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24. 水の都、出港
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……ゾロに有無を言わせず、勝手に始められた家の修復。
子供たちは手分けしてそれぞれの仕事についた。
ゾロは、何とか赤ん坊を返して家を出て行こうとする。
「おいホイケル、
ホイケルは真剣な顔で廃材をいじっており、全く反応しない。
そこに水を差すのは悪い気がして、一歩引いたそのとき……
「んなっ」
足元で別の赤ん坊が壁に落書きしていた。
「やめろよコラっ」
つい反射で拾い上げてしまう。
そして、ホイケルが駄目ならとマイケルの元へ行くと……
「おいマイケ…ぅぉおっ!?」
頭上の食器棚から、3人目の赤ん坊が落ちそうになっていた。
「あ~ぅ!」
案の定、赤ん坊は落ちた。
既に両手が赤ん坊で塞がっているゾロは、成す術なく顔面で受け止める。
"バフッ……ぷぅっ"
「んぎっ」
顔の上で放屁された……
しかし相手は赤ん坊だからと怒りを納め、ゾロは2階へ上がる。
そこにベビーベッドがあったため、赤ん坊3人をその中へ入れた。
そして、オバハンの元へ行く。
「おい、俺ァもう帰るんだ。シャツ返してくれ」
「ぁん? なぁに言ってんだい。この家以外に帰るところがあるのかい?」
「あぁ。仲間が待ってんだ」
「馬鹿だねぇ。家族と仲間のどっちが大事なんだい」
「何が家族だ。俺はテメェから生まれてきた覚えはねぇし、血も繋がってねぇだろうが」
「うるさいねぇ! 血の繋がりが何だってんだい! そんなに血の繋がりが大事なのかい!?」
「……は?」
いきなりキレられ、唖然とするゾロ。
と、そこへ。
"ガチャ"
勝手に玄関扉を開け、誰かがやって来た。
「よぉ、邪魔するぞ。今日こそはケリつけさせてもらうぜ?」
男が3人。
真ん中の男がボスのようで、1人だけいい身なりをし、1枚の紙をこちらに向けている。
印鑑が押してある辺り、借金か何かの取り立てに来たのだろう。
オバハンは怯まず胸を張る。
「フン、おととい来やがれ」
「おとといも昨日も来たじゃねぇか! ……あ? 何だこの緑頭の奴。どっかで見た顔だな……。また新しい家族か?」
「そうだよ」「違う」
「どっちだよ! ……まぁどうでもいい。ともかく、ガレーラのパウリーじゃあるめーし、いつまでも渋ってんじゃねぇぞババァ!」
「だから、借りた分はとっくに返したろ?」
「フン、ば~か。借金には利子ってもんがあんだろ? その利子が利子を生み、借りた金の何倍にも膨れ上がってんだよ」
「そんなのアタシが知ったこっちゃないね。アンタが自分で払いな」
「んだとこのクソババァっ……まぁ、何もアンタ1人苦労しろってんじゃねぇんだ。ガキ共をこき使やぁ楽に稼げるぜ。どうせ本物の家族じゃねんだろ?」
オバハンの額に血管が浮き出る。
「……何だってぇ?」
そこでゾロは気づいた。
(……そういや、どいつもこいつも顔が全然似てねぇな)
"ドカッ"
「ぐぁっ」
オバハンが布団叩きで借金取りのボスを家の外へ追いやる。
「ってぇ~! 何すんだこのババァ!」
「もういっぺん言ってみなァ! その首フッ飛ばしてやる!」
「やろぉっ」
"ガチャ、ガチャガチャ"
男たちは懐から拳銃を取り出した。
「やっちまえ!」
「「おう!」」
引き金に指が掛けられた、そのとき―――
"ヒュッ―――スパパパパッ!"
鋭い音がして、拳銃の銃口が輪切りになって落ちた。
「「「んなっ」」」
男たちの傍にはいつの間にか、新しい家族だとかいう緑頭の男が。
その手には刀。
ギラリと、悪魔のような目が3人を捉えた。
「「「ひぃ……っ」」」
縮み上がる3人。
「まっ、まぁ、今日のところはこれくらいにしといてやらぁっ、行くぞオメェら!」
「「へい!」」
3人は一目散に逃げていってしまった。
「フン、雑魚が」
呟きながら、ゾロは刀を鞘に戻す。
「「「わあ~!」」」
「ぁん?」
「すっげ~!」
「さすが兄貴!」
「いい子だ! 母さん嬉しいよ!」
「だから俺は……はぁ」
「よ~し! みんなで晩飯の買い物に行こうかねぇ!」
「「「は~い!」」」
「じゃ、そろそろ俺は……ぁあ!?」
突然、哺乳瓶が飛んできた。
ゾロはそれを反射でキャッチする。
「ほら、早くしな。アンタも行くんだよ」
……そう、"みんなで"買い物に行くということは、あの3人の赤ん坊もつれて行くということで……