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27. スリラーバーク
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どれくらい時間が経っただろうか。
「……ん……」
ティオは目を覚ました。
「……さにー、ごう……」
見渡せば、見慣れたダイニングで、椅子に座らされている。
そして右を見れば……
「……るふぃ、ぞろ、さんじくん」
3人も、同じように椅子に座らされ、気を失っていた。
しかも……
「ぷふっ」
これ以上ないほどの変顔にデコレーションされているではないか。
思わず笑ってしまった。
おそらくゾンビたちの仕業だろう。
「……あ。てぃお、も、だ」
椅子から立とうとしたが、髪が八方に引っ張られ、天井や床に紐で繋がっていて、身動きが取れなかった。
「お~い、ずいぶん荒らされてるぞ!」
甲板の方から、ウソップの声がする。
ティオは覇気を広げた。
「……うそっぷ、ふらんきー、ろびん、ちょっぱー」
どうやら4人で船に帰ってきたようだ。
ナミの気配だけは随分と遠い。
「よしっ、手分けしてルフィたちを探そう!」
ウソップの声が聞こえ、ティオは息を吸い込んだ。
「ここ、だよっ」
少し声を張る。
「ティオの声だ!」
「上のダイニングみたいだな!」
4人が階段を駆け上がるのが聞こえた。
「ティオ! 大丈夫か! ………ん?」
やってきた4人は、ダイニングの入り口で立ち止まる。
「お、お前、それ……」
「髪の毛すごいことになってるぞ……」
「あら、まるでお日様みたいね。何だか神々しいわ」
ティオはほっぺたを膨らませる。
「……うれしく、ない。はやく、はずし、て」
ロビンがあちこちに手を咲かせ、髪を結びつけている紐を外してくれた。
「つーか、ルフィたちもすげぇデコレートされてんな……。おい起きろよ、ルフィ! んな変な顔で寝てる場合じゃねぇんだよ!」
ウソップがルフィを揺さぶり起こす。
……が、一向に目を覚まさない。
「どいてろ」
フランキーが拳をバキボキ鳴らした。
「起きやがれコルァァ!」
"バキッ、ドカッ、ドゴッ"
3人よりも、座らされていた椅子の方が耐え切れずに壊れ、船が揺れた。
しかし……
「まだ起きねぇ……」
「神経あんのかコイツら。……仕方ねぇ、ここはバズーカで」
左腕を構えるフランキー。
「いや、大丈夫だ」
ウソップがフランキーを制し、床に伸びている3人の前にしゃがんだ。
「こういうときは……」
すうっと大きく息を吸い込む。
「美女の剣豪が肉持ってやって来たぞ!」
そう、叫んだ途端……
"ピク……"
3人はのっそりと立ち上がった。
「美女……?」
「肉……?」
「剣豪……?」
チョッパーが叫ぶ。
「ダメだコイツら!」
とはいえ、起こせたのだから良しとする。
「んぁ~……」
ルフィは寝ぼけ眼で身を起こした。
3回ほどまばたきを繰り返すと、キッと鋭い目つきで目の前のフランキーを睨む。
「この野郎ォ! 俺の影を!」
ルフィはフランキーに飛びかかった。
おそらく、モリアと勘違いしたのだろう。
"ベシッ"
フランキーは手の平でルフィの頭を受け止める。
「静まれバカ。ここにモリアはいねぇよ!」
「んぁれ? ここは……」
「サニー号だ」
「サニー号? 何でだぁ!?」
ゾロも眉をひそめた。
「何で元の場所に……。……そういやデカイ男に影を持って行かれて……」
呟きながら足元を見下ろせば……
「本当に影が無くなってやがるっ」
ルフィとサンジも自分の足元を見降ろした。
「うぉっ、ブルックと同じだァ!」
「妙な感覚だな……」
チョッパーがティオの周りをクルクル回る。
「ティオも影ねぇな」
「(コクン)」
"ぎゅ~、くるるる……"
ルフィのお腹が鳴った。
「あ~……腹減った。何か食いも…って、なんか、ちらかってねぇか?」
ウソップが教えてやる。
「あぁ、ゾンビ共の仕業みてぇだ。宝でも奪いに来たんだろうが、ウチにそんなもん積んでねぇからな。代わりに食糧根こそぎ持ってかれてたよ」
「なにぃぃっ!?」
ルフィは急いで倉庫へ駆け込んだ。
「だぁぁっホントだチキショー!」
どこからか、チーズと乾パンを引っ張り出して、貪りながら出てくる。
「ングング、こんなモンじゃ食い足りねぇ! 肉はどこだ! 肉~っ!」
サンジも倉庫を覗いた。
「本当に根こそぎだな……保存食以外は」
「ほぞん、しょく、しお、はいってるから。もって、いかなかった」
「塩?」
「(コクン) …ぞんび、の、じゃくてん」
フランキーが呆れ顔をする。
「知ってたんなら早く教えろよ。ゾンビ相手に俺たちがどんだけ苦労したか……」
「なくても、だいじょうぶ、かな、て」
「あのなぁ……」
「クシ、持ってきたわよ。おいで、ティオ」
女部屋からクシを持ってきたらしいロビン。
ティオが走り寄っていく。
動きに合わせて、ボサボサになった金髪が揺れた。
「ところで、ナミさんが見当たらねぇが?」
"ナミ"というワードに、ウソップとチョッパーが気まずそうな顔をする。
「それが……」
「ナミは、連れ去られちまって……」
「連れ去られたァァ!?」
サンジはウソップの胸倉を掴む。
「何で地の果てまで追いかけねぇ!」
「す、すまねぇ! 追いかけようのねぇ状況になっちまって……」
「どこのどいつだ! すぐに俺が行って奪い返してくる!」
「ちょ、ちょっと待て! まずは話を全部聞いてくれ!」
サンジは舌打ちしながら、胸倉を掴んでいた手を離した。
ウソップは指を2本立てる。
「手短かに言うぞ。これから取り戻さなきゃならないモンは、大きく分けて2つだ」
ルフィが言った。
「メシ、ナミ、あと影もだろ? 3つだぞ」
「お、おぉぅ、意外なモンがランクインしてた……。と、とりあえず、ナミと影の話をさせてくれ」