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26. 生きたガイコツ
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サニー号の横を通りかかった、大きな船。
船の側面にはびっしりコケが生え、帆は破れており、見るからに古ぼけた船である。
そして、歌はその船内から響いていた。
「なっ、何なのこの歌ぁぁ!」
「耳を塞げぇぇ! 悪霊の舟唄だぁぁ! 呪われるぞぉぉ!!」
「いやああああああっ!!」
大騒ぎの中でも、ロビンとティオは冷静だ。
「この船、何人乗ってるの?」
「たぶん、ひとり。……でも、はんのうが、ふしぎ」
「不思議?」
「けはい、は、にんげん。……でも、うすい。ふつうの、はんぶん、くらい」
それを聞いたウソップがさらに絶叫する。
「そりゃ間違いなく幽霊だ!! おいっ、早くこっから離れようぜ!!」
「あそこに何かいるぞ」
サンジの一言で、全員の目がゴーストシップの甲板に集中した。
暗闇の中、ぼうっと浮かび上がる人影。
「ビンクス~の酒を、届け~にゆくよ」
どうやら、そいつが歌を歌っているらしい。
アフロヘアで、
ティーカップを傾ける、
ガイコツが。
「うほほほっ! 今の見たか!? ガイコツが歌ってたぞ!」
「ひっ、ばっ、バカ! ガイコツが歌うかよ! 幻聴だ幻聴!」
「だって聞いただろ!? なぁティオ! 歌ってたのアイツだよな!? あの船、1人しか乗ってねぇんだろ!?」
「(コクン) …たしかに、うたってた、の、あの、がいこつ」
「何言ってんだティオまでぇぇぇ!!」
「うはは~っ! やっぱりいたんだ! 生きたガイコツ! ぃよ~し「待て待て」
1人で目の前のゴーストシップへ乗り込もうとしていたルフィの首根っこを、サンジが掴んで止めた。
同時に、ゾロが8本の棒切れを握って、ウソップ、ナミ、チョッパーの前に差し出す。
「さ、ルフィと一緒にあの船に乗り込む奴、くじ引きで決めるぞ」
「「「はあああああっ!?」」」
「何でだよ! 行きたい奴がいけばいいだろうが!」
「そうよ! そうしなさいよ!」
「そうしろぉぉぉ!」
「……本当にそれでいいのか?」
「「「……へ?」」」
3人が船の欄干を見れば、3人とゾロ以外、全員が嬉々とした表情でゴーストシップに乗り込もうとしている。
「よ~しっ、行くぞ~!」
「イェ~イ!」
「世の中、不思議な生物がいるもんだな」
「ふふっ、面白そうね」
「しんしゅ、はっけん、かも」
そして、ゾロも一緒に行くつもりらしく、欄干へ近づいて行く。
……つまり、このままでは3人が船に残されるのだ。
「のおおおっ! おっ、俺にもクジを引がぜでぐだざぁぁぁい!」
「おおおいゾロ君待て待て~っ、俺たち3人置いてみんなで行く気かよ~っ!」
「引きます引きます! 引きますぅぅぅっ!」
じれったくなったルフィが眉根を下げる。
「行くのは俺1人でいいよぉ。早くしねぇと船が離れちまう」
サンジがタバコの煙を吹いた。
「バーカ。そうはいかねぇんだよ」
ゾロが再び、3人の前にくじを差し出した。
「一緒に行くのは2人。ルフィがバカやらねぇように、しっかり見張るんだ」
3人は一生分の運をこのくじに賭けるかの如く、天に祈った。
……結果、ルフィのお供は―――
「うぅ~っ、何であたしになっちゃうのよ」
サンジと、ナミになった。
「お~い、ナミ~、まだか~? 早く登って来いよ~!」
小舟をゴーストシップにつけ、ルフィとサンジはガイコツの元へと上がっていく。
しかしナミは小舟の中で膝をついていた。
「だぁから俺1人でいいって言ったのに」
「ダメだ。お前がアホやって俺たちが呪われたらどうすんだ」
「……はぁ、もう、くじ運わるっ」
ナミは諦めて、2人の後を登り始めた。
「んナミすゎ~ん! 大丈夫! 何があっても俺が守るから~!」
「……はぁ……守るって言ったって」
一体何からどう守るというのか……
一方、他のクルーたちは、船から3人の行動を見守っていた。
ウソップとチョッパーは、十字架やらニンニクやらを引っ提げて祈っている。
ティオはというと、ゴーストシップ全体をぐるりと見渡していた。
「……」
だいぶ見えにくいが、帆に描かれているマークには見覚えがある。
あの歌うガイコツにも、当てがあった。