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22. バスターコール
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「ルフィがっ、勝ったぁ!」
橋の上で響く、ウソップの叫び声。
ナミが口角を上げて仲間たちに言った。
「全員、すぐに脱出船へ! 船を出すわよ!」
と、そこに……
『『うおおおおおお!!』』
『やったぜ麦わらさ~ん!』
『ばっ、馬鹿お前ら! 向こうまで聞こえちまうだろうが!』
『いいんだ! 知らせてやるんだよ!』
フランキー一家の子分たちの声が聞こえてきた。
海兵たちは大慌て。
「おいっ、何だこの声は!」
「分かりません! どこかからスピーカーを使って話しているようですが……っ」
『ア~ニキ~ッ!』
『俺たちは無事ですぜ~!』
フランキーは涙を浮かべる。
「……アイツらっ……ぐすっ、あの嬢ちゃんの言ったことは本当だったんだなっ……アイヅら、生ぎでっ……」
「何だ……? この声……」
呟いたウソップを振り返り、フランキーが眉を顰めた。
「ぁあ? 何って、ウチの子分たちの声だろうが。何言ってんだ」
「いや、違う! その声じゃねぇんだ!」
ウソップは両手を耳に当て、辺りを見渡す。
(この声、どっかで……)
『第一支柱、麦わらから目を離すな』
スピーカーから、中将の声が響き渡った。
第一支柱に最も近い軍艦から、返事が来る。
『は、はい、しかし……海賊麦わらのルフィもまた、致命傷の色濃く……その場から全く動きがありません!』
未だ戦い続けている仲間たちは、一斉に第一支柱の方を向いた。
ナミが目を見開く。
「ちょっと、ウソでしょ!?」
ウソップが橋のギリギリまで、ルフィの様子を見に行った。
支柱の壁に開いた穴から、横たわったまま微動だにしないルフィが見える。
「……はぁ…………はぁ…………」
息も絶え絶え。
死にかけと言っても差し支えない。
ウソップは力の限り叫んだ。
「おいルフィィィ! 何してる! 急いでこっちへ来いよ! 逃げなきゃ助からねぇんだ!」
ルフィの首が、ぎこちなくウソップの方へ向いた。
「……はぁ………はぁ………」
「どうしたんだよ! 早くゴムゴムでこっちに飛んで来い! あとは俺が担いでやるから!」
「……はぁ………はぁ………」
「周りは軍艦だらけだ! ここにいたら殺されちまうぞ! ルフィィィ!」
「……はぁ………ぁ……はぁ………っ」
「おい聞こえてんのか! ルフィィ!!」
「……はぁ……っ…だめ……だ…」
「は…?」
「…か、らだ、が…よ……ぅごかね、んだ」
「なに、を…」
「ぜ、ぜんぜん……うごか、ね…っ」
ウソップは目を見開いて固まった。
……そんなことって。
ここまで来て、そんなことって……
「馬鹿言ってんじゃねぇよ! 敵は倒したんじゃねぇか! ロビンもティオも取り返した! あとはもう帰るだけじゃねぇか! 頼む頑張ってくれぇ!!」
喉が張り裂けんばかりに叫ぶが、ルフィの体はピクピクと小刻みに震えるだけで、全く動かない。
見かねて、ナミが叫んだ。
「ウソップ! ルフィのいる支柱へ船を回しましょう! 全員、急いで船へ!」
そのとき……
「撃てぇ!」
"ズドォンッ!!"
「「「!?」」」
突然聞こえた爆音と、上がった火柱。
振り返れば、脱出用に確保していた護送船が燃えている。
「うそっ、脱出船が……」
「何てこった……あの船以外、脱出方法はねぇんだぞ!」
「あの船にはチョッパーが……それにココロさん、チムニー、ゴンベ……」
ナミは目を見開き、その場に膝をついた。
「そんな……」
助かる見込みは限りなく低い。
チョッパーは動けない上、ココロたちは一般人(?)だ。
あんな業火の中を……
「ぅぉおおおお!!」
「……え?」
燃え盛る炎の中から雄叫びが聞こえてくる。
「うおらぁぁっ、どけどけクソ海兵共ォ!」
「サンジ君!?」
炎の中から走り出てきたのは、サンジ。
両腕にココロとチョッパーを抱え、背中にはチムニーとゴンベをひっつけ、肩にはティオを乗せている。
「はぁ~……何とか間に合った……」
「サンジ君、アンタ一体どこにいたの? それに何でティオが一緒に?」
てっきり、ティオはゾロの頭に乗っているものと思っていた。
「はぁっ、はぁっ、いやぁ悪りぃ、ちょっと野暮用で……しかし、エラいことになったな。こっちサイドはロビンちゃんがいるから砲撃はねぇと思ってたのに……」
『撃て』
"ヒュゥゥ……ドゴォッ"
砲撃が橋を砕く。
サンジたちは全速力で走り出した。
「ちょっと! 味方ごと攻撃してきたわよ!? どうなってんの!」
『第二支柱へ追い詰めろ』
"ヒュッ…ドゴォッ、ズドォンッ"
爆撃に追われ、麦わら一味は一ヶ所に集められていく。
海兵たちは足場を無くし、海へと落ちて行った。