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18. 一味崩壊の危機
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強い夜風が砂埃を起こす。
「はぁ……はぁ……」
倒れ込んだウソップを前に、ルフィは力なく膝をついた。
そして悔しそうに言う。
「……馬鹿野郎っ……お前が俺にっ、勝てるわけねぇだろうが!」
何でこんな戦いさせたんだ。
何でこの拳で殴らせたんだ。
ルフィは自分の手で自分の腕を握りしめた。
「……」
やがて、立ち上がって帽子を拾い、背にしたウソップに告げる。
「……メリー号は、好きにしろよ」
「……?」
気絶寸前のウソップの頭がピクっと動いた。
「新しい船を手に入れて、この先の海へ、俺たちは進む」
もう振り返らない。
ルフィはメリー号で待つ仲間の元へ歩いて行った。
「……どうしてよっ」
ナミはそっぽを向き、溢れて止まらない涙を手で覆い隠す。
「ひぐ……っ」
チョッパーも涙をためて、ルフィとウソップをを見つめた。
やがて居ても立ってもいられなくなり、リュックを手に船を飛び出そうとする。
その手をサンジが掴んだ。
「行くなチョッパー」
「何でだよ! ただでさえボロボロなのに、あんな目にあって……っ」
「喧嘩やゲームじゃねぇんだ」
「だからなんだ! 俺は医者だ! 治療ぐらいさせろ!」
「黙れ。……決闘に負けた上、同情される男の気持ちってモンを考えろ」
「……っ」
「不用意な優しさが、どれだけ敗者を傷つけるか考えろ。……アイツは、こうなることを覚悟で決闘を挑んだんだ」
"ザッ……"
足音に振り返ってみれば、ルフィが帰って来ていた。
帽子に隠れて表情は見えないが、肩が小刻みに震えている。
「…………重い……っ」
キラリと、ルフィの頬を幾筋も流れ落ちるものがあった。
ゾロがそれを横目に見て、低い声で言う。
「それがキャプテンだろ。迷うな。……お前がフラフラしてやがったら、俺たちは誰を信じりゃいいんだよ」
「……っ」
噛み締められたルフィの唇から、一筋の血が流れ落ちた。
ピョンと、小さな影が船から飛び降りる。
他でもなく、チョッパーだ。
チョッパーはウソップに走り寄り、ありったけの薬や包帯をその場に置いて、船へと走り戻った。
「……っ」
声を押し殺し、涙を流し続けるルフィ。
指示なんて出せないと察したゾロが、代わって仲間たちに告げた。
「……船を明け渡そう。俺たちはもう、ここには戻れねぇ」