね?」
ロビンはティオにウインクしてみせた。
「(コクン)」
これで、何はともあれ、サウスバードは捕まえられた。
ティオはゾロの肩の上で、やっと終わったとあくびをひとつし、目を瞑った。