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番外. Gの侵略
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翌日。
「だぁかぁらぁ! 飼わないって何度も言ってるでしょ! さっさと森に返してきなさいよ!」
「ヤダ! 俺はコイツら飼うんだ!」
朝から、船長と航海士が喧嘩中。
昨日、ルフィ、ウソップ、チョッパーは、やはり大量の虫を捕って帰ってきた。
その大半は放してやったのだが、どうしても数匹、気に入った虫たちを連れていきたいらしい。
一度決めたら融通の利かない船長を説得するのは、至難の業。
「飼う!」
「飼わない!」
「飼う!」
「飼わない!」
……このままでは埒が明かないため、ティオが解決の一言を投下した。
「るふぃ。かがらにとう、の、むしは、みんな、しまの、き、の、じゅえき、ひつよう。ないと、いきてけない」
要するに、飼いたければ木も植樹して、しっかり面倒を見ろということだ。
……そんなスペースも気力もない。
ルフィ自身も面倒だと感じたのか、口を"へ"の字に曲げた。
「んぇ~~~~……。……分かった」
とんでもなく嫌そうな顔をしながら、ウソップやチョッパーと一緒に、虫かごを持って森へと向かう。
その後ろ姿を呆れ顔で見たナミは、ティオの頭にポンと手を乗せた。
「助かったわ。ありがと」
「むし、と、くらす、の、やだから」
「あぁ、あははっ、そういうことだったの」
やがて3人が帰ってくると、サニー号の帆が張られた。
ログポースの指す方へ進み始める。
……しかし、ルフィは微妙に納得いかない顔で拗ねていた。
「ぶ~ぅ……」
ウソップがその肩を叩く。
「まぁまぁ、機嫌直せよルフィ。釣りでもしようぜ?」
「おう……」
「チョッパーもやるか?」
「おう! デカいの釣るぞ!」
3人は釣り道具を引っ張り出してきて、海に糸を垂らした。
……数分後。
「うっひょ~見ろコレ! でっけぇイカ!」
「丸焼きにしたら食い入れありそうだな!」
「ぬぁっ、たっ、助けてくれ! 絡みつかれて動けねぇ!」
「うぉおっ!? チョッパー!?」
「こんにゃろ! チョッパーを離せぇ!」
甲板には、いつもの騒がしさが戻っていた。
結局、楽しく騒げるものなら何でもいいのだろう。
……その騒ぎを夢うつつに聞きながら、ティオは甲板で、ゾロと一緒に昼寝中。
ナミとロビンは測量室兼図書室で、趣味を満喫中だ。
「……フランキーの奴、またドックか?」
呟きながら、サンジが船尾から歩いてくる。
どうやらフランキーを探しているようだ。
芝生の甲板に目をやれば、ドックへと降りる入り口が開いていた。
サンジはそこに入り、船底へ続く
「お、いたいた。フランキー」
「ぁん? 何だサンジ、どうした」
フランキーは廃材の山に埋もれ、何か作っていた。
「昨日、あの島で採ってきたハーブを、長期保存用に乾燥させてぇんだが……」
「天日干しさせる台が欲しいのか?」
「いや、日には晒さねぇ。台っつーよりは、室内に天井からぶら下げられるような仕組みがいい」
「分かった。場所は湿気が多くねぇとこがいいんだろ?」
「あぁ。できれば風通しもいいと助かる」
「となりゃ、屋上に干し場所作っちまった方が早ぇな」
2人は
「けどよ、ずっと使うわけじゃねぇぞ?」
「そこは心配すんな。使い終わったら解体できるよう、簡単な作りにする」
「そうか。まぁ、細かいことは任せる」
「おう。すぐに作ってやらァ」
「サンキュー。んじゃ、俺はハーブ取ってくっから」
フランキーは屋上へ、サンジはキッチン内の倉庫へ向かう。
「んー……生で使いたい分もあるからなぁ……7割か8割か……」
乾燥させる分量に悩みながら、サンジは倉庫の扉を開けた。
"ガチャ"
次の瞬間―――
"ワサァ…ッ"
「ぅぉあっ!?」
軽く三桁を超える無数の黒いモノが、一斉に飛び出してきた。
そいつらはキッチンの床・壁・天井を這い、開けっ放しになっていた、甲板へ出る扉を通り抜けていく。
サンジはその
「何じゃこりゃあああああっ!!」
その声に、釣りを楽しんでいた3人が振り向く。
「ん、何だ?」
「サンジか? ……って、何だアレェ!?」
「虫か!? キッチンからいっぱい出てきてるぞ!」
「うははははっ! 何だありゃ! おんもしれぇ~!」
「「どこがだよ!!」」
黒い大群は、瞬く間にサニー号全体に広がっていった。
何やらタダならぬ雰囲気に、ゾロとティオも目を覚ます。
「んぁ……何だ? やけに騒がしいな」
「……ん、ぅ?」
僅かに持ち上げられた目蓋。
ぼやけた青い瞳に映ったのは、うごめく黒…
「ひ…ぁ……っ!?」
ティオは声にならない声を上げ、紙同然に真っ白になる。
そして……
"パタ……"
意識を手放し、芝生に転がった―――。