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番外. Gの侵略
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というわけで、サンジ、ウソップ、ルフィ、チョッパーは、アクアリウムバーから出ることに。
「いいか? せーので行くぞ?」
まだゴキ●リの侵入していないこの部屋を守るため、扉は最小限しか開けられない。
「よーし……
「「「「せーの!」」」」
"ガチャッ、バタンッ!"
4人は一斉に飛び出し、すぐに扉を閉めた。
『うほほっ、すっげ~!』
『ルフィっ、早く飛んでくれぇ!』
『サンジ! キッチンは大丈夫そうか!』
『あぁ、問題ねぇ。思ったほど数はいねぇ』
『んよっと、ゴムゴムのっ、ロケット~!』
4人はそれぞれの持ち場へ向かったようだ。
フランキーが呆れ顔で呟く。
「ルフィの奴、楽しんでやがるな」
ロビンが笑った。
「ふふふっ」
……何はともあれ、あとは報告を待つのみ。
「ぞろ、それ、かして」
「あ?」
ティオが指さしたのは、いつもゾロの腕に縛り付けられている、黒手拭い。
"ボンッ"
ティオの姿が鳥に変わった。
「めかくし、して」
「あら、そんなことして大丈夫?」
「(コクン) …とぶ、のに、ししょう、ない。……それに、あいつら、みたら、また、きぜつする」
「それはマズイわね」
ゾロがソファに腰を降ろすと、ティオはその膝に飛び乗る。
指3本ほどしかない小さな頭に、黒手拭いが巻かれた。
するとそこに……
"ガチャッ、バタンッ!"
サンジが飛びこんでくる。
手には小瓶が握られていた。
「ふ~う、お待たせティオちゃん。言われた通り、作ってきたよ」
小瓶の中には、小さな布きれ。
コルクでしっかりと蓋がされている。
「ありが、と」
目隠しされているティオに代わって、ナミが小瓶を受け取った。
「あとは、アイツらが岩場を見つければいいわけね」
……それから、待つこと10分。
『あった! あったぞ!』
『3時の方角に岩場発見~!』
『距離は150mくらいだー!』
展望室備え付けのスピーカーから、3人のはしゃいだ声が聞こえた。
ティオの喉がひくっと鳴る。
……いよいよ、か。
ティオは頭の中で、しっかりと自分の動きをシミュレートした。
お茶を染み込ませた布をくわえ、まずはサニー号の周りを2周飛ぶ。
それで黒いアイツらは引きつけられるはずだから、適度な距離を保ちつつ岩場へ向かう。
あとは布を岩場に置いて退散すれば、作戦完了。
この部屋を出てから再びサニー号に戻ってくるまで、所要時間は目算18秒。
「……いって、くるっ」
決意が揺らがないうちに、さっさと行ってしまおう。
「ぞろ」
「あ?」
「とびら、から、てぃお、そらへ、なげて」
「わかった」
ティオがゾロの人差し指にとまると、ゾロは扉の傍へ歩み寄った。
「なみちゃん、びん、ふた、あけて」
「あ、うん」
キュポっと、瓶の蓋の開く音がした。
ティオは目隠しされたままでも、器用に布をくわえる。
香りからして、調合は成功しているようだ。
必ず、1匹残らずついてくるだろう。
「……」
ティオは目隠ししたままゾロを見上げ、コクっと頷いた。
「よし。一気に行くぞ」
ゾロの手が扉の取っ手に掛かる。
そして―――
"ガチャッ、フォンッ"
ティオは思いっきり空へ投げられた。
バサッ、と黒い翼が風を切り、サニー号の周りを旋回し始める。
仲間たちは部屋から出て、ティオの奮闘を見守った。
"ジジッ……ブブ~~ン……"
1匹、また1匹と、ゴキ●リたちが飛び立ち始める。
2秒と経たず、ティオは真っ黒い大群に追われ始めた。
「うわー……アレは辛いわ……」
ナミが青ざめてティオを見つめる。
ティオはサニー号の周りを2周すると、3時の方向へと進路を変えた。
合わせて、ゴキ●リたちも進路を変える。
"ブブブブブブ"
ティオの言っていた通り、ゴキ●リは本当に1匹残らずティオの後をついていった。
展望室から降りてきたウソップが、望遠ゴーグルで岩場を見つめる。
「……おっ、ティオが布を置いたぞ!」
と、言った瞬間……
"シュォォオオオオッ"
ティオは、行きはゴキ●リを引き寄せるために10秒近くかけていた150mの距離を、わずか2秒で戻ってきた。
ウソップは目を飛び出させる。
「は、速ぇぇ!」
"ボンッ!"
「~~~~~~っ」
"バフッ"
「うおっ!?」
ティオは空中で人の姿に戻り、ゾロに飛びついた。
ガクガク震えながら、声にならない声で嗚咽を漏らしている。
ゾロは反動で、その場に尻もちをついた。
「危ねぇなオイ……」
ナミが傍にしゃがみ、ティオの頭を撫でる。
「よく頑張ったわ~。ありがと!」
シュルっと、目隠しに巻いていたゾロの黒手拭いを、解いてやった。
青い瞳は濡れ、止めどなく涙が溢れている。
慰めるようにウソップが声を張った。
「いや~立派だったぞ~ティオ! 世界一嫌いなものに追っかけられる恐怖……。よくぞ乗りきった!」
チョッパーもトテトテ走り寄る。
「すごかったぞ!」
隣に、ルフィもしゃがんで、頭をポンポンと叩いてくれた。
「なんかよく分かんねぇけど、頑張ったな~ティオ!」
サンジとフランキーとロビンは、見守るような笑みを浮かべて言う。
「今、あったかいココア入れてくるからな」
「一応、あの虫ヤロウの残りがいねぇか、船の隅々まで見てくらァ」
「ふふっ、おつかれさま」
仲間たちの優しさに包まれて、ティオはコクンと頷き、ため息をついてゾロに身を預けていた。