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番外. Gの侵略
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その日の昼頃。
「くか~……くか~……」
「……すぅ……すぅ……」
サニー号の展望室兼ゾロのトレーニングルームでは、いつもと変わらずゾロとティオが昼寝していた。
安定した晴れ空のおかげで、室内は暖かく、誰もが眠気を誘われる空間。
「すか~……が、んぁ……。……ふぁ~」
目を覚ましたらしいゾロが、あくびをして窓から外を見下ろす。
「……。……ん、島か?」
斜め前方に、小さくだが、島らしき影が見えた。
膝に乗っていたティオの頭をそっと降ろし、スピーカーに歩み寄ってスイッチを入れる。
『10時の方向、島が見えるぞ』
その声に、一番に反応するのはやはり船長。
「島!?」
サンジが作ったカボチャコロッケをおやつに頬張りつつ、欄干から身を乗り出す。
チョッパーとウソップもそれに続いた。
「ホントだ。……なんか平べったい島だな」
ウソップは望遠ゴーグルを覗く。
「んー……ここから見る限り、人が住んでる気配はねぇな」
「あれが魚人島なのか!?」
「いや違うだろ。もしあれが魚人島なら、船の真正面に見えるはずだ。ナミが進路ハズすわけねぇんだから。船の進路からズレてるってことは、別の島なんだろ」
船内から、続々と仲間たちが集まってきた。
ゾロもティオを起こして降りてくる。
ルフィが表情を輝かせて言った。
「ナミ! 舵切れ! 行くぞあの島!」
「何言ってんのよ。ログが書き変えられて、魚人島行けなくなっちゃうわよ?」
「ちょっと寄ってすぐ出りゃ大丈夫だろ~」
「ちょっとって……アンタがそんな程度で戻ってくるわけないじゃない……」
くいくいっと、何かがナミの服の裾を引っ張った。
見下ろせば、寝ぼけ眼な青い瞳と目が合う。
「あのしま、じりょく、もたない。ろぐ、かきかえ、られない」
「えっ、そうなの?」
「(コクン) …あのしま、『カガラニ島』。むかし、りゅうき、した、さんごしょう」
「へぇ~、サンゴ礁の上に草木が根付いて島になったのね」
「(コクン)」
「船長、前言撤回よ。上陸していいわ」
「よっしゃ! 全速前進!」
「ア~ォ! そうこなくっちゃな!」
フランキーが船首へ走り、舵を切って進路を変更した。
数分進むと、サニー号は島に到着した。
サンゴが削られて出来た、白く綺麗な砂浜に船をつけ、碇を降ろす。
島は、周囲を砂浜に囲まれながら、中央はコケと芝生の間のような微妙な草地に覆われ、2~3mほどの背の低い木が密集していた。
あまり背の高い植物はない。
「無人島みたいね」
「なぁティオ! この島、なんか面白れぇモンいるか!?」
「おおきい、いきもの、は、いない。しょうどうぶつ、ばかり。……ただ、むしは、しゅるい、ほうふ。いろいろ、いっぱい、いる」
「虫か~。んじゃあ珍しいカブトムシとかもいんのか!?」
「(コクン) …かがらにかぶと、かがらにくわがた。ほかにも、このしま、しか、いない、むし、たくさん、いる」
「うっほほ~い! 行くぞオメェら! 虫捕りだ!」
それに嬉々として賛同するのは、ウソップとチョッパーだけ。
「よぉ~し、誰が一番カッコイイ虫捕まえられるか、勝負しようぜ!」
「おぉっ、楽しそうだな!」
3人は男部屋へ飛びこみ、虫捕り網とカゴを提げて、意気揚々と船を飛び出して行った。
それを呆れ顔で見送ったナミは、小さくため息をつく。
「あの様子じゃ、夜まで帰って来ないわね……今日はここで一泊かしら」
その隣に、ロビンが並んだ。
「人が住んでいないから、海岸はとても綺麗ね。植物も、色々な種類がありそう」
「しょくよう、はーぶ、なら、いろいろ、しゅるい、ある」
その言葉にサンジが反応した。
「食用ハーブか……。せっかくだし採集に行くかな……」
「なら、あとで、りすと、つくる。どく、もってるの、も、あるから」
「あぁ。サンキュー、ティオちゃん」
「ねぇフランキー、リクライニングチェア出してくれない? あと、パラソルとテーブル」
「あいよ」
ナミとロビンは海岸でのんびりするようだ。
虫にもハーブにも海にも興味の無いゾロは、既に甲板に座り、昼寝の体勢。
……数分後、ティオはイラスト入りのハーブリストをサンジに渡した。
各ハーブの、外見的特徴や香りの特徴、味の特徴などが表にまとめられている。
「この、12しゅるい、たべれる。こっちの、6しゅるい、どく。きをつけて」
「了解だ。ありがとな。今夜のディナーは楽しみにしててくれ」
「(コクン) …いってらっしゃい」
タバコ片手に船を降りていくサンジ。
その背中をある程度見送ると、ティオは踵を返して、昼寝中のゾロの元へ向かった。
まるで呼吸するように、慣れた動きで膝間に収まり、太腿に頭を預ける。
「……お前は行かねぇのか?」
「むし、きらい」
「……そういやそうか」
海岸に寄せる、穏やかな波。
小さく聞こえる、ナミとロビンの話し声。
ときどき、ルフィたちの嬉しそうな声も聞こえた。
久々に何の問題もない1日。
穏やかさをじっくり堪能するように、ティオは眠りへと落ちていった。