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22. バスターコール
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「……?」
突然、ティオの
「……なにか、きこえる」
「「「?」」」
3人は辺りを見回し、聞き耳を立てる。
ティオの言う音に気づいたのはそげキングだった。
「……ホントだ。……この音、水の音じゃねぇか?」
「そりゃ水音くらい聞こえんだろ。ここはもう地下通路だぜ? 壁の外は海だ」
「いや、そうじゃなくて、この通路の先の方から聞こえてくるっつーか……」
"ザバァ…"
言ってる傍から視界に入るヤバそうな景色。
ゾロとサンジは急ブレーキで止まった。
"ザザァ~ッ"
津波級の速さで濁流が押し寄せてくる。
「おいおいマジかよっ」
「あ、なみちゃん、たち」
ティオの前足が指す先には、濁流の前を走って来るナミ、ココロ、チムニー、ゴンベ。
そして、ココロの帽子には気絶したチョッパーがくくりつけられている。
「あ! 海賊にぃちゃんたち!」
「ニャァー!」
「アンタたち! この水 何とかしてぇぇ!」
「何とかしろって……どうすんだよ」
「ヤベェぞ逃げろぉぉ!」
「な、ナミさんが……俺の胸に飛び込んで来るぅぅ!」
「ポジティヴぅぅ!?」
ゾロはキョロキョロと辺りを見回した。
「まずいっ、閉じ込められる!」
こんな地下では水に飲み込まれたが最後、生きては返れない。
ゾロは刀を抜き、壁に斬りかかった。
鉄をも斬れる斬撃で壁を破壊し、せめて外へ出られる穴を開けようとする。
しかし……
"ガッ、ガッ、キィンッ"
「斬れねぇっ……石や鉄じゃねぇのか?」
「ここは海底の地下通路だ。水圧に負けねぇくらいの分厚い鋼鉄で固めてあんだろ」
「んじゃ逃げ場ねぇぞどーすんだ!」
「「「うわああぁあぁあ!」」」
"ザバァッ!"
どうすることも出来ず、全員、濁流に飲み込まれてしまった。
「む、ぅ……っ」
"ボンッ"
能力者ゆえに、ティオは水中では人の姿に戻ってしまう。
そのまま力が抜け、水流に呑まれ始めた。
"パシッ"
「……?」
掴まれた感覚に薄く目を開けば、ゾロの手が腕を掴んでいた。
力強く引き寄せられ、背に腕を回される。
ティオは力を振り絞ってゾロの首に腕を回した。
それを見降ろしながら、ゾロは眉間にしわを寄せる。
(くそっ……このままじゃ)
流れが強く、抗って泳ぐことも出来ない。
(……息がっ……もたねぇ)
目の前が暗くなり始める。
(何かっ……何かねぇのか!)
『―――大丈夫、死なせやしない』
「……?」
―――突然、声が聞こえた。
誰のものかは分からなかったけれど。
"パシィッ"
「「「!?」」」
細長い布のようなものが、全員を包み込む。
(何だ……? 何かに体を引っ張られるっ)
体が水の流れに逆らい、高速で進行方向へ進み始めた。
自分たちを引っ張ってくれるその正体を、サンジはぼやける目で見つめる。
(俺は、夢でも見てるのか……?)
目の前で水を掻き分け翻る、尾ひれ。
(……海にて、溺れる船乗り数人。薄れゆく意識の中で見る優雅な尾ひれ。……見上げると、海に揺蕩う長い髪。その姿は美しく、まるで幻を見るかのような人魚伝説……。夢ならこのまま、覚めずに……)
「特急で行くよ! しっかり息を止めときなぁ!」
「「「ボゴゴッ!?」」」
全員、思わず肺の中の空気を全て吐き出してしまった。
(((じゅ、ジュゴン!?)))
「んががががががっ!」
―――幻であれと、誰もが思った。
ココロが、人魚だったなんて―――