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18. 一味崩壊の危機
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その頃。
「海列車は運行中か……昼の便はもう出ちまってるが、この悪天候の中を夜にもう1本出んのか。エニエス・ロビー行き午後11時……すげぇな海列車ってのは」
ロビンとティオを探しているサンジとチョッパーは、海列車の時刻表の前にいた。
「おい、海賊たちはいたか?」
「いや、こっちにはいなかった」
「とりあえず顔が分かってるのは、船長のモンキー・D・ルフィ、海賊狩りのゾロ、悪魔の子ニコ・ロビンの3人だけだ。誰か1人を捕まえりゃ、締め上げて残りの仲間を吐かせることが出来る!」
「急ごう、波が高くなる前に!」
「「おう!」」
……少し前から、避難する住民たちとは別に、街中を走り回っている大工たちがいる。
「俺らのこと探し回ってるらしいな」
「そうだな」
先ほど、風で飛んできた新聞を見たところ、アイスバーグ暗殺未遂の犯人として麦わら一味が挙げられていた。
サンジとチョッパーはまだ手配書が出ていないため、大工たちには顔を知られていない。
まだ堂々と街中を歩けるのだ。
「ロビンとティオ、もしかして海列車に乗っちまったのかな……」
「だとしたら厄介さは最悪のレベルだ。このウォーターセブンですら広すぎて手に負えねぇってのに」
「……俺、本屋でロビンのこと怒らせちまったのかな」
「バーカ、ンなわけねぇだろ。それじゃティオちゃんが帰って来ねぇ理由にはならねぇ」
「……そっか」
「おい、そっちはどうだ!」
「ダメだ、それらしい奴はいねぇ」
「裏町の方へ行ってみようぜ!」
「……ルフィたち、大丈夫かな。街じゅうから追われてるし」
「ルフィは問題ねぇよ。それより心配なのはナミさんだ。……それに、風がどんどん強くなってやがる。俺たちもいずれ避難しなきゃならねぇ」
「そうだな。……スンスン、ん?」
突然、チョッパーが鼻を動かした。
「この匂いは……」
呟きながらどこかへ走り出す。
「お、おい、チョッパー? どうしたんだ」
サンジは慌ててその後を追った。
「いる……こっちだっ」
チョッパーは角を曲がり、階段を駆け下りていった。
そして水路の前で止まる。
「はっ、はぁっ、おいチョッパー、いったい何だってんだ」
後から階段を降りてきたサンジも、水路を前にして止まった。
「おい、なに固まってんだよ。水路の向こうに何かあんのk―――
チョッパーと同じ方を見て、サンジは目を見開いた。
「ロビンちゃん……」
ずっと探し求めていた姿が、そこにあった。
風に吹かれ、美しくなびく黒髪。
ロビンは水路を挟んだ向こうで、いつものように凛々しく立っていた。
「ど、どこにいたんだよロビンちゃんっ、探したんだぞ? みんな心配してる。さぁ、宿へ帰ろう。こっちはこっちで色々あって、まぁゆっくり説明するが……こう離れてるとじれってぇな……。待ってなよ! 今そっち側へ回るから!」
サンジはロビンの元へ行こうと走り出す。
……しかし。
「いいえ。いいのよ、そこにいて」
「?」
ロビンの一言が、サンジの足を止めた。
チョッパーはいつもと違う感じがして、まばたきを繰り返す。
「ロビン?」
「私はもう、あなたたちの元へは戻らないから。……お別れよ、ここで。この街で」
「な、なに言い出すんだよロビンちゃん。……あ、新聞のことか? だったら気にすることねぇって。俺たちは信じちゃいねぇし、海賊が濡れ衣着せられんのはよくある話だ」
「そうね、あなたたちには言われのない罪をかぶせて悪かったわ。だけど、私にとっては偽りのない記事よ。……昨夜、市長の屋敷に侵入したのは、確かに私」
「「!?」」
「私には、あなたたちの知らない闇がある。闇はいつか、あなたたちを滅ぼす」
チョッパーは青キジの言葉を思い出した。
『お前たちにもそのうち分かる。その女にしろあのチビにしろ、厄介な奴らを抱え込んだと。その証拠に、ニコ・ロビンが関わった組織はみんな壊滅してる。本人を除いてな』
「現に私は、この事件の罪をあなたたちにかぶせて逃げようとしている。事態はもっと悪化するわ」
「どういうことだよ! 何でそんなこt「何故そうするのか、あなたたちは知る必要のないことよ」
「どうしたんだよロビン! 一緒に帰ろう!」
涙ぐむチョッパーの叫びもむなしく、ロビンは首を振る。
「短い付き合いだったけど、今日限りで、もう二度と、あなたたちに会うことはないわ。こんな私に今まで、良くしてくれて、ありがとう」
それだけ言うと、ロビンは去っていった。
「ロビン!」
「ロビンちゃん!」
……いったい何が起きているのか。
強まる風が、サンジとチョッパーの不安をさらに煽った。
ウォーターセブンにとっても、麦わら一味にとっても、嵐はすぐそこまで迫っている……
→ 19. CP9
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