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26. 生きたガイコツ
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……数分後。
「ヨホホホホッ! ハイど~も皆さん! ご機嫌よう! 私この度この船で御厄介になることになりました、死んで骨だけ! ブルックです! どうぞよろしく!」
「「「「「ふざけんな! 何だコイツは!!」」」」」
ガイコツは、普通にサニー号にいた。
傍には満面の笑みを浮かべたルフィと、肩を落としたサンジとナミ。
「ヨホホホホッ、おやおや、手厳し~ぃ!」
「にっしっしっしっしっ!」
「「はぁ……」」
ガイコツはロビンに目を留め、歩み寄る。
「おや美しいお嬢さん。パンツ見せて貰ってもよろしいですか?」
ナミが靴を投げた。
「やめんかセクハラガイコツ!!」
"ゴツン"
「こ、っこ、このガイコツ野郎っ、さっさと退散しやがれ!」
「おおおっ! ウソップ! 悪霊退散グッズ、フル装備だ!」
「えっ、ちょっと……」
ウソップがじりじり詰め寄ると、ガイコツもじりじり後退する。
「お~っ、効いてるぞ! ウソップすげぇ!」
「ったり前だろ! 何たって悪霊退散グッズ、フル装備だからな!」
「えっ、悪霊!? どこどこ!? どこにいるんですか!?」
「「お前だよ!」」
「えええええええっ!?」
「あっはっはっはっはっはっ!」
ルフィは始終笑っている。
「くそっ、ガイコツが動いて喋ってアフロなわけがねぇ! これは夢だ!」
「そうなのかウソップ! ……ほっ、な~んだ」
チョッパーはその場に大の字になって、目を閉じた。
……きっと、この目を開いたとき、そこはいつも通りの楽しい甲板で……
「もしもし、起きて下さい、おはよーございます」
「ん? ぎゃあああっ!」
「うるせえええええっ!!」
見かねてゾロが訊いた。
「おいルフィ! コイツは何だ!」
「ははっ、面白れぇだろ? 仲間にした!」
「"した"じゃねぇよ認めるかァァ!!」
ゾロはサンジとナミの方を向く。
「オメェら、いったい何のためについてったんだ! こういうルフィの暴走を止めるためだろうが!」
「「面目ねぇ……」」
「ヨホホホホホッ!」
「「「?」」」
「まぁ、そう熱くならずに。どうぞ船内へ! ディナーにしましょうか!」
「「テメェが決めんな!」」
「ひゃっはっはっはっはっ! ホントに面白れえ奴だな!」
……まぁ、何はともあれ、ガイコツも含めて、麦わら一味は夕食を囲むことになった。
「ヨホホホホホッ! いやいや、なんて素敵なダイニング! そしてキッチン!」
「ほう、オメェ、なかなか見る目があるじゃねぇか。そうさ、この船はスーパーな俺が作った船だからな」
「おいフランキー、慣れ合うな」
「しかし、お料理のほう、楽しみですね~。私ここ何十年もロクなものを食べておらず、もうお腹の皮と背中の皮がくっつく程の苦しみに耐えながら、毎日を生きてきたんです……お腹の皮も背中の皮も、ガイコツだから無いんですけども! ヨホホホホホッ!」
「あっはっはっはっはっはっ!」
ガイコツのスカルジョークに、ルフィだけが笑う。
「私、紳士ですので、食事を待つ……そんな何気ない一時が大好きで」
ガイコツは用意されていたナイフとフォークを打ち鳴らし始めた。
"カキンッ、カキンッ"
「ディ~ナァ! ヘイ! ディ~ナァ!」
「メ~シ! メ~シ!」
ルフィも一緒になって歌い騒ぎ始める。
「あ、料理長? ドリンクは牛乳でお願いしますよ?」
「るっせぇ! 黙って待ってろ!」
「あ~面白れぇ。ところで、コロボックル」
「あ、いえ、ブルックです。……えっとあの、失礼ですけど私、あなたのお名前をまだ……」
「ん、俺か? 俺ぁルフィだ。ところでお前、いったい何なんだ?」
耐えかねてゾロがツッコむ。
「どんだけ互いを知らねんだお前ら!」
「よーし、出来たぞ」
サンジが夕食の配膳を始めた。
「とりあえず、ガイコツを追い出すのは後回しだ。ひとまず食え、タコ尽くし!」
「ンマホ~! おいブルック! いっぱい食えよ! サンジのメシは最高だから!」
笑って言うルフィだが、ブルックは俯く。
「……私、何だか、お腹よりも、胸がいっぱいで……ぐすっ」
その様子に、サンジは僅かに目を見開いた。
「お前……」
しかし。
「お嬢さんの、少し多いですね。交換してもらってもいいですか?」
ちょっと見直した心は、すぐにどこかへ消え去る。
「おかわりあるから自分の食え!」
……それから、いつも以上に騒がしい食事が始まった。
「もごもごごごっ、もごごっ、もごぉっ!」
「さっきまで生け簀に居たんですか? このタコたち。そんなものまであるんですか、この船は」
「んごっ、もごごごっ、もごっ、もごぅ!」
「いや~本当に凄い船です! こんな船は今まで見たことがない!」
「もごご~ごっ、もごっ、もごごごごごっ」
「ハイ! 是非見学させて下さい!」
ルフィとブルックは、ハイタッチ代わりに、フォークをカチンと合わせた。
ナミはそれを、引き気味に見つめる。
「何で通じてんのよアイツら……」
そして、隣のティオに訊いた。
「ねぇ、アイツいったい何なの?」
「だいじょぶ。もとは、ただの、にんげん」
「ただの、って、どこがよ……」
「「生け~簀~! ヘイ! 生け~簀~ぅ!」」
「黙って食えテメェら!」