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28. 反撃開始
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"ドゴォッ、ドォンッ……"
「うわぁぁっ、来たぞぉ!」
「逃げろ! 俺たちじゃ勝ち目はねぇ!」
「うおおおおっ、モリアはどこだ~!」
「ナミさんとの結婚、クソ許さぁん!」
反撃を開始した麦わら一味。
モリア討伐班と、ナミ救出班は、しばらく同じ道を進んでいた。
ティオのナビゲートによれば、途中から道が分かれるらしい。
ルフィとサンジに次々と倒されていくゾンビたちを見ながら、ウソップは呟いた。
「……塩、いらなかったかもな」
チョッパーが賛同する。
「ティオが塩のこと教えてなかった理由、分かった気がするぞ……」
ロビンは楽しそうに笑った。
「ふふっ、しばらくはあの2人に任せましょう?」
「「うん」」
その頃、ブルック援護班の方も……
「オラオラどきやがれコルァァ!」
「フン、相変わらず歯ごたえのねぇ奴らだ」
"バキッ、ズァアッ!"
フランキーとゾロの手で、ゾンビたちは宙を舞わされていた。
ゾロの頭の上で、
「……ほら、しお、いらない」
"ドゴッ、バキッ、ドォンッ"
「チッ……こんな貧弱な奴らに一度は捕まったかと思うと、自分に腹が立つぜっ」
「ヘッ、そんなオメェを解放してやった俺を慕うなら、アニキと呼んでもいいんだぜ?」
「呼ぶかァ!」
"ドゴォッ!"
「「「?」」」
突然の爆音に、2人と1匹は上を向いた。
「何だ?」
「瓦礫が落ちてくるぞ」
モリア討伐班と、ナミ救出班が通る予定の通路が、何故か崩れて落ちてくる。
「フランキー、そっから動くなよ」
「ぁあ?」
ゾロが刀を三本構えた。
「三刀流――――――竜巻!」
"ズォォァアアッ!"
ゾロを中心に、大きな竜巻が起こる。
しかし、直径3m圏内は無風だった。
フランキーは腕を組み、昇っていく竜巻を見上げる。
「ほ~? 大したもんだな」
竜巻は、2人と1匹を守るように、瓦礫を吹き飛ばした。
ティオも、その見事な技を見上げる。
そして。
「あ。おちて、くる」
「「?」」
もふもふの前足で、斜め上を指した。
ゾロとフランキーは、釣られるように同じ場所を見上げる。
「んー? ありゃあ……」
「さんじ、くん、と、うそっぷ」
「何やってんだ? アイツら」
「さぁ」
"ヒュウウゥゥ………ズゴォッ!"
落ちてきた2人は、通路の床に、頭から突き刺さった。
「「……」」
ゾロとフランキーは、サンジとウソップを助けるでもなく、ただじっと見つめる。
……そして、後ろ、つまり進行方向を振り返った。
「アイツら2人が落ちてきた理由は、まぁ何でも構わねぇ。……問題は、」
「突然道を塞いだ、コレの正体だな。いったい何なんだ?」
本来進むはずだった通路を、赤い壁のようなものが塞いでいる。
先ほど、瓦礫と共に落ちてきたのだ。
「いってててて……」
「ゲホッ……ちくしょう、一体何だったんだ」
サンジとウソップが、通路の床に突き刺さっていた頭を引っこ抜く。
ウソップは痛む頭をふるふると振った。
「んぁー……今のはたぶん……」
と、前方に目を向けてみれば……
「オラァ!」
"ザクッ"
「ウェポンズレフト!」
"ズドォンッ"
ゾロとフランキーが、赤い壁のようなものに攻撃を加えていた。
ウソップは青ざめて目を見開く。
「てっ、テメェら何やってんだァァ!」
「ぁあ? それがよぉ、急に謎の壁が出来ちまって。……しっかし、石かと思ったら意外にやわらけぇな、この壁」
「バカァァ! 壁じゃねぇよ! そいつがルフィのゾンビだ!」
「「何っ!?」」
ティオはゾロの頭の上から、半目で赤い壁らしきものを見上げた。
「あぁ。それで、るふぃの、けはい、したんだ」
「テンメェ気付いてたんならゾロとフランキー止めとけよォォ!」
"ズゴゴゴゴゴッ…"
「ほら見ろ! こっち向いたぞアイツ! 絶対俺たちを殺す気だァァァ!!」
ゾロ、サンジ、フランキーは、臨戦態勢を取る。
「デカイにも程があるだろっ、どっかの大魔王か何かかっ」
"ズオォッ…"
ルフィのゾンビは両手を伸ばしてきた。
「ぎゃああああっ! 殺されるぅぅ!」
ウソップは逸早く、瓦礫の影へと身を隠す。
しかし……
"ズゴゴゴゴゴッ…"
「へ……?」
ルフィのゾンビは、ウソップが隠れていた瓦礫を持ち上げてしまった。
「いやああああっ!!」
ゾロ、サンジ、フランキーは、攻撃に備えて身構える。
「あんなもんどうする気だっ」
「十中八九、こっちに投げる気だろっ」
「あんなバカでけぇ瓦礫を、まるでおもちゃみてぇにっ」
"ゴゴゴゴゴゴッ"
「「「……あ?」」」
身構えていた3人は、予想外のルフィゾンビの行動に、まばたきを繰り返した。
ルフィゾンビは、持ち上げた岩を、何故か頭に乗せた。
「いいなァ、コレ」
岩はまるで、帽子のよう。
「……は?」
「何だ……?」
ルフィゾンビは、右腕を空へと伸ばす。
「よ~し気分出てきたぞ~! 海賊王に、俺は、腐れなる~!」
そして、こちらには見向きもせず、どこかへ歩いて行ってしまった。
「いや~、建物壊れてビビった~」
身の危険が去ったのを感じ、ウソップは前に出てきた。
「な、何だったんだ? 俺たちに気づきもしねぇで……」
ティオがゾロの頭の上から、半目で言う。
「るふぃ、だし」
ゾロは短いため息をついた。
「……そういや、海賊王になるだの、本当にルフィみたいなこと言ってやがったな……。しかし、あの図体でルフィの戦闘力だとしたら、確かにヤバイ」
「……っ」
"ドサッ"
「「「?」」」
突然、ウソップが膝をついた。
「……もう、いいじゃねぇか、お前らの影なんて……」
ゾロとサンジが噛みつくように叫ぶ。
「よくねぇよ!」
「百歩譲ってそれは良くても! どっちみちナミさんは救出すんだ! シャキっとしろォ!」
そして、サンジはタバコの煙を吹いた。
「しっかし、困ったのはこの通路だ。どうやら俺とウソップは、さっきのルフィゾンビの巻き添えでここまで落とされたらしいが、通路をこっちに切り替えるにしても、ここまで橋が壊されてちゃ、前に進めねぇ……。ティオちゃん、迂回ルート知らないかい?」
「ざんねん、だけど、ない。した、おりて、もり、すすむしか、ない。……じかん、ばい、かかる、おもうけど」
「そっか……」
ゾロは腕を組んで小さなため息をつく。
「ジャンプして届く距離でもねぇしな……。ティオ、お前、背中から羽生やして、俺たちを向こうまで運べねぇか?」
「むり」
話が逸れたからか、ウソップがネガティブモードから戻ってきた。
「そういや前から思ってたけど、ティオ、お前の能力って、本当に悪魔の実なのか?」
「……」
「今まで見てきたゾオン系の能力者と、何か違うんだよな。体を変形させるっつーより、変身してるって感じで」
例えばチョッパーなら、トナカイと人間が混ざったような姿に変形する。
CP9の場合もそうだった。
……しかしティオは、人間から動物へと、完全な変身を遂げる。
「お前のそれ、なんつー名前の実なんだ?」
「……」
ティオはしばし、遠くを見ていた。
……やがて、ポツリと言う。
「はなせば、ながい。ぜんぶ、おわったら、はなす。……とにかく、せなか、から、はね、はえない。ひと、はこべない」
……あまり話したくないのだろうか。
察したサンジがタバコの煙を吹く。
「まぁ、今はナミさん救出の方が先だ。こっからどうするかを考えようぜ?」
すると……
「あと30秒待てよ」
「「「「?」」」」
フランキーの声が聞こえた。
……そういえば随分前から、会話に入ってきていなかった。
3人と1匹は、壊れた通路を振り返る。
そして目を見開いた。
「「「橋が出来てるぅぅ!?」」」
「ん~、この装飾が不満だなァ……」
板張りの床に、立派な石の手すりがついている。
「お、おまっ、いつの間に!」
「ァアン? 橋の1本や2本、これだけの瓦礫や木片がありゃ十分だ」
「い、いや、けどよ、応急にしちゃディティールまで凝り過ぎじゃねぇか?」
「この俺に手抜き工事をやれってのか?」
サンジがフっと笑う。
「いや、頼りになるぜ。とにかく助かった。行こう」
4人と1匹は、橋の向こうへと駆け出した。
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