夢主の名前を決めて下さい。
25. バウンティ・ハンター
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
青い空、白い雲、穏やかな波。
ウォーターセブンを出港したサウザンド・サニー号は、初めての航海に難なく乗り出していた。
真新しい木の香りに包まれて、麦わら一味は船の設備を堪能する。
"チャポン……"
「はぁ~……波に揺られて大浴場での~んびりなんて、もうさぁいこ~ぉ!」
ナミは真昼間から入浴を楽しんでいた。
一方、医務室の方では……
「俺の部屋だぁここはっ! 早く患者ぁ、来ねぇかな~!」
聴診器を首から提げたチョッパーが、椅子に座ってクルクル回っている。
それを、隣のキッチンへと続く扉の窓から、サンジが料理の片手間、柔らかい笑みを浮かべて見ていた。
ところ変わって甲板では……
"ザパァ!"
「よ~っし、でっかいサメ釣ったぞ!」
「入れろ入れろ~! 生け簀に入れろ~!」
ルフィとウソップが次々に魚を釣り、備え付けの生け簀に放り込んでいた。
「おらぁ! 入れ! サメ~!」
"バキッ!"
ルフィは、釣ったばかりの凶暴なサメを、殴って生け簀に放り込む。
その生け簀を、水族館のように眺められるアクアリウムバーでは、ロビンが紅茶片手に微笑んだ。
「あら、また入ってきた」
そこに、ロビンのおやつを持ったサンジと、船の調整を終えたフランキーがやってくる。
「ア~ォ、いいだろ? この部屋」
「部屋はいいが、サメって……あのバカ共」
言って、サンジが舌打ちすると同時、部屋の扉が開いた。
"ガチャ!"
ルフィとウソップが駆け込んでくる。
「お~いっ、サメ入ってきたか~!?」
「すっげ~ぇツノ生えた奴!」
ロビンが笑って答えた。
「えぇ、入ってきたけど。今まで釣ったお魚は、みんな食べられちゃったわよ?」
「「?」」
水槽を見れば、何十匹もいたはずの魚は1匹もおらず、満足げな顔のサメが、ヒレで膨れた腹をさすっている。
「「ああああああっ!!」」
サンジが噛みつくように言った。
「共生ってものを考えろ! 当たり前のことだろうが!」
ルフィは拳を構えてサメを睨みつける。
「チキショー! コイツ、今日の晩飯にしてやる! サンジ! 丸焼きだ! こんなアホザメ!」
「待て、素人が。せっかく新鮮な魚だ。寿司か、さっと湯ざらしして、辛い酢味噌でいくのもいい。天ぷらも乙だな」
「ンマほ~ぉ! 腹減ってきた~!」
……そして、マストのてっぺん。
見張り台も兼ねた、ゾロのトレーニングルームでは……
「ふあ~ぁ」
ゾロが備え付けのベンチに腰掛け、窓枠に頬杖をついて大あくびをしていた。
その膝には、ティオの頭が乗っている。
「……すぅ……すぅ……」
穏やかな日の光が差し込む室内は暖かく、誰でも眠気を誘われそうだ。
……しかし。
「ん、雪か?」
さすがはグランドライン。
日はすぐに陰り、瞬時に分厚い雲が空を覆い尽くした。
一気に気温が下がる。
「……すぅ……すぅ……。……ぷしっ」
小さくくしゃみをしたティオは、ぶるっと体を震わせて、丸まった。
それを眠そうな目で見下ろしたゾロは、近場に畳んで置かれていた薄い毛布を引き寄せ、大雑把にティオに被せる。
どうせここで昼寝するだろうからと、ロビンが用意してくれた毛布だ。
「……んぅ……」
ティオは眠ったまま、毛布を体に巻きつけ、芋虫のように丸くなる。
「うっほほ~い! 雪だぁ~!」
「いやっほ~い!」
下の方が騒がしくなってきた。
声からして、ルフィとウソップが甲板で騒いでいるのだろう。
「おいゾロ! 景気
「野郎共ォ! 雪ぃだぞ~ぉ!」
「オメェまだ分かってねぇんだな! このアホ~ぉ!」
「アホ~ぉ!」
ゾロは雪空を見上げながら、眉間にしわを寄せる。
「……くそっ、アイツらに理不尽に罵られることほど腹立たしいことは
「……ぞろ」
「あ? 起きたのか」
ティオが目をこすりながら、のっそり身を起こす。
「ふね、くる。10にん、のってる」
「ぁん?」
言われて、窓から前方を見下ろせば、確かに船が見えた。
……しかし、何だか変な船だ。
ゾロは、甲板に向けて取りつけられたスピーカーのスイッチを入れる。
『おい、前から変な船が来るぞ』
知らせが聞こえて、クルーが全員甲板に出てくる。
風呂上がりのナミが尋ねた。
「変って、何が変なの?」
ウソップが望遠ゴーグルを覗く。
「ん~? 確かに変だな……。帆も無けりゃ旗も掲げてねぇぞ?」
「帆も無いって、それじゃただ漂ってるだけじゃない」
「難破船か、それとも……」
フランキーが顎に手を当てた。
「そういや、海賊の間にゃ、デービーバックファイトとかいう、えげつねぇゲームがあるって聞いたが?」
「「「「「「うん、知ってる」」」」」」」
フォクシー相手に散々な目に遭った……
「人は乗ってるのかしら」
ロビンが呟くと、背後からゾロが答える。
「ティオの話じゃ、10人乗ってるらしい」
そのティオは、毛布で身を包んだままゾロの隣に立ち、ゾロの服の端を掴んでウトウトしている。
「ん、おい、誰か出てきたぞ!?」
望遠ゴーグルを覗いていたウソップが、船の甲板を指さした。
「男が3人……釣りを始めたぞ? やっぱ遭難者なのか? 酷く疲れてるように見える」
サンジがタバコの煙を吹き、ルフィに問う。
「んで、どーすんだ? キャプテン」
ルフィはニカっと笑った。
「まぁとりあえず行ってみよう! 敵ならぶっ飛ばすだけだ、にっしっしっ!」
船長の決定を受け、サニー号は10時の方角へ舵を切った。
1/11ページ