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2. 麦わらの一味
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しばらくして。
「ル、ル、ル、ルフィ!? ゾロ!? 何だお前らその怪我!」
メリー号と街をつなぐ橋に現れたルフィ、ゾロ、ナミの姿に、ウソップは青ざめた。
何故かルフィとゾロが血
「ナミさん! ナミさんは無事か!!」
サンジは案の定、ナミだけを気にする。
ちなみに、ナミには傷一つない。
「い、い、医者ぁぁぁぁぁ!!」
「いやだからお前が診ろよ!」
"ベシッ"
「あイテっ!」
3人が船に上ってくると、青いリュックを持ったチョッパーが駆けつけた。
「んで? いったい大怪獣なにモゲラと戦ってきたんだ?」
ルフィとゾロが揃って怪我をして帰って来たのだから、相当 手強い敵と闘ったに違いないと、ウソップは考えたようだ。
しかし、ルフィはニカっと笑い、ゾロも満更でもない様子で口角を上げる。
「怪獣じゃなくて海賊だ。でもいいんだ、もう済んだから!」
「あぁ」
しかし、ナミはささくれ立っていた。
「アンタたちが済んだって、あたしの気は済んでないのよ。何よもう! 男なら売られた喧嘩全部買って、ぶっ飛ばしちゃえばいいのよ! いいえ、こんな腹立つ街、いっそ丸ごと吹き飛ばしちゃえばいいんだわ!」
「お前、最初は喧嘩すんなとか言ってたじゃねぇか……」
ゾロがため息混じりに言うと、ナミがキッと睨んでくる。
「過去は過去よ! 古い話してんじゃないわよ! 張っ倒すわよアンタ!」
ウソップがこっそりルフィに耳打ちで訊いた。
「……おい、何で無傷のアイツがあんなに荒れてんだ?」
「さぁ、わかんね」
ティオはその様子をじっと見ていたが、やがて、ゾロに近づき、その眼前にしゃがむ。
ゾロは眉をひそめ、無表情のティオの顔を見下ろした。
「……何だよ、お前も文句あんのか?」
「……」
ティオはゾロの質問には答えず、ただじ~っとその目を見ていた。
そしておもむろに、ひとさし指を伸ばす。
「?」
まっすぐ伸びた指は、ゾロの鼻頭にチョンと触れた。
「……」
「……何してんだ?」
「おつかれ、さま」
「は?」
ティオは指を離してすくっと立ち上がる。
そして船の欄干に歩み寄って、モックタウンを見下ろした。
「……」
ティオはゾロの鼻先に触れて、記憶を掠めるように読んだ。
飲み屋で空島のことを尋ねたがために、ベラミー海賊団に笑いものにされた映像。
でもその喧嘩を決して買わず、ただ殴られ続けるルフィとゾロと、それを悔しそうに見るナミの表情。
「そうだ! 空島の話は聞けたのか?」
チョッパーが話題を変えようと気を利かせたが、逆効果。
ナミの周りだけ空気が暗転する。
「そーらーじーまぁ?」
「ひぃっ……」
「知らないわよもう! 空島って名前を出しただけで、店中大爆笑! 私そんなに面白いこと言った!?」
「ひ、必殺ケチャップ星~……」
「が、
ウソップとチョッパーは、ナミのあまりの怖さに、自己防衛本能を発動させた。
「あら、ずいぶん賑やかね。そんなに荒れてどうしたの?」
「あぁっ、お帰りロビンちゃん!」
どこへ行っていたのか、紙袋を両手に抱えたロビンが船に戻ってきた。
ルフィがきょとんと瞬きをする。
「なんだロビン、どっか行ってたのか?」
「えぇ。服の調達と、空島の情報でしょ? ティオの服もいろいろ買ってきたから、後でサイズを見てみましょうか」
「てぃお、にも?」
ほんのりと頬が赤くなる。
それを見てロビンは微笑んだ。
「えぇ。これからしばらく必要でしょ?」
「……ありがと」
「ふふ、どういたしまして」
「そうよ! アンタよロビン! あんたが空島がどうとか言い出すからこんなことになったのよ!」
ナミの大荒れはまだ続いているようだ。
「
"ザパァ~ンッ!"
あまりの怖さにチョッパーが本能的に離れようとして、誤って海に落ちてしまった。
「おいチョッパー!」
"ザパァ~ンッ!"
ゾロが慌てて海へ飛び込んでいく。
「もし空島なんてものなかったら、アンタを海の藻屑にしてやるわ!」
ウソップが呆れ顔で言う。
「あ~……今はそっとしといてやってくれ……っていうより、近づかねぇほうがいいぞ」
「そらじま、あるよ」
「「「「!?」」」」
ティオの一言に、一味の視線が全て集まる。
「あぁ、そうだった。ナミさんたちが戻ってきたら、詳しく話すって予定だったな」
「そらじま、しってるひと、すくない。だから、わらわれるの、あたりまえ」
ティオは空を見上げて話し出した。
「そらじま、いく、ほうほう、ふたつだけ。ひとつ、『ハイウエストの頂』けいゆする、ほうほう。くるーのうち、なんにんかだけ、とうたつできる。ふたつめ、『ノックアップストリーム』。くるー、ぜんいん、とうたつするか、ぜんいん、しぬか。ぜろか、ひゃくの、ほうほう。このしま、ふたつめの、ほうほう、できるとこ、いわれてる」
「2つ目の方法…ってことは、全員生きるか死ぬか、0%か100%の方法ってことか!?」
青ざめるウソップに対し、ティオは無表情。
「(コクン)」
「コクンってお前なぁ!」
「へぇ~、そりゃすげぇや! そんで? どうすりゃいいんだ?」
「てめぇルフィ今の話聞いてたのかコラァ! 生きるか死ぬかだぞ!? やめろ!諦めろ!今すぐ諦めるんだ!さぁ!」
ウソップがルフィの胸ぐらをつかんでブンブン揺らすが、ルフィはティオを見たまま視線を移さない。
「そらとぶ、かいりゅう、のっくあっぷすとりーむ、のる」
「空飛ぶ海流?」
ルフィは航海士であるナミを見るが、ナミも首をかしげる。
「そんなの聞いたことないわ」
麦わら一味は揃って目を見合わせる。
「くわしい、はっせい、ばしょ、しらない。みんな『ハイウエストの頂』えらぶ。ふたつめの、ほうほう、やるひと、ほとんど、いない。だから、でーた、のこって、ない」
「なんだ~」
ルフィが眉間にしわを寄せてほっぺたを膨らませる。
「ふふ、だったら……はい、船長さん?」
ロビンの手がルフィの目の前に咲き、地図を一枚渡した。
「お、宝の地図だ」
地図を広げるルフィの手元を、ウソップが覗き込む。
「違げぇよ。ただの地図だろこりゃぁ。どこの島だ? ロビン」
「この島よ。左にある街の絵がここ、現在地モックタウン。そして対岸。東に×印があるでしょ? そこにジャヤのはみ出し者が住んでるらしいわ」
「「「はみだし者?」」」
「名前はモンブラン・クリケット。夢を語って、この街を追われた男だそうよ。話が合うんじゃないかしら? ……おいで、ティオ。服のサイズを見てみましょう?」
ロビンから感じられるのは、暖かい、愛でるような感情。
……幼い頃のロビンは、クザンの記憶の中で何度も見たため、多少は知っている。
ごく普通の子供だった。
しかし、その後の20年は実際どうだったか分からない。
裏社会を渡り歩いているという情報が多く、オハラ出身ということもあり、『悪魔の子』として世界政府から恐れられている。
……けれど、もしかすると、本当は8900万ベリーも懸けられるような人では……
「(コクン)」
ティオは、自分の見聞色の覇気に従って、ロビンの元へ走っていった。
"ガチャッ"
ロビンが船室の扉を開けると、ティオは吸い込まれるようにそこへ入っていく。
"バタン"
船室の扉が閉まると、甲板のみんなはルフィの持つ地図を覗き込んだ。
「んで? どーするよ、ルフィ」
「まぁ、とりあえず行ってみっか!」
というわけで、メリー号はモンブラン・クリケットなる者の元へ向かうことになった。
→ 3. ノックアップストリーム
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