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3. ノックアップストリーム
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すっかり日が落ちて。
クリケットの家では宴会が始まっていた。
「いや~、今日はなんて酒のうまい日だ!」
サンジが次々に食べ物や飲み物を運ぶ。
「さぁさぁどんどん食え! サンマのフルコースだ!」
「くっくっくっ、この必殺タバスコ星を仕込めば……」
「うげっ、辛ぇぇっ!」
「なはははははっ!」
「長鼻テメェ待てやコラ!」
ウソップの
そんな騒がしい宴会の隅で、ロビンはノーランドの航海日誌を読んでいた。
膝に、疲れて眠るティオの頭を乗せて。
"ペラ……"
「?」
最後のページで手が止まった。
それを見て、クリケットが語り出す。
「『ドクロの右目に、黄金を見た』涙で滲んだその文が、ノーランドが書いた最後の文章だ。このジャヤに来ても、その言葉の意味は全くわからねぇ」
聞こえたのか、ティオの目がうっすらと開いた。
視線は、壁に貼られたジャヤの地図へと飛ぶ。
「……」
何かを考えているようだが、その頭の中は誰にも分からない。
ティオは再び眠ってしまった。
「『ジャヤ到着の日、その島に着き、我々が耳にしたのは、森の中から聞こえる奇妙な鳥の鳴き声と、大きな大きな鐘の音だ。巨大な黄金から成るその鐘の音はどこまでも鳴り響き、あたかも過去の都市の反映を誇示するかのようでもあった。広い海の長い時間に咲き文明の儚きに寄せて。たかだか数十年生きて全てを知るふうな我らには、それはあまりにも重く言葉を詰まらせる。我らはしばし、その鐘の音に立ち尽くした』」
クリケットは何も見ることなく、それだけの長い話を語って聞かせた。
「おっさんやっぱしノーランドのこと好きなんじゃねぇかよ~」
「フン、うるせぇよ。……これを見ろ」
どこからか金色の物体が取り出される。
ナミの目が輝いた。
「黄金の鐘!」
「……で、どのへんが巨大なんだ?」
「別にこれがその鐘というわけじゃねぇ。鐘型のインゴットだ。これを3つ、海底で見つけた」
「なんだ~。あるんじゃねぇかよ黄金都市」
「そういうことにはならねぇだろ? これくらいの金だったら、なんでもねぇ遺跡からでも出てくらぁ」
「けれど、この辺りに文明があった証拠にはなるわね。インゴットは金をグラム分けするために加工されたもの。それで取引がなされていたことになるわ」
「あぁそうだ。それに前文にあった奇妙な鳥の鳴き声。おい、マシラ」
「おう!」
マシラは布の包を開いた。
中からは、黄金に輝く鳥が姿を現す。
「こいつはサウスバードと言って、この島に現存する鳥だ」
「へぇ~。鳴き声が変なのか?」
「あぁ。日記に記してあるとおりだ」
「サウスバードと言やぁ、昔っから船乗りの間じゃ……はっ!」
「「「しまったーっ!」」」</font>
いきなりクリケットとマシラとショウジョウが大声を上げる。
「な、なんだ?」
「こりゃまずい! おい、お前ら! 今から森へ行け! 南の森へ!」
「はぁ?」
「何言ってんだおっさん、アホか?」
「この鳥を捕まえてくるんだ! 今すぐに!」
「鳥が何だよ」
「いいかよく聞け。お前らが明日向かうノックアップストリーム。この岬からまっすぐ南に位置している。そこへどうやって行く!」
「船で真っ直ぐ進みゃいいだろ?」
「ここはグランドラインだぞ!? 一度外海へ出ちまえば、方角なんか分かりゃしねぇ!」
ナミが
「そうか! 目指すのが島じゃなくて海だから、頼る指針がないんだわ。じゃぁ、どうすればまっすぐ南へ進めるの?」
「そのために、鳥の習性を利用する。ある種の動物は、体内に正確な磁石を持ち、これによって己の位置を知るという」
「あっはっはっはっはっ! じゃあゾロは動物以下だなぁ!」
「ルフィてめぇ人のこと言えんのかよ!」
「サウスバードはその最たるもんだ。どんなに広大な海や土地に放り出されようとも、その体に正確な方角を示し続ける。とにかく、この鳥がいなきゃ何にも始まらねぇ! 空島に行くどころか、そこに行くチャンスにすら立ち会うことができんぞ!」
「「「えーっ!?」」」
「何で今頃そんなこと言うんだよ!」
「ガタガタ言うな!」
"ガチャッ"
麦わら一味は家の外に放り出される。
「って今は真夜中だぞ! 今から森に入れってのか!?」
「オラ、忘れもんだ」
クリケットは虫取り網を3本投げ渡す。
「俺たちはこれからお前らのボロ船の強化にあたる! 考えてみりゃ宴なんてやってる場合じゃなかったぜ……。いいな、夜明けまでにサウスバードを1羽、必ず捕まえてこい!」