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19. CP9
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ルフィたちが再びガレーラ・カンパニーへ辿り着く頃、ウォーターセブンは夜闇に包まれていた。
万が一にも大工たちに見つからないよう、カンパニーの庭の木の上に潜む。
「すげぇ船大工の数だぞ……」
木の葉の陰から様子を伺ったチョッパーは、縮み上がった。
カンパニーの本社は、大工たちにぐるっと取り囲まれている。
全く隙が無い。
ルフィが、木から建物への距離を目算で測りつつ言った。
「おいナミ、ちょっと遠いぞ」
「文句言わないの。こんな警備の中じゃ、これ以上は近づけないわ。アンタなら腕伸ばして飛んでけるんだからいいでしょ。……あと、飛んでくなら騒ぎが起こってからよ」
ゾロが腕を組んで言う。
「確かに、俺たちが先に騒ぎを起こしちゃ、あっちにそれを利用されるだけだからな。どんな些細なことも見逃すなよ、チョッパー」
「うん、分かった」
チョッパーは持っていた双眼鏡を覗いた。
「大事なのはタイミングね。騒ぎが起こってすぐに行ったんじゃ仲間だと思われるのがオチ。かと言って出遅れたら二度とロビンには会えない。……ここは慎重にいかないとね」
ナミが様々なシチュエーションを頭の中でシミュレートする傍ら、ルフィが言った。
「あぁ、こりゃヘタに突っ込んだら大変なことになる」
「んなっ……どの口がそんなこと言えるのかしら……昼間はいきなりアイスバーグさんのとこまで飛び込んでったクセに……」
……しばらくは、何も起こらないまま夜が更けていった。
次第に見張りの大工たちがダレ始める。
今夜はさすがに何も起こらないんじゃないか、と、誰もが思い始めたそのとき……
"ズドオオォォンッ!"
突然、建物の北側で大きな爆発が起きた。
「何だっ、どうした!」
「砲撃か!?」
「いや、何も飛んできてないぞ!」
「元から仕掛けられてたみたいだ!」
大工たちは消火作業を始めた。
そこへさらに……
「で、出たぞ!」
「侵入者だ!」
「仮面をつけてるぞ!」
仮面をつけた侵入者たちが現れ始めた。
チョッパーが望遠鏡で侵入者たちを追う。
「大工たちが追い回してるぞ」
「あぁ。だいぶ騒がしくなってきやがった。……けど、まだだな」
「そうね。突入はもう少し……」
ふと、チョッパーは横を見た。
「あれ、ルフィは?」
「「えええええっ!?」」
さっきまでルフィがいた場所は、ただ風が吹き抜けるだけ。
どこに行ったかなんて考えるまでもない。
「「ちゃんと考えてから行動しろよ! アホ船長ーっ!」」
「……今さら?」
文句は色々あれど、船長が飛び込んでしまったのなら、クルーも飛び込む他ない。
ゾロとナミとチョッパーは木から降り、建物の裏口へと走り出した。
「まったくもう! 何でアイツは人の助言ってものを聞けないの!?」
「いつものことだろ」
「ナミ、俺たちこれからどうすんだ!? 突入するにも慎重に行かなきゃダメなんだろ!?」
「まぁそうだけど、案外ラッキーなのよね今の状況。考えてもみて? ルフィの場合、突入するのに、裏へ回ったり横へ回ったりすると思う?」
「しねぇな、絶対」
「きっと何も考えず真正面から飛び込んだはいいものの、どこへ行けばいいか分からず、追いかけ回されてる頃だと思わない?」
「うん! 思う、思うぞ!」
「アイツのことだ、それしかねぇな」
「でしょ? ってことは、建物の中は大騒ぎ。どこの入り口も手薄になって、私たちには絶好の侵入機会になってるってわけ!」
「なるほどな。……んじゃ、すぐそこの塀を飛び越えて入るとするか」
「そうね、行きましょう!」
「おう! ルフィに続けぇ!」
なんて、意気揚々と塀を飛び越えた先には……
「うそ…でしょ……?」
大工たちが勢揃いしていた。
「「どこが手薄だあ!!」」
「見ろ、麦わら一味だ!」
「ロロノア・ゾロがいるぞ!」
「あの女、昼間麦わらと一緒にいた女だ!」
大工たちが剣や銃を手に追いかけてくる。
もちろん3人は逃げ出した。
「ちょっと! 何でルフィいないのよ!」
「知るか! 俺が訊きてぇくらいだ!」
「ひぎゃああああぁぁぁぁっ!!」
その頃、件のルフィが、勢いよく飛びすぎて壁と壁の間に挟まっていたなんて、本人以外は知る由もない……
「チッ……どのみちこのままじゃ、俺らは現行犯みてぇなもんだ。開き直るなら手はある!」
ゾロは足を止め、大工たちを振り返った。
「ちょっとゾロ、何する気!?」
「このまま屋敷の周り逃げ回っても意味ねぇからな。正面から突入してロビンを探す」
「だけどゾロ、相手は船大工だよ!?」
「心配すんな、峰打ちでいく」
ゾロは構えた刀をくるりと反転させる。
そして力強く一歩を踏み込んだ。
「道を……開けやがれ!」
"ガッ、ガッ、キィンッ"
「「うわあああああっ!」」
竜巻に吸い込まれるように、大工たちが空に舞い上がる。
その一方的な状況に、ナミとチョッパーは言った。
「「いや、致命傷与えてますけど……」」
しかし、時すでに遅し。
数分とかかからず、ゾロは大工たちを全て気絶させてしまった。
そして、やり切った感のある表情で言う。
「安心しろ、峰打ちだ」
「って、なんで船大工全員伸しちゃってんのよ!」
「ゾロは強ぇなぁ~!」
「はぁ……まぁいいわ。さっさと行くわよ!」
ナミが先頭切って走り出した。
行く先はもちろん、ロビンがいるであろうアイスバーグの部屋。
チョッパーもナミに続いて走り出した。
「ゾロ、こっちだぞ!」
「あぁ」
「いやだからこっちだって!」
「先導してるのにどうやって間違えたの今! 奇跡!」
「お、そっちか」
「うわぁぁっ! ナミーっ! ゾロがいなくなったーっ!」
「何ですってぇ!? …ったく、ティオがいないときくらいはぐれないでよ! 見つけるの大変なんだから!」
ナミとチョッパーは急いでゾロを探し、今度こそはぐれないよう、2人でゾロを挟む形でアイスバーグの部屋を目指した。
「確か三階の、一番奥の部屋だったわね……」
記憶を頼りに階段を駆け上がる。
「あった! 正面に見えるあの扉で間違いないわ!」
「ここにもいっぱい人が倒れてるぞ!」
アイスバーグの部屋が近づくにつれ、ナミとチョッパーは次第に速度を緩め、ゾロを先へと送り出した。
「? おいお前ら、何で後ろに行くんだ?」
「さぁ、扉を斬って突進よ!」
「「どうぞ!」」
「何だそりゃっ俺に命令すんな!」
……とはいえ、ここまで来てはそれしかない。
ゾロは不本意ながらも刀を構えた。
"シャキンッ"
扉と、周辺の壁をもろともに切り崩す。
"ズガァンッ!"
「よし、開いt「うおおおおっ! ロビンはどこだぁぁぁっ!」
「んなっ、ルフィ!?」