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20. エニエス・ロビー
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「ふう……さて。じきに麦わら一味も全員捕えられてここへ連行されてくるだろう。エニエス・ロビーの兵力は約1万。さっきの通信じゃ、こっちの被害総数はたった5人だったらしいからな」
その言葉に、ティオの瞳に僅かな鋭い光が宿った。
……そんなわけがない。
だって覇気で分かっているもの。
既に、ルフィが1人で1000人近く倒していることが。
「カティ・フラムと麦わら一味はインペルダウンへ、ニコ・ロビンは海軍本部へ、それぞれ護送の準備が出来次第、正義の門をくぐり出港する。ティオに関しては政府にもバレるわけにはいかねぇからな。これからはお前らCP9に任せる。必ず誰かが常に行動を共にし、きっちり監視しろ」
「「「了解」」」
話がつくと、扉のそばに控えていた黒服の諜報員2人が、フランキーとロビンを別の場所へ移そうと近づいてきた。
その2人へ、スパンダムが思い出したように忠告する。
「あぁそうだ、先に言っとくぞ? カティ・フラムは凶暴だk…"ガジッ"
フランキーは再び、スパンダムの頭に齧りついた。
「のわあぁっ、カリファっ、助けっ」
「セクハラです」
「ぅぇええっ!? 何でぇっ!?」
スパンダムがフランキーに噛みつかれている間に、ブルーノはフクロウに訊いた。
「麦わら一味の侵入は本当か?」
「あぁ。さっき通信が入ってしまったチャパパ。長官は恥ずかしいくらい取り乱していたぞ」
「被害が5人というのは?」
「さぁな。けど、連絡役は確かにそう言っていた、チャパパ」
ブルーノはデスクの上の電伝虫を見た。
(受話器が外れている……)
ということは、麦わら一味の侵入を知らせたその通信以降、新たな情報は入っていないということだ。
(まさか、な……)
「おら、さっさと歩け!」
「グズグズするな!」
黒服たちに引っ張られ、フランキーとロビンはどこかへ連れていかれた。
やっとフランキーから解放されたスパンダムは、CP9メンバーに向き直る。
「お前らもご苦労だったな。ティオの監視がてら、部屋に戻って一息入れてくれ。……この一件で俺たちに与えられる地位が、とんでもねぇものになるのは確かだ。どうだ? 船でひとつ、祝杯でも挙げようじゃねぇか」
すると、ルッチが一番に立ち上がり、ティオに近づいていった。
「祝杯という気分でもないですね。地位や権力に興味がないもので」
硬く打ちつけられた壁の杭を、片手で
「我々の正義は世界政府に既存する。政府があなたをCP9の司令官と認める限り、その任務を完璧に全うするまで。何もあなたの意見に賛同する必要もない」
ルッチは鎖を引っ張って歩き出した。
ティオは仕方なく後をついて行く。
合わせて、他のCP9たちも歩き出した。
スパンダムは一貫して冷ややかなルッチの瞳に、一種の恐怖を抱く。
「せ、正論だが……じゃぁお前らの求めるものは何だ?」
ピタっと、ルッチが止まった。
「血、ですかねぇ……ここにいると、殺しさえ正当化される」
スパンダムは息を呑む。
(……寒気がするぜ……世界政府にあって、唯一の殺し屋集団。なんて頼もしい奴らだ、俺の部下たちは! コイツらさえいれば、俺はもはや誰にも負ける気がしねぇ!)
と、そこで一つ思い出した。
「あぁちょっと待て、お前ら。これを渡すのを忘れていた」
そう言って、デスクの引き出しから取り出したのは、2つの悪魔の実。
赤い皮でバナナのような形の方をカクに、藤色の皮で縦長のメロンのような形の方をカリファに、それぞれ渡す。
その瞬間……
「のぉぉぉおっ!」
ジャブラが勢いよく飛びのいた。
「待て! そりゃ悪魔の実じゃねぇか!」
クマドリとフクロウが興味深げに見つめる。
「よよいっ、ぁそりゃぁ、本物かぁ~?」
「オレ初めて見てしまった! チャパパ!」
「よよいっ、ぁオイラもだぁ~あ!」
ジャブラはビクビクしながらカクとカリファに訴えた。
「おっ、おいっ、それ
2人は呆れ顔でジャブラの方を向く。
「何をそんなに騒ぐんじゃ?」
「馬鹿っ知らねぇのか! 能力者ってのはな、身体ン中に1匹悪魔を宿してるってことなんだ! 例えば、俺が実に近づくと、実の中から悪魔が飛び出てきて、俺の中の悪魔と喧嘩するから、俺の体が爆発しちまうんだ!」
「あら、そうなの?」
カリファの目がティオに向く。
ティオはカリファを見上げて、首を横に振った。
「それ、あくまのみ、ふたつ、たべた、ばあい。ちかづくだけじゃ、なにも、おきない」
「だそうよ、ジャブラ」
ブルーノがため息をつく。
「諜報員が
「なにっ、本当か!?」
ジャブラは一瞬で戻ってきた。
「何だ、そうだったのか…。しかし長官、悪魔の実を2つも、よく手に入れられたなァ」
「フン、いろんなコネがあんのさ俺には。カク、カリファ、今後のためにも食っておけ。ただし、それにどんな悪魔が宿ってるかは俺も知らねぇ。図鑑でも調べてみろ」
「「了解」」
"キィィッ……バタン"
CP9はティオを連れて長官室を後にした。
そして部屋に向かって歩き出したところ、ブルーノだけが足を止める。
「ルッチ」
「……何だ」
「俺は少し別行動を取る」
「好きにしろ」
ルッチの許可を取りつけ、ブルーノは能力で空間にドアを開き、どこかに消えていった。