夢主の名前を決めて下さい。
24. 水の都、出港
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エニエス・ロビーの一件から、約1週間。
ウォーターセブンの暮らしにもだいぶ慣れてきた、朝。
「ログが溜まった! 次の島を指し始めたわ」
ナミがログポースをはめた腕を突き出した。
ルフィはワクワクを押さえ切れない様子。
「んじゃ! あとは乗る船だけだな!? 楽しみだァ~っ!」
「そうね、驚かせたいから完成まで見に来るなって言われてるし!」
傍で酒を仰いでいたココロが言った。
「オメェたち、そのログを辿ると、どこへ行くか知ってるかい?」
「いいえ? ……そういえば、針が心なしか、下を向いてるような……」
「んががががっ、そりゃそうら。次の島は、海底の楽園、魚人島らよ」
すかさずサンジの目がハートになる。
「えええええええっ!? ぎょぎょぎょ、魚人島ォ!? ついに~っ!?」
ナミは深いため息をついた。
「魚人島か……複雑……」
ルフィが手をポンと叩く。
「あ、そっか。オメェの村のことがあるからなァ」
魚人海賊団、アーロン一味。
「けどよ、魚人つってもありゃ海賊だろ?」
と、いつも通り膝間にティオを座らせているゾロが言うと、その周りを興奮したサンジがくるくる回る。
「その通りだァ! よく分かってんじゃねぇかクソマリモォ! 馬鹿の癖に~ぃ!」
サンジはシュタっとポーズを決めて止まり、熱く語り出した。
「魚人島はグランドラインの名スポット! 世にも美しい人魚たちが海上に弧を描き、魚たちと共に戯れる夢の王国!」
「ん、ゴホン」
「?」
聞こえた咳払いに、サンジが目をハートにしたまま振り返ると、満面の笑みを浮かべたココロが……
「ぐぁ……っ」
サンジのハートの目が崩れ落ちる。
……そうだ、このオバさんも人魚だった。
そのまま床に膝をついたサンジは、バシバシと床を叩き始める。
「夢くらい見たっていいじゃねぇか! 海賊だもの!」
「いるよ! ちゃんと
テーブルでコーヒーを飲んでいたロビンが言う。
「海底っていうのが、気になるけど」
「そうよねぇ、どうやって行くのかしら……」
顎に手を当てる航海士をよそに、船長ルフィは超ポジティブ。
「そこはまぁ、行ってみりゃ分かるよ!」
ナミは呆れ顔でフっと笑った。
「それもそうね。詳しいことはティオが知ってるだろうし?」
ナミと目が合ったティオはコクンと頷く。
ココロが酒を仰ぎつつ、ナミの前に新聞を放り投げた。
「問題は行き方じゃぁないよ? 一面を見な。最近の新聞だ」
「行き方以外の問題? ……えっ、何よこれ。『今月もまた14隻、船が消えた』……って、どういうこと?」
「んががが、魔の三角地帯、フロリアントライアングル。楽園に到達するためには、必ず通ることになる海域だ。その海域では、毎年100隻以上の船が消息不明になるんだ。……そして後々、船員だけが消えた船が見つかったり、死者を乗せたゴーストシップの目撃情報が後を絶たない」
チョッパーが縮み上がった。
「おっ、オバケ出んのか!? 怖えぇ~っ!」
ルフィは目を輝かせる。
「生きたガイコツに会えんのかぁ!? なぁティオ! いるか!? 生きたガイコツ!」
ティオとゾロはジト目を向けた。
「……さぁ。すくなく、とも、てぃお、は、しらない」
「どんな生きモンだ、そりゃ……」
ナミはチョッパーと抱き合うようにして震える。
「嫌よ! そんな船には絶対に遭いたくない! ……っその海域、何が起きるの!?」
「んががが、さぁねぇ。その身に何かが起きた奴らは、その海域から出ちゃぁ来れねぇんだから。……霧の深い場所だ。気をつけな?」
「いやああぁぁっ! ティオ! 何があるのその海域! アンタなら知ってんでしょ!?」
ティオは半目で首を傾げる。
「いって、いいの?」
「えっ? どういうことよ……っ」
「たのしく、なくなる、よ? ぼうけん、したく、ないの?」
「なっ、冒険より命「ダメだティオ! 言うな!」
ルフィが血相を変えてナミの言葉を遮った。
「俺は冒険してえ! だから言っちゃダメだぞ!」
「りょーかい、きゃぷてん」
「ふざけてんじゃないわよお馬鹿キャプテン! ティオ、いいから教えなさい!」
「ダメだっつってんだろナミ!」
「アンタねぇ! 冒険と命とどっちが大事なのよ!」
……デッドヒートする船長VS航海士の口喧嘩。
ココロが笑った。
「んががががっ、海賊王は肝が据わってるねぇ。……まぁなんにしろ、危険の多い海だ。しっかり準備していきな?」
サンジがタバコの煙を吹く。
「まぁ、ただの遭難なら、食糧もたっぷり積み込んでくつもりだ。だから安心して~っ、んナミすゎん!」
「ただの遭難なわけないじゃない! 絶対タダごとじゃないわよォ!」
「あぁ~っ、怖がってるナミさんも素敵だァ~っ!」
ロビンが何かを企んだ瞳で、一言零した。
「商船や海賊船のなれの果てのゴーストシップには、宝船の伝説がつきものよね?」
それを聞いた途端……
「ゴーストシップを探すのよ!」
ナミの目がベリーになった。
ルフィも「任せろ!」と張り切る。
ゾロもあることに気づいた。
「待てよ? 宝船ってこたァ、刀も……」
ティオが下から見上げ、期待をぶち壊す。
「さびて、ないと、いいね」
「……」
ゾロは深く長~いため息をついた。