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27. スリラーバーク
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一方、サンジを追いかけたティオは……
「「「マ~ウス、マウス!」」」
「しつ、こい……」
天井裏の狭い通路に入った途端、蜘蛛のように手足を8本持つ鼠たちに追われ始めた。
"ヒュヒュッ、ベチャッ、ベチャッ"
蜘蛛鼠たちは、粘着質な糸を吐き、ティオを捕えようとしている。
ティオは
「離しやがれクソっ」
小さく、サンジの声が聞こえる。
おそらく、この粘着質な糸に絡めとられ、身動きが取れないまま運ばれているのだ。
「マ~ウス!」
「マウス~!」
「……うる、さい……
"ズドドドドドドッ"
一気に10匹ほど散らす。
……が、さらにワサワサと湧いてきた。
その様子が虫に似ていて、でもギリギリ鼠の姿をしているから何とか平静を保てている。
出来れば見ていたくない。触りたくもない。
"シュタッ"
蜘蛛鼠たちから逃げ回っていると、少し広い部屋に出た。
サンジはまだまだ先だ。
「ホロホロホロホロホロ」
「!」
「な~んだ、まだ捕まえられてねぇのか?」
突然目の前にふわりと降りてきた、女。
モリアの部下であり、3人の幹部の1人でもある、ペローナだ。
蜘蛛鼠たちに入っている影の多くが人間のため、気配が紛れて気づけなかった。
「……うち、の、こっく、かえして」
ティオは戦闘態勢に入る。
「ホロホロホロ、安心しろ。影さえ貰えりゃ体に用はねぇ。すぐに返してやるよ? ……それよりお前、カワイイ声だな。あたしのお気に入りのゾンビにしてやるから、大人しく捕まりな?」
「ことわる」
「ホロホロホロ、コイツらを相手に、か?」
「……」
話している間に、蜘蛛鼠が増えていることは分かっていた。
ざっと200匹はいるだろうか。
……さすがに、手に負えない。
「「「「マ~ウス、マウス!」」」」
200匹が、一斉に飛びかかってきた。
「……っ」
"ドスッ、バシッ、ズドドッ、バキッ"
飛んでくる糸をよけながら、蜘蛛鼠を蹴散らしていく。
……が、
"ヒュッ、ベチャッ"
「!」
糸を一発くらうと、動きのバランスが崩れてしまった。
"ベチャッ、ベチャベチャッ"
「……っ」
続けざまに、糸をくらう。
「ホロホロホロ、よーし、運べ」
「「「マウスマウス~」」」
「……っ」
ティオは成す術なく、蜘蛛鼠たちに運ばれていった。
連れてこられたのは、何も見えない真っ暗な部屋。
「……」
しかしティオには、目の前に何者かがいるのが分かる。
「キシシシシ、ようやく来たか、2匹目が」
"ガチャッ、ガチャガチャッ"
辺りをスポットライトが照らした。
目の前の何者かが、光の中に映し出される。
「……げっこー・もりあ……」
実際に会うのは初めてだが、巨大な気配ですぐに分かった。
ぐるりと部屋を見渡せば、傍に見知った男が倒れている。
「さんじ、くん……」
気を失っているようだ。
一緒に来たペローナが言う。
「ご主人様、コイツの影はあたしに」
「何だ? 入れて欲しいマリオがあるのか?」
「はい。No.241に、是非」
「キシシシッ、いいだろう」
ティオは、蜘蛛鼠の糸で、天井から吊るされた。
背後から照射されたスポットライトで、モリアの方へと影が伸びる。
「キシシシシッ」
モリアは、ティオの影の頭部分を掴んだ。
"ベリッ、ベリベリッ"
「……っ」
まるでシールでも剥がすように、床から影が剥がれていく。
そして……
"シャキンッ"
大きなハサミが閉じた瞬間、ティオから影が切り離された。
何か、鈍痛のような衝撃が体を襲う。
「……」
ティオは気を失い、カクンと首を垂れた。
"ドサッ……"
投げ捨てられ、サンジの上に落ちる。
「キシシシッ」
切り取られたティオの影は、ペローナの望み通り、No.241のマリオに入れられる。
上半身がナマケモノで、下半身がウサギという、よく分からない組み合わせだ。
動き出したナマケモノウサギを、ペローナはハイテンションで抱き上げる。
「きゃはっ、今日からお前はあたしの忠実な部下、ぐだピョンだ!」
「……んぅ、ねれ、ない……」
「きゃ~っ、かぁわい~い!」
「うぅぅ……」
ナマケモノウサギ・ぐだピョンは、眠そうな目で、ペローナの腕に抱かれた。
「クマシーのときも中身選べば良かった」
ペローナはモリアの方へ振り返る。
「ありがとうございます、ご主人様」
「残りの海賊も早く連れて来い」
「はい。……ふ~んふっふふ~ん」
上機嫌にスキップしながら、ペローナは自分の部屋へと戻っていった。
その数分後。
「おい! こっから出せ!」
棺桶が1つ運ばれてきた。
中からゾロの怒鳴り声が漏れている。
「くそっ、暗くてナンも見えねぇ……いったいどこなんだ? ここは」
"ガタッ"
「?」
突然、視界が少しだけ明るくなる。
棺桶の蓋が開いたようだ。
「キシシシシシッ」
「あ? 何だテメェは」
目の前に現れた、巨大な男。
ゾロは蜘蛛鼠の糸で、天井から吊るされる。
"ガチャガチャッ"
スポットライトが、辺りを明るく照らした。
すると……
「! ……ティオ……アホコック……」
傍らに仲間が倒れているのが見えた。
ゾロは、じろりと目の前の男を睨む。
「……テメェ、何しやがった」
「さぁな。お前も自分の身で理解しな」
"ベリッ、ベリベリッ"
「なっ」
床から、ゾロの影が剥がされていく。
"シャキンッ"
「て、め……っ」
ガクンと、ゾロも気を失った。
「キシシシシッ、オイお前ら、運べ」
「「「はい! ご主人様!」」」
モリアの使用人ゾンビ、ギョロ・ニン・バオの3体が、サンジ、ティオ、ゾロを棺桶に詰めていく。
そして、小さな体で懸命に棺桶を担ぎ、走り出した。