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23. 涙の別れと海軍の英雄
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「さてと、んじゃぁお前ら」
ガープが海兵たちを前に立つ。
海兵たちは一様に敬礼した。
「「「はっ、ガープ中将!」」」
「この壁、直しとけぇ!」
「「えええええっ!?」」
「そんな勝手なぁ!」
「直すくらいなら何で壊したんですか!」
「そうやって入った方がカッコいいじゃろ」
「そんな理由で壊さないで下さいよ!」
「じゃぁ我々直すんで、あなたも手伝ってくださいよ?」
「え~っ? ……いいよ」
……というわけで、ガープも含め、海兵総動員で壁の修復が始められた。
一味は呆気にとられる。
「……おいルフィ、お前のじいさん偉いんじゃなかったのか?」
「さぁ。仕事のことはよく知んねぇ。ティオの方が知ってんじゃねぇか? なぁ?」
「ちゅうじょう、いつも、こんな、かんじ」
「……いいのかい? こんなんで」
「(コクン)」
「あぁ、そう……」
金槌の音が響き渡る。
適当に釘を打ちつけていたガープは、ふと思い出し、顔だけルフィに向けた。
「そういやルフィお前、オヤジに会ったそうじゃな」
「んぁ、父ちゃん? 何だよ、俺にそんなモン居んのか?」
「なんじゃい、名乗り出やせんかったのか。ローグタウンで見送ったと言っとったぞ?」
「ローグタウン?」
ルフィは首をかしげるばかり。
その服の端が、クイクイっと引っ張られた。
「んぁ、ティオ?」
青い瞳がじっと見上げてくる。
「るふぃ、おとうさん、しらなかった?」
「ん、あぁ」
「なら、さがし、たげる。きおく、みても、い?」
ティオはルフィの顔へ両手を伸ばした。
「オメェ、俺の父ちゃん知ってんのか?」
「(コクン)」
「へぇー、相変わらず何でも知ってんなぁ」
ルフィが中腰になると、ティオはその両頬を挟み込み、目を閉じた。
ルフィの記憶を順繰りにさかのぼっていく。
「……。……いた」
「ん、どれだ?」
「これ」
ティオは読み取った記憶を、ルフィに送り返した。
ちょうど、スモーカーにやられかけていたときに助けに現れた、マントを羽織った男の映像を。
といっても、翻るマントの端と、スモーカーの十手を掴んだ腕がチラっと見えただけで、顔も全体像も分からないが。
「へぇー、これかぁ。チラっとしか見えなかったんだよなぁ」
「このひと、しらなかった、の?」
「ん? あぁ。ぜーんぜん」
ティオが手を離すと、ルフィも中腰から元に戻った。
ナミが歩み寄ってくる。
「いったい誰なの? 興味あるわ。ルフィのお父さん」
「何じゃぁティオ、お前、それも伝えとらんかったのか」
「しってる、と、おもって、た」
「とんだすれ違いじゃな……。ルフィ、お前の父の名は、モンキー・D・ドラゴン。革命家じゃ」
ルフィはまばたきを繰り返す。
「ドラ、ゴン?」
対して、麦わら一味も、海兵たちも、みんな目を見開いて固まった。
「「ええええ!?」」
家が揺れるほどの叫び声が響き渡る。
「かっ、革命家ドラゴンにっ、息子がいたのか!?」
「ルフィさんがっ、あのドラゴンの子!?」
「じゃ、じゃぁ、ドラゴンは……ガープ中将の子ォ!? 何なんだっ、コイツの家系はいったい!」
「ドラゴンのフルネームなんて、初めて聞いたぞ!」
ルフィは眉をひそめ、仲間たちを振り返った。
「お、おい、何だよみんな。何をそんなに」
サンジとナミが目を剥く。
「バカ! お前っ、ドラゴンの名を知らねぇのか!」
「アンタのお父さんてば、とんっっでもない男よ!」
「んぇ?」
見渡せば、ルフィを除く全員が事の重大さが分かっている様子。
ティオもコクコクと頷いていた。
「なぁおい、ロビン……」
「……そうね、何て説明したらいいかしら。海賊は、自分から政府や海軍を襲うことは無いけど、今、世界政府を直接倒そうとしてる力があるの。それが"革命軍"。その頂点に立つ男が、ドラゴンよ。今世界中でその思想が広がって、王国に反乱を招き、幾つもの国が倒れてるの。世界政府は当然怒り、革命軍の黒幕・ドラゴンをずっと探し回ってるんだけど……彼は素性の片鱗すら全く掴めない、謎の男だった……のに」
今、この場で、ルーキー海賊ルフィの父であり、海軍の英雄ガープの息子であることが知れた。
ロビンはティオに目を向ける。
「でも、待って。ならどうしてティオは知ってるの? 世界政府はドラゴンのことを何一つ掴めてないって……」
「(コクン)…しってるの、せいふ、と、かいぐんの、じょうそうぶ、だけ」
「……なるほど、世界政府や海軍の信頼に関わるから、公式には伏せられているのね?」
「(コクン)」
突然、ガープの操る金槌の音が止まった。
「ティオ、やっぱりコレ、言っちゃまずかったかの?」
「(コクン)…ばれたら、げんすい、おこる」
「おぉ、そりゃマズイな。ぶわっはっはっ! んじゃ、今の、なし!」
「「「……え、」」」
「「ええええ!?」」
……ウォーターセブン全土に響き渡るくらい、その場の全員が心から叫んだ。