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25. バウンティ・ハンター
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「うぅ~~っ
「つってもよぉ……」
「それにしても、ロビンたら何考えてるのかしら……」
ラブリーランドの地下。
何百年も前からある、分厚い氷で作られた牢屋の中。
ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、フランキーは、成す術もなく寄り集まって震えていた。
牢屋は直径10mほどの球体で、出入り口は真上だけ。
出入り口を壊すことは簡単だが、そこまで登る手段が無い。
一味は手詰まり状態だった。
「ていうかゾロ、ティオはどこ行ったのよ。ティオなら飛べるから、あの出入り口まで昇って、あたしたちを引き上げられるのに」
「あ? 知らね。いつの間にか居なくなってたからな」
「居なくなってたって、何かあったらどうすんのよ!」
「大丈夫だろ、アイツなら。……それより、上でウチの旗を見たぞ」
「「うっ……」」
「ルフィが知ったら何て言うか」
「わ、分ぁってんだよンなこたァ!」
「ルフィに気づかれる前に取り返すのよ!」
「へぇ、どうやって?」
「それは……」
「……」
「……」
沈黙が降りる。
「さっき、ロビンちゃんが助けてくれるかもと思ったが、行っちまったしなァ……」
……そう、先ほど、ロビンはリルと一緒にここへ来たのだ。
けれど、仲間たちを助けることはなく、敵であるはずのリルについて行ってしまった。
いったい何を考えているのか……
"ガコッ、ウィーン……"
「「「?」」」
何の音かと、一味が出入り口を見上げれば、ファミリーの世話係らしき男が扉を開けていた。
「リルお嬢様の御友人、ロビン様からの届け物だ。ありがたく受け取れ」
そう言って、袋を一つ投げて寄越す。
「……っ、と」
サンジがそれを受け取った。
早速開いてみると……
「おっ、食べ物と飲み物じゃねぇか! さっすがロビンちゃん! おい、フランキー、これはお前宛てだ」
サンジがフランキーへと投げたのは、コーラの瓶3本。
「へへっ、ありがてぇ」
フランキーは、カラだったコーラ瓶を投げ捨て、新しいコーラをセットした。
「ん~~~っ、スーパー!!」
燃料補給が出来ればこっちのもの。
一味は出入り口を壊し、フランキーの
……その頃。
「ね、パーパ、一生思い出に残る、最高の誕生会にしてみせるからさ。もうちょっとだけ待っててよ」
ドン・アッチーノの説得は続いていた。
ティオは相変わらず、テーブルの陰から機会を伺っている。
すると、突然―――
「俺の旗ァ! 返せえぇ!」
聞き慣れた叫び声が聞こえた。
ティオは肩を揺らす。
(……なんで、しってる、の)
海賊旗を
(まず、い……いそがないと)
「あ、ほらほらパーパ! アイツが3億の首、麦わらのルフィだよ。……ついでにペットも一緒だけど……。今から捕まえてくるからさ」
ゾロが斬り裂いた壁の隙間から、小舟で近づいてくるルフィとチョッパー、フェニックス海賊団の船が見える。
ドンはニヤリと口角を上げた。
「お前ら、怒って悪かったなァ」
……アッチーノファミリーは、全員揃って建物の玄関へと向かった。
(……ちゃんす)
"ポンッ"
ティオは鳥に変わり、くちばしを使って、壁から麦わら一味の海賊旗を外す。
出来る限り空気抵抗を無くすためと、ルフィに見つからないために、くちばしで器用に畳んでくわえると、斬られた壁の隙間から空に舞い上がった。
ルフィに見つからないよう、死角を縫うようにして、遥か上空まで昇る。
(さにーごう、は……)
高いところから見回すと、サニー号はすぐに見つかった。
氷山の狭間で漂っている。
ティオはサニー号までまっすぐに飛び、メインマストのてっぺんに降り立った。
"ボンッ"
人の姿に戻ると、海賊旗をきつくしっかり結わえつける。
「……よし」
これであとは、旗は元から奪われていなかったと、ルフィを騙すだけ。
ふう、と、やり切った感のある顔で、額を拭った。
旗が風に揺らめき始める。
ティオはひとり、満足げなドヤ顔でその旗を見つめた。
「……おっと。みんな、むかえ、いかないと」
我に返り、甲板まで降りる。
誰もいない芝生を縦断して、船首の舵を握った。
―――おかえり。
「……」
心に響くような、声。
ちょっとメリー号に似ていて、でも違う。
……これが、サニー号の声か。
たった今、初めて言葉を交わした。
「……ただいま」
もうすぐ、みんなも帰ってくるから。
そんな思いで、周囲の風を読む。
「……らんきりゅう」
ドン・アッチーノの能力が低気圧を生み、妙な風を起こしている。
ナミがいて、人手があれば帆を張ってコントロール出来るだろうが、ティオ1人では難しい。
ティオは舵輪のダイヤルを0に合わせ、レバーを引いた。
"ガチャ"
サニー号の両側面からパドルが出てきて、海を掻き、進み始める。
フランキーがコーラをチャージしておいてくれて助かった。
ティオ1人では、重たいコーラ樽は動かせなかっただろう。
「……」
ティオは無言のまま、舵を切っていった。
氷山を動かしていたウジャウジャは、もういないらしく、氷山に邪魔されることは無い。
おそらくウジャウジャたちは、アッチーノファミリーの誰かに呼ばれて、戦いの手伝いに借り出されているのだ。
何にせよ、氷山が動かないのは幸運だ。
ティオは覇気で感じられる仲間の元へ、最短距離を進んでいった。