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26. 生きたガイコツ
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ティオが飛びたった頃、サニー号では。
「3人とも、ゴーストに呪い殺されていないといいけど、ふふふっ」
「よせ、縁起でもねぇ……」
「あ~、早く俺もミニメリー乗りてぇなぁ」
「アホかクソゴムっ、それよりナミさんの身を心配しやがれ!」
「オメェこそあと2人の身も心配しやがれ」
「けど、ティオが何も言わなかったから、きっと心配は要らないわね」
ティオの帰りを待つクルーたちは、雑談に花を咲かせていた。
……すると。
"ガコッ、ガラガラガラガラ……"
「「「?」」」
突然、碇が勝手に降りた。
「……何だ?」
「誰も操作してなかったよな?」
「作ったばかりで歯車が緩むわけもねぇし」
「とにかく巻き上げろ。際限なく碇が沈み続けて、船がバランスを失う」
"ガチャンッ"
「「「!」」」
今度はいきなり、ドックへの扉が開く。
「……誰も、触ってねぇよな……」
怪奇現象はそれだけでは終わらず……
"ニョイン"
今度はルフィの両頬が左右に引っ張られた。
まるで変顔しているようだ。
それがサンジの逆鱗に触れる。
「おいルフィ! こんなときになに遊んでやがんだ!」
「んにゃにゃにゃっ、ひげぇよぉ!」
"バチンッ"
「痛ってぇ!」
"ドテッ"
いきなり頬を離されたルフィは、勢いでその場に転んだ。
その傍へ……
"カタタタタっ、シャキンッ!"
「うおっ」
"ザクッ"
勝手に宙を舞ったゾロの刀が、刺さる。
「おい! 危ねぇだろ! 何やってんだお前まで!」
「いや、悪ィ、刀が勝手に……」
「……妙だな」
「あぁ。この船、俺たち以外にも何かが……」
そのとき、ロビンには聞こえた。
"グルルルル……"
まるで、猛獣のような声が。
「またゴーストの仕業か? それとも超能力者的な何かか?」
「さっき、ほっぺたさわられた感触はあったぞ」
「猛獣の唸り声のようなものも聞こえたわ」
「猛獣?」
「この分じゃ、ナミさんやティオちゃんの方にも何か起こってるかもしれねぇ。俺は行ってくる! こっちは任せたぞ!」
そう言って、サンジは海へ飛び出す。
泳いでいくつもりのようだ。
……が。
"パシッ"
海へ飛び込む前に、何かに足を掴まれた。
「んなっ」
そのまま、ベシンッと船の側面に叩きつけられる。
「ほげぇぇっ」
「「「えーっ、カッコ悪ぅ!」」」
「ん? お、おいっ、サンジの奴、浮いてきたぞ!」
何故か、逆さのまま宙に浮き上がるサンジ。
「うおわっ」
"ドスンッ!"
投げ捨てるように、甲板へ叩きつけられた。
「……あーくそっ、一体何なんだ……」
「お前さっき、ほげーっつったぞ」
「るっせぇアホマリモ! 同じ目に遭え!」
「野郎、俺たちを船から出さねぇ気か?」
「目的が見えねぇな……殺そうと思えばいくらでも攻撃できるはずだ」
「あっ」
ロビンの短い叫びに、男たちは振り返った。
「どうしたロビンちゃん!」
ロビンは棒立ちしたまま、4本の手を背後から咲かせ、目の前の見えない何かを押し返そうとしている。
「何かにっ、捕まって……っ」
ベロリと、何かがロビンの頬を舐めた。
「っ、おのれ好き勝手やりやがって!」
ロビンを助けるべく駆け出すサンジ。
だが……
"バシッ"
「うおっ」
"ドテッ"
足を引っ掛けられ、転ばされた。
"グルルルルル……"
「うぉ、本当に猛獣の声だ!」
「一体どこにいやがるっ」
姿が見えなければ攻撃のしようがない。
一味は辺りを見渡し、"何者か"の気配を探した。
すると―――
"ボンッ"
「
"シュッ、ドカッ"
「ぐふ……っ」
ティオが帰ってきた。
空中で、何もないところに回し蹴りを決め、甲板に降り立つ。
「ティオ!」
「無事でよかったティオちゃん!」
「はなし、あと、で」
ティオは何もないところを見据え、右手の指をコキっと鳴らした。
「
"シュッ"
「
"ズドドドドドドッ!"
人体の急所6ヶ所を連撃で撃つ。
「ぐぅ……っ」
何もないところから、呻き声がした。
ルフィが目を見開く。
「ティオお前、見えんのか!」
ティオは首を横に振る。
「みえては、ない。……でも、わかる」
見聞色の覇気により、相手の場所も、次に取る行動も読み取れるのだ。
"グルルルルル……"
"タンッ"
軽い足音がした。
ティオは構えを解く。
「にげた」
「何っ!? 野郎~っ!」
駆け出そうとしたルフィを、ゾロが止める。
「まぁ待て。闇雲に突っ込んでも戦えねぇ。まずはあの3人が先だ」
「あの子たち、無事だった?」
「(コクン) …なみちゃん、すぴーど、だしすぎて、ほり、おちてた、だけ」
「はぁ? ……あんのアホ航海士は」
「てめぇナミさんに向かって何だその言い草は!」
「るっせぇ! 喚くなグル眉!」
「ンだと脳みそ筋肉馬鹿が!」
「闘るか脳みそピンク野郎!」
"ドスドスッ"
「いぎっ」
「うがっ」
2人は、背中の痛~いツボをティオに軽く突かれた。
「はやく、3にんと、ごうりゅう。しま、てきだらけ。あの3にん、だけじゃ、ふあん」
フランキーが船首へ歩き出した。
「んじゃとりあえず、碇上げるか。船動かせねぇからな」
……と言った、そのとき。
"ザバァッ!!"
突然、波が高くなり始めた。
ルフィが甲板を転げ回る。
「うおぉおぉおっ、何だ何だ!?」
「これ、しぜんの、なみじゃ、ないっ」
「誰かが私たちを、どこかへ流そうとしてるのかしら……」
「たぶん、しまの、ほう」
「俺たちを誘い込もうってのかっ」
「おいホゲ! 早く碇上げろ! 船がバランス崩して転覆する!」
「誰がホゲじゃアホマリモ!」
「フランキ~! 船の秘密兵器で何とかしてくれ~!」
「よーし! 飛び出すびっくりプールってのがあるぞ!」
「へぇ~楽しそうだな~! ……って」
「「「アホか!!」」」
荒れ狂う海。
サニー号は成す術もなく、流されていった。
→ 27. スリラーバーク
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