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2. 麦わらの一味
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3日後。
「なァ、まだか~? ウソップ~」
ゴーイングメリー号は、アラバスタからジャヤへの直線航路上を順調に航海していた。
船長のモンキー・D・ルフィは、メリーの頭の上で暇そうに寝そべっている。
ティオの予想は的中し、ゴーイングメリー号は、ジャヤのすぐ近くまで来ていた。
「あ~、まだ見えねぇな~」
ウソップは物見台で望遠鏡を覗き、方々を見回している。
「そんなに遠くはねぇんだろ? そのジャヤって島は」
ゾロが訊くと、ナミはエターナルポースを確認した。
「えぇ。気候もさっきからずっと安定してるし、もう島の気候海域に入ってるはずよ?」
(みつけた、むぎわら、いちみ)
2つのエターナルポースを駆使して、アラバスタとジャヤを結ぶ航路を逆走していたティオは、2時の方向にメリー号を発見し、気づかれないよう、高度を上げて近づいていった。
というのも、麦わらの一味には何度も自分の姿を見せているため、バレる危険性があるからだ。
潜入捜査はもちろんのこと、調査や拿捕誘導もバレてはいけない。
(……かもめ)
よく見ると、メリー号の上をカモメが3羽ほど飛んでいる。
ティオは風に乗って上昇し、カモメの上でピッタリ身を重ねた。
これでティオの姿はカモメの陰に隠れ、下にいる麦わらの一味からは見えない。
「そんなら、ジャヤは春島だな!」
案の定バレていないらしく、ルフィはのんきにメリーの頭の上に寝そべっていた。
「ぽかぽかしてて気持ちい~な~……春はいい気候だな」
賛同したチョッパーも風を感じる。
そして、カモメの声に上を見上げた。
「カモメも気持ちよさそうだ」
ティオは一瞬焦った。
しかし、声を出さなければバレないはず。
気を取り直して、カモメの影から下の様子を伺った。
そのとき……
"パシュ――ッ"
「……っ」
いきなり左翼、つまり左腕に鋭い痛みを感じた。
(……な、にっ?)
"ボンッ"
激しい痛みに変身状態が保てなくなり、人間に戻ってしまう。
"ドサッ、ドサドサ!"
翼がなくなったティオは、メリー号へ急降下。
そして何故か、一緒に飛んでいた3羽のカモメも落ちた。
「うわあああっ! 撃たれたああああっ! ……って、人ぉおっ!?」
叫ぶチョッパーの元にルフィが寄ってくる。
「うおっ!? カモメと人が降ってきた!」
「た、大変だ! すぐに止血しないと!」
ティオは痛みのせいか、落ちた衝撃か、眉間にしわを寄せたまま気を失っている。
左腕からは、大量の血が流れ出ていた。
ナミとサンジが船室から出てくる。
「あれ……ちょっとその子!」
「アラバスタで会ったかわい子ちゃん!?」
騒ぎを聞きつけて一味が大集合する。
「海兵に混じってたガキか……」
呟くゾロの横で、ロビンは顎に手をやった。
「面白い変身能力を持ってた子よね」
ウソップが物見台から降りてきて、チョッパーの手元を覗き込んだ。
「んじゃあれか? 能力で鳥になって飛んでたら撃ち落とされて、人間に戻っちまったと」
「うん、きっとそうだと思う……ほら、カモメにもこの子にも弾丸が!」
チョッパーはピンセットで弾丸をつまんで見せた。
それが黒ひげ一味の狙撃手、ヴァン・オーガーによるものであるとは、誰も知らない。
ウソップは眉間にしわを寄せて腕を組む。
「ん~……でも銃声なんて聞こえてねぇぞ?」
「でも俺ずっと見てたんだ! 間違いなく前方から、ジャヤの方角から撃ってきてたよ!」
チョッパーの言葉にナミが眉をひそめた。
「まだ見えてもいない島から狙撃したっていうの? チョッパー、それは無理よ~。……それより、早く手当してあげて? 海兵だから敵だけど、アラバスタでは一応助けてもらっちゃったし」
ウソップが思い出すように顎に手を当てた。
「そういやそうだな。砲台の場所、こいつのおかげで見つかったようなもんだしな」
チョッパーはその場で簡単に止血をし、治療道具を取りに船室へ駆け込んでいった。
その間にルフィは、傍らでピクピクしていたカモメを掴み上げる。
「サンジ~! カモメ、カモメ! 焼き鳥にしようぜ!」
「カモメか……。いいスープが作れそうだ」
サンジはカモメを受け取って、キッチンへ入っていった。