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24. 水の都、出港
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「ぜぇっ……ぜぇっ……」
裏街中を走り回る羽目になり、さすがのゾロも少し疲れる。
「この裏街は俺らの庭みたいなもんっス」
「逃げ切るのは無理っスよ」
「るっせぇ……テメェら、人をからかうのもいい加減にしろ!」
"ゴチンッ"
「「痛ってぇ~! 酷いっスよ兄貴~」」
「だから兄貴じゃねぇ!」
"ヒュッ―――シュタッ"
「ぁん?」
突然、ゾロの後ろに人影が現れた。
"ヒュオッ!"
「!」
武器が振り下ろされる気配。
ゾロは反射的にその武器を受け止めた。
"ガシッ"
「っ……何だテメェは」
「フンッ、ウチの子に手ぇ出すたぁどういう了見だい!」
声から察するに、相手は女。
マイケルとホイケルの母親のようだ。
「チッ……大したパワーだぜ。何なんだよこのオバハンはよぉ!」
一瞬だけ力を籠め、オバハンを弾き返す。
「ぅおっと!」
意外にも、オバハンはバック転でゾロの押し返しをいなした。
「ほっほ~、やるねぇ小僧。……だったら、必殺・バンバントルネード!」
オバハンは両手に布団叩きを持った状態で、竜巻のように体を回転させる。
ヤル気か? とゾロは口角を上げて臨戦態勢を取った。
しかし……
「やめろ母ちゃん!」
「兄貴は悪くねぇ!」
マイケルとホイケルが水を差す。
「何だって? お前ら、また悪さしたのかい。この馬鹿タレ!」
"ゴチンッ"
「「痛ッ!」」
2人は脳天を布団叩きで叩かれた。
「悪かったねぇアンタ。だが嬉しいよ。コイツらの兄貴になってくれたなんてさ」
「いや、なってねーよ」
家族そろって人の話を聞かねぇのか、と思っていると、10歳にも満たないような小さな子供たちが集まり始める。
オバハンがその子供たちをゾロの前に押しやった。
「ほら、挨拶しな」
「……よ、ヨーコです」
「おいらユウヤ!」
「……ショウ」
「あたしアヤコ」
「僕、アキヒロ」
子供たちに、マイケルとホイケルが言った。
「お前ら、ゾロの兄貴だぞ!」
「俺らの新しい長男だ!」
「長男……ってまさか、本物の兄貴になれってのか?」
オバハンは、子供たちが抱いていた乳飲み子3人を預かり、背負った。
「さ、ついといで。アクアラグナで壊れちまった家の補修作業が溜まってんだ」
「んなっ、はぁ!?」
誰がいつ家族になったんだ、と文句を言おうとすると……
「兄貴!」
「兄貴!」
子供たちが一斉に群がって、どこかへ連れていこうと引っ張り始めた。
「おっ、おい待て! 俺は納得してねぇぞ! おい離せって!」
「さぁ帰るよお前たち」
「「「お~!」」」
……というわけで、連れていかれた先は一軒の家。
入ってみると、家の半分はガラクタの山が陣取っていた。
「あのガラクタは何だ?」
マイケルとホイケルが答える。
「母ちゃんが仕事でいない間、俺たち子守りをしながら、港で廃材を拾って来て、溜まったら週末にガレーラへ売りに行くんだ」
「結構いい小遣いになるんすよ」
「ふ~ん。……んじゃ、おふくろさんによろしくな」
「えぇっ!? 本当に行っちまうんすか!?」
「
「あ~ぅ」
「ん?」
どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえたため、見上げてみると……
「んなっ、危ねぇ!」
赤ん坊が廃材の上によじ登っていた。
床から軽く2mはある。
落ちたら大怪我だ。
"バキッ"
言ったそばから廃材が折れる。
「ぅおあっ!」
ゾロは反射で飛び出していた。
滑り込む形で何とか赤ん坊をキャッチする。
「ふう……危ねぇ」
「ナイス子守りっス!」
「ぅ、あぅ、ぅぁああん!」
「んなっ、泣くんじゃねぇ!」
「兄貴! コレを!」
ホイケルが投げて寄越したのは哺乳瓶。
ゾロはそれを片手で受け取り、くるりと回して赤ん坊の口に入れた。
途端、赤ん坊は泣き止む。
すると……
「「「おぉ~」」」
パチパチパチと、家族揃っての拍手が巻き起こった。
オバハンも口角を上げる。
「なかなかやるじゃないか」
「なっ、今のは別に……」
「さっすが兄貴!」
「赤ん坊の扱い上手いっスね!」
「だから違……ってなにぃ!?」
腹の辺りを伝う、生暖かい感触……
「だぁぁっ漏らしやがったぁっ!」
Tシャツがびしょびしょになる。
「ったくしょうがないねぇ。あらよっと」
「ぅおあっ、何しやがる! 変態か!」
ゾロはオバハンにTシャツを剥ぎ取られた。
「洗濯するんだよ。乾くまでそれ着てな」
「な、何だこりゃ……」
渡されたのは、オバハンの似顔絵入りのTシャツ。
しかもサイズが小さい……
……なんだか、へそ出しルックのようになってしまった。
「ほれ、この子の世話、頼んだよ?」
と、お締めを替えられた、先ほどの赤ん坊を渡される。
「よーしみんな、さっさと家の修復済ませちまうよ!」
「「「おぉ~!」」」