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21. ゾロ VS カク
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三本の刀たちは、今度こそ本当の主の手に握られた。
いよいよ本領発揮だ。
「まったく、無駄に時間を取られたわい」
ため息をつくカクに、賛同したのはナミ。
「ホントよもう! こんな大変な時にここまで馬鹿やってたなんて!」
「「そりゃコイツがマヌケだから」」
ゾロとそげキングは互いを指さす。
「どっちも大マヌケよ! さっさと鍵奪いなさいアホ共ォ!」
「……
"ズォッ…"
「おっと」
"ガキンッ"
カクの斬撃は、ゾロが刀で受けた。
その間に、ナミとそげキングはティオの近くへ後退する。
CP9はティオを殺せないため、今最も安全なのはティオの近くだと瞬時に判断したようだ。
「よくやったゾロ君、わたしの指示通り!」
「ファイトー! ゾロー!」
「テメェらも戦え!」
ナミはそれを無視してティオの傍に膝をついた。
「無事でよかったわ、ティオ。……傷は大丈夫なの?」
「だいじょぶ。ちょっぱーが、てあて、してくれた。……なみちゃん、こそ、けが……」
「大丈夫、かすり傷よ! ……それより、バスターコールが掛かったことは知ってる?」
「(コクン)」
「よかった、話が早いわ。……思うんだけど、今の状況だと、引き返すより正義の門へ向かった方が逃げるチャンスがある気がするの」
そげキングがパァっと表情を明るくする。
「そうか、何も軍艦十隻が待つ危険な方へ逆戻りせず、敵陣とはいえ進んじまった方が案外いいのかもしれねぇな」
「正義の門の向こうって、どうなってるか分かる?」
ティオは静かに首を横に振った。
「せいぎのもん、くぐったら、かいぞく、ぜったい、かえれない。なぜなら、もんのむこう、さんかっけいの、かいりゅう、うずまいてて、かいぐんほんぶ、えにえす・ろびー、いんぺるだうん、むすぶだけ、だから」
「それって、ここから正義の門をくぐった場合、行先は海軍本部かインペルダウンしかないってこと!?」
「(コクン)」
「マジかよ!? さすがにそんなとこまで突破出来ねぇぞ……」
「それと、ひとつ、かんちがい」
「え?」
「ばすたーこーるの、ぐんかん、せいぎのもんから、はいってくる。もと、きたほうへ、にげるのが、とくさく」
「え、そうなの?」
「(コクン)…かこまれる、まえに、にげられれば、だけど……」
「つまり、軍艦十隻が来る前に、ロビンを取り戻して逃げる必要があるのね? 軍艦が来るまでどのくらいか分かる?」
「たぶん、あと、20ぷん、くらい」
「それしかないの!?」
「それが、かのうになるのが、せいぎのもんの、むこうがわ」
「そんな……うそでしょ……」
「20分じゃさすがに間に合わねぇぞっ」
「せいぎのもんの、まえ、たぶん、ごそうせん、とまってる。それ、うばって、にげるのが、いい」
「護送船?」
「(コクン)…ぐんかんから、にげるなら、おなじはやさの、ぐんかん。なみちゃんの、こうかいじゅつなら、もっと、はやくなる。ぜったい、にげきれる。ごそうせん、には、かいへい、そんなに、いない。せいあつ、かんたん」
「まとめると、CP9を倒してロビンの手錠の鍵を届けつつ、護送船を乗っ取る。あとはバスターコールが来る前に逃げられれば御の字。来たとしても、上手く掻い潜りながら逃げるしかないってわけね?」
「(コクン)」
「んじゃ、変らず時間との勝負だな!」
「よーしっ、ゾロ! ちゃっちゃとそんなキリンやっつけちゃっt「いやぁ、さすが元・伝承者はキレ者だなぁ」
「「「!?」」」
突然3人の隣で声がした。
慌ててそちらを見れば、ジャブラが腕を組んで座り、カクとゾロの戦いを見ている。
「なかなか能力をモノにしてんなぁ、カクの奴」
「おっ、オオカミっ……てっ、テメェの相手はこの俺だぁ!」
そげキングが足ガクガクで巨大パチンコ・カブトを構える。
しかし、ジャブラは戦う気配が無い。
「はぁ……そういきり立つなっての。オメェら、このガキとニコ・ロビンを助けてぇんだろ?」
ジャブラは大きな爪の先で、器用にティオの頭を撫でる。
ティオは下手に動かない方がいいと直感し、されるがままに従った。
「ほらよ」
"カチャン……"
ジャブラが、ロビンの手錠の鍵をそげキングの足元に放り投げる。
「「え……?」」
そげキングとナミは戸惑いを隠せず鍵を見つめた。
ティオはじっとジャブラを見上げている。
「さっさと持ってけ、その鍵。……そして、ニコ・ロビンを救ってやれ」
「お前一体……」
「俺は本当は、人殺しなぞしたくねぇんだ。……血が、嫌でよ」
ジャブラは包帯が巻かれたティオの脚をちらりと見て、目を逸らして首を横に振った。
「そ、そんじゃぁ一応、鍵は貰っておくけど……」
そろりそろりと鍵の元へしゃがみ始めたウソップに、ティオが目を見開いて叫んだ。
「だめっ、ばか!」
しかし時すでに遅く……
「
"ザクッ!"
「ぐは…ぁっ」
鋭い爪を持つジャブラが繰り出した、
それを真正面から食らったそげキングは、血を迸らせて壁まで吹っ飛んだ。
"ドゴッ…"
「ウソップ!」
「ハッハッハッ! 油断してんじゃねぇよ。俺は狼だぜ? 獲物の隙をつくのは常套手段だ」
ナミがそげキングに駆け寄った。
ティオも四つん這いで2人の元へ行こうとする。
「ぬぁっはっはっはっ! とんだマヌケ仮面だぜ。さっきみたいに逃げ回ってりゃよかったものを。逃げ足は大したもんだったぜ?」
「……っふざけんな」
「ぁあ?」
そげキングはパチンコを手に立ち上がった。
「……もうっ、そんな時間はねぇんだよっ……必殺・ヒマワリ星!」
放たれた弾は、まっすぐジャブラまで飛んでいき、5つに分かれて爆発を起こす。
"ズドドドドドンッ"
「はっ……はぁっ……やったか?」
「フン、花火か」
「!?」
"ドカッ"
いつの間にか、ジャブラはそげキングの背後にいた。
回し蹴りのようにそげキングを蹴り飛ばす。
「うそっ、ぷ……っ」
「やめてぇっ!」
「
ジャブラは宙を舞うそげキングに追いつき、腕を振り下ろした。
"ズゴッ!"
「ぐ……ぁっ」
そげキングは地面に深くめり込む。
そのまま、連続で
"ドスッドスッドスッドスッ!"
ナミがクリマ・タクトを構えて飛び出す。
「やめてよっ! サンダーボr"ドカッ"
「きゃぁ……っ」
敵うわけもなく、鋭い一撃で吹き飛ばされるナミ。
ジャブラはそげキングを片手で持ち上げた。
「約束通り瞬殺だ。楽に死ね」
「ぅ……っ」
「あのまま羊飼いと繋がったままで身を守ってもらってりゃ、無事だっただろうに。子羊が1匹でさ迷い歩くもんだから、見ろ、恐ろしい狼に食い殺されるんだ、なっはっはっ! ……さぁ、終わりだ!」
ゾロが、カクの攻撃を受けながらも、何とか助けに行こうとそげキングをチラチラ見る。
……しかし、その心情が分かっているカクは、行かせまいと攻撃の手を休めなかった。
「おいっ、よせ狼! テメェ!」
「よそ見はいかんなぁ。……
"ガキンッ"
「くそ……っ」
「殺さないでお願い! アンタの鍵いらないから!」
「だははははっ、お前も次に死ぬんだよ!」
今にもそげキングに向かって振り下ろされそうな鋭い爪。
(……うそ、っぷ……っ)
ティオは痛みを堪えて懸命に立ち上がり、
しかし……
"ぐらり…"
「あ…れ……?」
海楼石の影響は想像以上で、上手く力が入らず、走り出すことも出来なかった。
ティオは芝生に向かって、真っ直ぐに倒れ込んでいく。
"―――パシッ"
「?」
芝生につく直前で、ティオの体は止まった。
腰回りに腕が回され、支えられている。
「……大丈夫、俺に任せて」
ティオはそっとその場に座らされ、優しく頭を撫でられた。
ふわりと、苦くて甘いタバコの香りが横を通り過ぎて行く。
「さぁ、死ね! 仮面野郎!」
「お願いだからやめてぇぇっ!!」
「「ウソップ!」」
フォンッ、とジャブラの腕が振り下ろされたのと、同時―――
"バキャッ"
ジャブラは蹴り飛ばされた。
"ドゴォッ"
勢い余って壁に突っ込む。
「……ぃ、てててっ……誰だァ!」
壁から抜け出し、自分を蹴り飛ばした者を睨むジャブラ。
蹴りを入れた張本人は、悠然とタバコに火をつけた。
ナミはその姿に涙を浮かべ、ゾロはニヤリと笑う。
ティオはホっと肩の力を抜いた。
「俺が、誰かって? ……狩人だ」
言って、サンジはタバコの煙を吹いた。