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27. スリラーバーク
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一味は甲板に出て、お互いに事情を説明し合い、これからの行動について話し合いを始めた。
「……け、けっ、結婚だとォ!? ふざけんなァ! クソ許さァァん!」
話を聞いたサンジが、怒りで燃え上がる。
一方、ルフィは眉を顰めた。
「ナミと結婚なんて勇気ある奴だなァ……。そんで、俺の影が巨人に入ってるだとぉ!?」
ゾロが訊く。
「巨人のゾンビに、犬ペンギンのゾンビ。とりあえず、ルフィとコックのゾンビは確認できたわけだな? ウソップ」
訊かれた当人は、チョッパーと一緒にうずくまって震えていた。
「今思うと、七武海相手によく生きて帰って来れたなぁ……っ」
「うんっ、うんっ、よがっだぁ……っ」
ルフィが1つ思い出す。
「待てよ? ゾンビって影の持ち主みたいになるんだよな? だったら俺、ゾロのゾンビ見たぞ!」
ゾロの眉がピクっと動いた。
「本当か。どんな奴だ」
「ん~~、似た感じだったぞ? ゲタ履いてたからゾロじゃねぇって分かったけど」
「……。……はぁ?」
説明が全く分からない。
「さ、出来たわよ?」
「ありが、と」
ロビンが、ティオの髪をいつも通りに結い終わった。
話を全て聞いていたティオは、ルフィとゾロに歩み寄る。
「きおく、みたほう、が、はやい、かも」
「はぁ……そうだな。頼む」
「るふぃ、みて、い?」
「ん、あぁ。いーぞ!」
ティオは、右手でルフィ、左手でゾロ、それぞれの手を握った。
ルフィの記憶から、ゾロのゾンビを見た記憶を読み取って、ゾロに流す。
「……おい、これのどこが俺に似てんだよ」
「んぇ? だって、背中の傷は剣士の恥っつってんだろ?」
「言葉だけじゃねぇか」
「技がゾロだったからな~。最初はビビったぞ、はっはっはっはっ!」
一連の様子を見て、ロビンが提案した。
「ねぇ、ティオの力で、みんなの記憶を共有してしまった方が早いんじゃないかしら」
ウソップがポンと手を叩く。
「確かにそうだな。敵の外見の特徴も、正確に伝わるし」
ティオはコクンと頷いた。
……それから、全員分の記憶を読み取り、頭の中で整理した。
「それじゃ、みんな、てぃおの、どこかに、さわってて」
ティオが両腕を伸ばすと、仲間たちはそのどこかに手を置く。
「まず、は、げっこー・もりあ」
ティオは、みんなが見たモリアの記憶を繋ぎ合わせ、流した。
「あ~そうそうコイツ! デカらっきょ!」
「ぶふっ、言われてみればラッキョウみてぇだな」
「つぎ、かんぶ、3にん」
ホグバック、アブサロム、ペローナの3人を見せる。
「あのゴーストはこの女の仕業か……」
「この医師が、ゾンビたちを改造していた、死体のスペシャリストだったのね」
「……コイツかっ……ナミさんと結婚するとか抜かしてる変態野郎は!」
「つぎ、るふぃ、の、ぞんび」
「おっ、でっけぇ! これが俺のゾンビか!」
「本当に巨人族よりデカいな……」
「コイツと闘うとしたら、ちと厄介だぞ……」
「つぎ、ぞろと、さんじくん、の、ぞんび」
ジゴロウという名のゾンビ、犬の顔をしたペンギンのようなゾンビが、頭の中に流れてくる。
「コイツらに会ったら、口の中に塩をぶち込めばいいんだな?」
「(コクン)」
「んぁ、塩って何のことだ?」
首を傾げるルフィに、フランキーが呆れる。
「さっきティオが言ってただろうが。ゾンビ共の弱点なんだよ。影を奪い、ゾンビを動かす力は、そのモリアって奴が持ってる悪魔の実の力だからな。海の成分でもある塩に弱ぇんだ」
「へぇ~」
ウソップが、『ウソップ工場』の台を引きずりながら、眉を顰めた。
「ん? けどよ、何でフランキーがンなこと知ってんだ?」
「教えてくれたのさ、あのガイコツ野郎が」
ルフィが表情を輝かせる。
「おぉ! ブルックに会ったのか!」
「あぁ。ゾンビの弱点を教えてくれたのも、影を抜かれた奴は船に乗せられて流されるから、まだ助けられると教えてくれたのも、アイツだ。……そんな奴に、俺ァ野暮な質問をしちまった」
「「「?」」」
フランキーの雰囲気が変わった。
「初め、ルフィがアイツを仲間にすると連れてきた時にァ、さすがに存在ごと完全否定したが……アイツは男だぜ」
「……」
「……」
仲間たちは、黙ってフランキーの話を聞く。
「俺ァ、アイツに訊いたんだ。たとえこの魔の海域を出られたとしても、あの見た目だ。人に受け入れられるワケがねぇ。それでも、何十年もこの海域を彷徨いながら、何のために生きてんのか、ってな」
「……」
「……」
「アイツは言った。グランドラインの入口、リバースマウンテンに、むかし置き去りにした仲間がいて、そいつに、ルンバ―海賊団の軌跡を伝えるために生き続けてるってな」
「リバースマウンテン……?」
「仲間……?」
フランキーは、ブルックの言葉をそのまま伝えた。
『約束の岬で私たちが再会を誓った仲間の名は、ラブーン。……幼いクジラで、とても私たちの危険な航海には連れていけなかった。……もう随分、大きくなっていることでしょう。もしかしたら、まだ、私たちがいつものように音楽をかき鳴らし、大手を振って帰ってくることを信じているかもしれない。……そんな彼に対し、身勝手な約束をしておいて、声も届かぬ遠い空からっ、死んでゴメンじゃないでしょうにっ、男が一度! 必ず帰ると言ったのだから!』
「こういうワケで、奴ァ……」
「ラブーン……」
「あ?」
フランキーが顔を上げると、目の前でルフィが目を見開いていた。
「アイツか……」
「マジかよ……」
ゾロ、ウソップ、サンジも、何かを思い出しているようだ。
「な、何だよお前ら……」
唖然とするフランキーに、ウソップがポンと手を叩く。
「あぁ、そっか。チョッパーにロビン、ティオ、フランキーは、知らねぇんだよな」
「てぃお、は、しってる。めりーに、みせてもらった、から」
「一体、どういうことなの?」
「てぃお、の、て、さわって」
白い手が目の前に伸ばされ、フランキー、ロビン、チョッパーは、その手に触れた。
ティオは、頭の中に在る、ラブーンと麦わら一味の記憶を流し込む。
『お前! 俺の特等席に一体何してくれてんだコラァァ!!』
『アンタが何してんのよお馬鹿ァァ!』
"ウオオオオオオォォォォ"
グランドラインに入って。
一番最初に出会ったのが、ラブーンだった。
一緒に居たクロッカスの話では、50年も前に別れた仲間を、今もずっと待ち続けているのだそう。
ルフィは、メリー号のピークヘッドを折られたことに怒り狂い、ラブーンと喧嘩した。
そして……
『へへっ、俺は強いだろ? ……俺たちの勝負はまだついてねぇんだ。だからまだ戦わなきゃならない。お前の仲間は死んだけど、俺はずっとお前のライバルだ。必ず、もう一度戦って、どっちが強いか決めなきゃならない! 俺たちはグランドラインを一周して、またお前に会いに来る! そしたらまた喧嘩しよう!』
そう言って、ルフィは自分の海賊マークを、傷だらけだったラブーンの頭に描いた。
『これが俺とお前の戦いの約束だ! 俺たちがまたここへ戻ってくるまで、頭ぶつけて、そのマークを消したりするんじゃねぇぞ?』
"ウオオオオオオォォォォ…"